「好き」の行く先
クリスマスの頃、お世話になっている方からアンパンマンのかるたをいただいた。
それまでもかるたは好きで、家にあるものをよくやっていたけれど、
アンパンマンのかるたによって娘の「好き」にまたひとつ火が付いたようだった。
まず、特定の好きなカードができた。
最初は絵柄が好きなのかと思っていたが、どうやら絵柄よりも文字そのものが好きらしい。
一番好きなのは、トトの「と」。
そのあとは「は、る、ひ、よ、ほ、の、に、ゆ、り」あたり。
かるたを片付けるときは、必ず好きな文字のカードを上の方に乗せて、一番上は「と」を置くというこだわりがある。「トトがだいすきだから!」と本人は説明してくれるが、「…ママは?」とは聞かないようにしている。ぐすん。
かるたで遊ぶ時は、自分の好きなカードを自分の前に置き、まずはそれらを取ってから他のを取る、という流儀も生まれた。
(ちなみに私の好きなカードは「む、う、ん」と設定され、
「ママは『むうん~』が好きだからね」と言われる。響きは嫌いじゃないけど、むうん。)
毎日のようにかるたをし続けた結果、一か月足らずの間に娘はひらがなをすべて覚え、それでは飽き足らず最近は「書く」に挑戦している。
紙をペンを準備し、どの字を書くかを決め、その字のかるたを左手に持ち、文字の形を観察しながら、づづづ、と、ゆっくりと。
なんか最近頑張ってるな、と思ってるあいだに、「き、さ、に、け、し、つ、ふ、い、こ」あたりはあっという間に安定して書けるようになった。
「は、ま、よ、ほ、あ、め、ぬ」など、くるっとまわる文字は
「くるりんする字はむずかしい、ママいっしょに書いて」と言ってくるけど
一人で集中して書いているときにそっと見ていると
「『ま』もかいてみよっと。」とか言いながら挑戦して、うっかり書けていたりもする。
今日も朝からホワイトボードのまわりにかるたを沢山ちりばめて
何やら一生懸命書いていた。
楽天のサイトで新しいiPhoneケースを選びながらそっと様子を伺っていると、ゆーーーっくりと「せ」に初挑戦していて、ちゃんと読める字を書けていた。すごい。
そのあと、好きそうだなと思い「ドリル作ってあげよっか」と、「りんご」とか「くつ」とか簡単な言葉の虫食い形式の問題を作って一緒に解いてあげたらハマったらしく、その後何回も「ママ、どれすつくって」と言ってきた。
これが一過性のブームなのか、これからも続いていく「好き」なのかはわからないけど、2歳10か月ってこんなに個性が出るもんなんだなぁとわが子ながらいつも興味深く思う。こういうのって先天的な好みなのかな、と思ってたけど、超インドアで散歩とか公園行くのも基本腰が重いわりに図書館や本屋にはしょっちゅう行っちゃう母と共に過ごしているので、ある程度はなるべくして、とも思える。
全然アクティブじゃないし、行事ごともそんなに力入れてないし、保育園に行ってる子たちができる経験をさせてあげられてないなぁと思うこともあるけど、今の娘の「好き」を、いちばん近くの特等席で、できるだけ見守って、付き合っていきたいなと思う。
この先、急にめちゃくちゃ虫好きになって「朝五時から虫取りに行きたい」とか言うようになったら…それはその時、また考える。