イタリアのフレグランス・香水ブランドについて (前編)
このブログでは、イタリアのエルバ島で生まれたフレグランスブランド
【Acqua dell’Elba】の魅力について、たっぷりとお伝えしているが、
皆さまもよくご存じの通り、イタリアには数多くのフレグランスブランドが存在する。
今回は、Acqua dell’Elbaだけではない、深い歴史と伝統あるイタリアのフレグランス・香水ブランドをご紹介したいと思う。
「フレグランス」と「香水」の違い
まずは、「フレグランス」と「香水」の違いについてお伝えしよう。
「フレグランス」
「フレグランス」とは、香り製品全般を指す用語として幅広く使用されており、天然香料や合成香料から作られた香水、ボディローション、シャンプー、キャンドルなどの製品のことを指す。
「香水」
一方で「香水」は、フレグランスのなかでもとくに香りの濃度が高く、
香料・アルコール・蒸留水で作られたフレグランスのことを指す。
香りの濃度や持続時間によって、パルファム・オードパルファム・オードトワレ・オーデコロンの4つに分類される。
◎パルファム 香水の中で最も濃度が高い
・濃度 15~30%
・持続時間 5~7時間
・特徴 香料の濃度・持続性が高い、普段使いには向かない
◎オードパルファム パルファムよりも軽く持続時間が長い
・濃度 10~15%
・持続時間 4~5時間
・特徴 香りは強めで使いやすい濃度
◎オードトワレ 強すぎない香りが魅力のスタンダードな香水
・濃度 5~10%
・持続時間 3~4時間
・特徴 スタンダードなタイプで初心者にもおすすめ
◎オーデコロン 香水の中で最も濃度が低い
・濃度 3~5%
・持続時間 1~2時間
・特徴 カジュアルな香りが多い、頻繁につけ直しが必要
「フレグランス」は広い範囲の香りを示す用語で、「香水」はフレグランスの一種というカテゴリとなる。
参照:coliria magazine「香りの知識」
イタリアの香水の歴史
続いては、イタリアの香水(フレグランス)の歴史について簡単に触れてみよう。
香水のメッカとしてよく知られるのはフランスだが、実は、今の香水の祖はイタリアからフランスに持ち込まれたもの。
フランスに香水産業の基盤を築いたのは、ルネサンス期、イタリア・フィレンツェを統治していたメディチ家のカテリーナ・デ・メディチである。
当時のイタリアはメディチ家の隆盛によりフィレンツェは栄華を極めており、その華やかなフィレンツェの中で「香りと癒し」を発展させたのが
【Santa Maria Novella(サンタ マリア ノヴェッラ)】。
※Santa Maria Novellaについては後に詳しくご紹介しよう。
1533年、カテリーナがフランスのアンリ2世へ輿入れの際、イタリア文化と共に、すでにイタリア内で発達していた香料の製造技術や調合技術をフランスに持ち込んだ。
その際に持ち込まれたのが、Santa Maria Novellaに特別に調香させた香り「Acqua della regina (アクア デッラ レジーナ)」。
その香りは、たちまちブルボン王朝の貴婦人たちの間で話題となり、フランスの香水ブームを作ったと言われてれている。
カテリーナが香料植物を栽培させ、お抱え調香師を住まわせたのがグラースであり、香水史に多大なる影響を与えたとされている。
参照:三共出版「エッセンス!フレーバー・フレグランス」
https://kurashitokaori.jp/italy-perfume-brand-recommended/
https://zoomlife.tokyo/mono/342
イタリアのフレグランス・香水 ブランド
イタリアの香水の歴史については先述した通りだが、近年では香水ブランドだけでなく、ファッションブランドから香水が発売されたり、フレグランス製品も数多くし登場している。
ここからは、イタリアでうまれたフレグランス・香水のブランドと、その特徴について見ていきたいと思う。
【Acqua dell’Elba / アクア デル エルバ】
まずは、Acqua dell’Elbaについて、まだご存知ない方もおられると思うので改めてお伝えしよう。
いつも記事を見てくださっている方は、もう十分過ぎてお腹一杯と思われるかもしれないが…どうか広い心でお付き合いください。
【Acqua dell’Elba】は、イタリアのリグリア海とティレニア海の境界に位置するエルバ島の、マルチャーナ マリーナという小さな港町で誕生した。
エルバ島の美しさから得たインスピレーションを香りとして伝えたいという想いのもと、2000年に創業された。
地中海に浮かぶ青い宝石のようなエルバ島ならではの、エメラルドグリーンに輝く海と心地よい海風、素晴らしい自然や植物など、
島の魅力を単なる香りではなく、他にはない海のエッセンスとして表現したいとの想いが込められている。
一つひとつに厳選された原材料をベースに、熟練した職人の専門知識に基づいた製法で、スキンケアからフレグランスまで幅広い製品がつくられている。
歴史はまだ浅いが、ブランドが生まれるきっかけとなったエルバ島の美しい海と島の自然を守り続けるための環境活動や地域活動にも力を入れており、
