息子と私と『アイツ』
息子はケンカも弱い、走るのも速くない、運動神経も決してよくない、色白の女の子みたいな男の子で、幼稚園からは泣きながら帰る事もよくありました。
『アイツ』と出会うまでは…
10年前に『アイツ』は息子の前に突然、現れました。
私と息子は一緒に、週2回『アイツ』に会いにいくようになりました。
しばらく『アイツ』に会いにいくうちに、息子はだんだん変わり始めました。
歩いてて、近所ですれ違った知らない人にもデカイ声で挨拶するようになったり、何か自信のようなものが備わってくるのが見てわかりました。
週2回以外にも『アイツ』に会いにいく機会が増え、私達より前から『アイツ』を知ってる人達が『アイツ』について一生懸命教えてくれました。
『アイツ』は息子を色々なところに連れていってくれました。5年前は愛知。2年前は神奈川。今年は、岡山と静岡。
色々なところへ行って、『アイツ』と出会ってしまった色々な人達に会って、更に息子は変わりました。
大人しいタイプだったのが、ガンガン色々な人達に声をかけ『アイツ』の話を夢中でし、あっと言う間に友達になって、またその友達が友達を紹介してくれて、息子は、あっと言う間に日本中に友達を作っていきました。
学校でも、いつも友達にかこまれ、誰にも差別する事なく、優しく接し、通知表には、学校のリーダー的存在だとかかれるようになっていました。
ここ数年は、YouTubeやInstagramでも『アイツ』に魅了された人達が、奇声をあげながら約2分間暴れ回る動画であふれてきました。
うちの息子は、いつもその画面に夢中で、うちのスマホもテレビも『アイツ』に乗っとられました。
『アイツ』の正体は、
『少林寺拳法』という武道の一つでした。
『少林寺拳法』は、単なる武道や格闘技ではなく、社会に役立つ「真のリーダー」を目指す「人づくり」の行だそうです。
『少林寺拳法』には、突きや蹴りを主体とした「剛法」と、関節技や投げを主体とした「柔法」があり、それらを組み合わせ、演じるものを「演武」といい、とくに2人で組むものを「組演武」といいます。
｢演武｣を1人で行う｢単独演武｣もあります。また、中学生以下の子供とその親で行う｢組演武｣を｢親子演武｣といいます。
10年前に息子と一緒に『少林寺拳法』に出会ってしまった私も、息子からの影響を強く受け、初段の資格まで、とれるようになりました。
そして先日、『少林寺拳法全国大会inふじのくに』に息子と｢親子演武｣の部に出場してきました。
私は、学生時代に何かに必死で打ち込んだ事もなく、勉強も中途半端、平凡な人生でした。
こんな私が、有名なアーティスト達がLIVEするような会場で、3,000人ぐらい出場する大会で、大観衆の前で息子と、演武を披露する。
これが本当の感無量ってやつで、自然と涙がでてきますし、スゴイ緊張です(((^^;)
息子は中学1年の時から｢単独演武｣で全国大会に出場し、決勝まで出て、入賞してきました。
たった一人で、こんな場所に立ち、予選、準決勝、決勝と、2日間かけて、こんな緊張感を味わって、結果まで残す。息子ながらに本当に尊敬します。
もちろん、人一倍努力する姿も見てきましたし、悔しい思いも沢山してるのも見てきました。
大会を経験する度に仲間との出会いや、素晴らしい先輩から助言をいただき、また一歩踏み出していく姿は、そんな経験の無い私には眩しすぎました。
今回の、演武の前も、緊張している私を見て、｢ミスっても大丈夫やから。俺がフォローするから｣って、どっちが親やねん！と緊張をほぐしてくれました。
息子は中学3年生なので、今年が最後の親子演武となりました。
また、改めて、息子の成長を身体全体で感じられましたし、素晴らしい経験をさせてもらいました。
10年前に出会った『少林寺拳法』に感謝し、息子や私達をこんな舞台まで連れて来てくださった、道院長はじめ色々な方々、仲間たちに本当に感謝しています。
そしてサポートしてくれる家族にも感謝です。
私も、まだまだ、デカイ舞台でも｢演武｣したいですし、息子は新しい相方や仲間を見つけ、もっと険しく、そして輝かしい道を進んでいくでしょう。
『少林寺拳法』を通じて広がっていく『ご縁』を『法縁』というそうです。香川県にいる息子の友達から教えてもらいました。
『法縁』が、今の息子や私を導き、さらにこれからの人生も、素晴らしい出逢いと感動をもたらしてくれるものと信じ、これからも修練に励みたいと思います。
これを読んで、少しでも興味を持っていただいた方は、『少林寺拳法』で検索し、近くの道院に見学に行ってみてください。
気付きました？そうです。すでにあなたとも『法縁』で繋がったのです☺️
初心者大歓迎です。いくつからでもチャレンジできます。親子で素晴らしい経験をしたい人には本当にオススメです。
つたない文章を、最後まで読んでいただき、ありがとうございました🙏合掌