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つづりあわせた思い込みドレス

16歳、高校1年生の時に結婚式を挙げました。
結婚式を挙げたとはいっても、私の結婚式ではありません。両親の結婚式です。

仕事が忙しかったことに加え、結婚式を挙げるよりもわたしたち子どものためにお金を使いたいという両親の考えを初めて聞いたのは小学校5年生の頃でした。

小学生の私は、結婚している大人はみんな結婚式をしていると勝手に思っていたし、少女漫画を教科書に、誓いのキスも華やかなドレスも、指輪の交換も、大人の通り道なのだと信じて疑わなかったので当時の衝撃は大きいものでした。

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そこから5年間、私は子どもなりに構想をあたためました。我が子のことを第1に考え、優しくあたたかい両親のために結婚式を挙げようと決意しました。

中学生の時は、ドレスのスケッチをしてどんなドレスにしたら素敵だろうかと、想像を膨らませました。「LIMIT OF LOVE 海猿」を見たときに、『ウェディングドレスは作れる!!』と安易な確信を得ました。笑

高校生になると、結婚式の流れや必要なものを知るために、こっそり駅にあるウェディングのフリーペーパーを集めました。そして、お小遣いを貯めて、コツコツ結婚式らしいフォトフレームやレースの手袋、ドレスを作るためのハギレを集めました。見たこともない、行ったこともない結婚式を計画するために奔走しました。

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高校1年生の秋、両親の結婚記念日にあわせて親戚を招き、結婚式を挙げました。喜んでくれた両親とあたたかくお祝いしてくれた親戚の優しさに私も胸をなでおろしました。誰かが喜んでくれる喜びを教えてくれた両親、そして親戚には感謝しかありません。

この結婚式で作ったドレスは、キルトをつなぎ合わせて作ったTシャツ型の胸元にロングスカート、そこにレースのカーテンを巻きつけたようなガタガタドレスでした。海猿の環菜ちゃんは服飾デザイナー。天と地以上の差がありました。5年あたためた構想も、理想ばかり高くなり技術がついていきませんでした。笑

これはドレスなのだと、思い込んでこそ成り立った思い込みドレス。ためらいなくガタガタドレスを纏ってくれた母とそれをみて「いいなあ。」と言ってくれた父に、私はおおいに甘やかされ、無事に結婚式は終わりました。

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そして時はたち、去年の2月。

大好きないとこが結婚することになりました。あの当時、一緒にお祝いしてくれた、姉のように慕っている女性です。今はコロナ渦、なかなか挙式も思うようにできません。ささやかに二人がお祝いできるちょっとしたドレスがあるといいな。今度は前よりできる気がする!根拠のない自信をもとに、ドレス作りに再び着手しています。

ウェディングドレス作りの詳しい記事はまたいつか。


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