そこで働く方々と島民との温かい繋がりが感じられ、
これから益々多くの人に愛され、歴史を刻んでいくフレグランスブランドと言えるだろう。
参照:Acqua dell’Elba 公式サイト
【Santa Maria Novella / サンタ マリア ノヴェッラ)】
続いては、香水の歴史でお分かりのように、
香りの文化において、世界的にも歴史的にも大きな役割を担った【Santa Maria Novella】についてご紹介しよう。
その歴史は古く、13世紀にフィレンツェに移住してきたドミニコ修道会の僧たちが、自ら育てた薬草を使い、人々を癒すための薬剤や鎮痛剤を調合したことが始まりと言われている。
1612年に営業を開始した《世界で最も古い薬局》とされており、“癒しの実践”から生まれた数々のプロダクトは、当時フィレンツェを統治していたメディチ家をはじめ、ヨーロッパの王侯貴族からも愛されていた。
18世紀にはヨーロッパのみならず世界へと広まり、800年の時を経た現在でも、修道士たちが作り上げてきた手法を受け継いだレシピに基づいて生産されている。
その製品は“癒しの芸術品”とも称され、時代を経てもなお輝きを放ち、世界中の人々を魅了し続けている。
自然の薬草の香りと効能を最大限に引き出したSanta Maria Novellaの製品は、香水や石鹸、スキンケア商品など、何百種類にも及ぶ数多くのアイテムが生み出され、優しくも安らぎ感に溢れる、上質でクラシカルな香りが特徴となっている。
参照:Santa Maria Novella 公式サイト
https://kinarino.jp/cat5/32330
【ACQUA DI PARMA / アクア ディ パルマ)】
こちらも、イタリアを代表する老舗の香水ブランド。
イタリア語で“パルマの水”を意味する【ACQUA DI PARMA】
名が表す通り、カルロ・マニャーニ男爵が1916年にパルマで創業した。
当時、文化の発信であるパリやロンドンをしばしば商用で訪れていた男爵が、光溢れるイタリアを恋しく想い、時を超えて愛されるフレグランスを創ろうと心に決めたことが始まりとなり、
その香りを、自分が仕立てたスーツに忍ばせたことで顧客にも人気が出て、製造販売するに至ったそう。
地域の特産の香料を使用したベルガモットや柑橘類などの香りに、イタリアの太陽や建物の色を連想させる黄色のパッケージで、イタリアらしさを大切にした独自の世界観を持っている。
“メンズスーツにエレガントを”というコンセプトで、
ビジネスシーンでも活用できる爽やか且つ上質で上品な香りが特徴的。
ワンランク違うシトラスノートを楽しむことができる香水と言えるだろう。
「Blu Mediterraneo(ブルー メディテラネオ)」コレクションは、イタリア地中海沿岸の雄大な美しさと風光明媚な景色をイメージした香水シリーズで、世界で最も美しい海の一つである地中海を称えて調香されている。
「Colonia(コロニア)」コレクションは、シシリアンシトラスから得られるクラシックで象徴的な香りを備え、広く愛されているフレグランスライン。
洗練された中にも深みのある香りとなっている。
参照:Acqua di Parma 公式サイト
https://ginza6.tokyo/news/107334
【Dr. Vranjes / ドットール ヴラニエス】
ここ数年の間に、日本でも多く目にすることが増えた【Dr. Vranjes】
イタリア・フィレンツェ発の自然派フレグランス/コスメティックブランドで、薬剤師であるDr. Paolo Vranjes(パオロ・ヴラニエス)により1983年に設立された。
祖父の影響で幼い頃からフレグランスに関心を持っていたパオロ・ヴラニエスは、ボローニャ大学で化学・薬品学を修め薬剤師として独立。
その後、香水の歴史が作られた「香りの地・フィレンツェ」で、伝統と革新を併せ持った手法でフレグランス製品の開発に取り組んだ。
それが“Dr. Vranjes”の出発点となる。
入念に抽出された最高品質のエッセンシャルオイルを使用し、地中海の神秘的な雰囲気とトスカーナの庭の静けさからインスピレーションを受けて作り上げた製品には、香りある生活をこよなく愛する“Dr. Vranjes”の理念が息づいている。
ブランドのアイコンともいえるディフューザーボトルは、フィレンツェのシンボルであるドゥオモ(サンタ・マリア・デル・フィーオーレ大聖堂)をモチーフに誕生した。
フィレンツェとの強い絆と、街に深く根ざしたDr. Vranjesのアイデンティティを感じさせるものであり、パオロ・ヴラニエスの香りへの飽くなき好奇心と情熱は、今後も多くの香りによる感動を与えてくれるだろう。
参照:Dr. Vranjes 公式サイト
さて、いつもの悪い癖で!?またしてもお伝えしたい内容が多すぎて、
気づけばこんなボリュームに!!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
まだまだご紹介したいイタリアのフレグランス・香水ブランドがあるので、
続きは『後編』でお伝えしたいと思います!
引き続きお付き合いいただけると嬉しいです。
ciao ciao~♪