ドゥオーモの見える部屋との別れは突然に…
言うまでもなく、その日も火になってピアノ練習に励んでいた。
そんなところに、借りているアパートメントのオーナーさんから連絡が入った。
・・・なんとまぁ、
私の借りているお部屋がダブルブッキングだと・・・。
しかも!ブッキング相手は明日夜の便でフィレンツェに到着するらしく、
向こうの方が先に部屋を予約していたから、
今夜か明日の朝には部屋を出てほしいとのこと!!!!!
そんなことありますか!!???
はい、ここイタリアでは、まぁ珍しいことでもないようです。はい。
『よりによってこの忙しい時にー!!きぃぃー!!怒』
となりそうでしたが、幸い練習で疲れていたこともあり、怒る気力はなく、
そこは大人しく…言われるがまま…。
朝に引っ越しは辛いので、その日のうちにと思い、
急いで部屋に戻り、荷物をスーツケースに詰め込みに取り掛かるが
一枚一枚丁寧に折りたたみ、テトリスのように隙間を埋めて運んできたものを、
(今の人にテトリスって分かるのか??)
ほんの数十分で詰めろなんて無謀過ぎだった。
勿論詰め込めるはずもなく、衣類や食材の半分以上は裸のまま段ボールに放り投げ入れ運ばれることに。
2階まで階段(イタリアでは日本でいう一階部は0階にあたるので、実際は3階!)だったことを除いては
結構気に入っていたお部屋。
毎朝窓からドゥオーモを眺めるのが嬉しくて楽しくて、
ドゥオーモの鐘を聞いて一日がスタートしていたのだが…
その別れはあまりにも突然だった。
そして、新たな住処に到着。
フィレンツェにいくつもアパートメントの部屋を持っているオーナーさんが
お詫びにと用意してくれたお部屋が、
まぁ〜なんと洒落ているのでしょう!
一人で住むには勿体ない。。
このカウンターなんて
お家で一人のみしろよと言っているようなもん!!
2つのベッドルームに
果たして使われることがあるのかと思うようなくつろぎルームまで!
こんないいお部屋に越してこれるなんて、
ありがとう、ダブルブッキング!!(笑)
と、さっきの悲しい別れに浸ったのも一瞬で、
なんて薄情な奴なんだと、自分でも呆れ返った…。
そして、賃料がかなりCostoso(コストーゾ/値段が高い)雰囲気の部屋だが、
前のアパートで支払っていた分から追加分は無し!!
・・・当然か!?
暴言吐かなくて良かったなとシミジミ。
いや、普段から暴言吐くような者ではないですよ。
ちょうどピアノ練習に切羽詰まっていたところで、
気分が変わる良い機会だったようにも思う。
こちらの部屋のまどからは週末のマーケットが眺められ、
ドゥオーモと比べるには何だが(笑)これはこれで楽しかった。
最初はとんだ災難に思えたが、イタリア滞在だからこそ味わえた珍事件に、
今となってはこれも良い思い出になったなと感じる。
皆さんも滞在先のダブルブッキングにはお気をつけて…
と言いたいが、こればかりは気を付けようがないので(汗)
こんな珍事件にならないことを祈ります。
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