【教材レビュー】いろどり 生活の日本語
私のオンラインレッスンは1対1の完全プライベートレッスンです。
これまで5人の学習者に教えてきましたが、その中でいろいろな教材を使って教えてきました。
オンラインレッスンで使ったことがある教材は
日本語学校だとだいたい初級クラスでは「みんなの日本語」や「できる日本語」を使っている学校がほとんどだと思います。
学校で決められたシラバスで教えて、使う教材も入管に届けてあるもの。
簡単には変更できない。
だから日本語学校にいるとなかなかいろんな教材を使うって機会が少ないのかもしれません。
一方で、オンラインレッスンは学生に合わせた教材を使うので、非常に経験を積める場所だと思います。
私も日本語学校にいる間には使ったことがない教材を使って教えたりしています。
でも、
新しい教材を使うのって難しい。
使い方がわからない。
結局どれがいいんだ?
って思っている方もいると思います。
ということで使ったことがある教材についてレビューをまとめました。
完全に個人的な感想になっています。
少しでも参考になれば幸いです。
はじめに:『いろどり 生活の日本語』ってどんな教材?
まず、今回紹介するのは『いろどり 生活の日本語』です。
独立行政法人国際交流基金日本語国際センターによって製作された教材です。
生活者としての外国人向けの教材です。
文法積み上げというのではなく、場面がそれぞれ設定されていてその場面でできること(Can-do)を増やしていこう、というような内容になっています。
ざっくり紹介するとこんな感じです。
詳しくは上記のHPのリンクから飛んでみてください。
では、さっそく私が使ってみて感じたことを4つ書いていきます。
1.音声教材があるのは本当に役立つ
まず私が使ってみていいなって思ったポイントは
音声教材が使える
ということです。
それぞれの課では実際の会話を聞きながら場面をイメージして、そこで使われている語彙や文法、表現を学んでいくという流れになっています。
私はこの音声データをパワーポイントに張り付けて画面共有をしながら学習者に聞かせてリスニングの練習をしていました。
こんな感じで課の中にそれぞれ「できること(目標)」が書かれています。
私はこの部分を最初に学習者と確認し、レッスンに入っていました。
そしてこの音声データは無料です!!
ありがたすぎる~(泣)
しかも音声データは課ごとにフォルダ化されているので必要なものだけダウンロードができます。
データが大きいので、細かくダウンロードできるのもいいですね。
教師がスクリプトを読んでそれをリスニング教材としてもいいのですが、教師1人だけでは限界があります。
2役ぐらいなら声のトーン変えたりしてできるけど、3役とかになるとさすがにキツイ(笑)
学習者も教師の声聞くより絶対こういう音声データを聞いたほうが興味持つし、飽きないと思います。
レッスンでリスニング取り入れたい、っていう方にはぜひ使ってみてほしいです!
2.使われている語彙が時代に合っている
いろどりが発行されたのは2020年ということで今生活している中でよく使われている語彙がたくさんあります。
教材によっては発行から時間が経ち、「この言葉今どき使う?」っていうのもありますよね。
いろどりを見てみて、今どきだなって思った言葉は
ざっとこんな感じですね。
生の日本語!って感じで、リアリティがあります。
「君の名は」って本当最近だし、他にJ-POPのアーティストの名前だったり、今の日本で知られている言葉がたくさん出てきます。
なので、実際日本で生活している外国人にとっては勉強した言葉をすぐ生活の中で使えそうだし、海外の学習者だったら今の日本の生活を疑似体験してもらうこともできます。
この疑似体験って楽しいと思います。
日本で生活している日本人の先生だから提供できるレッスンではないでしょうか。
3.日本の文化も教えられる
いろどりの中には「日本の生活TIPS」というページがあります。
それぞれの課と関係する日本文化や日本事情について紹介するページです。
日本語と各国語版の言葉で書かれてあります。
このページですが、日本人の私も勉強になります。
例えば「合気道について」や「関東と関西のお好み屋さんの違い」などです。
合気道って日本人も言葉は聞いたことがあるけど、説明するってなったらちょっと難しいですよね。
あと関東と関西ではお好み焼き屋さんの提供の仕方が違うみたいです。
皆さん知っていますか?
日本人も改めて日本について知ることができる内容になっています。
私はこのページを問題や活動の中で学習者に教える時の参考資料としていました。
このページを1つの教材として使うのであれば、事前にこのページの内容を読んできてもらって、内容を理解してもらいレッスンのときにはわからなかった語彙や文法を確認したり、内容について話し合うというのもいいかもしれませんね。
レッスンの時間に読ませてだと結構読むのに時間がかかると思うので、あらかじめ読んできてもらったほうがいいと思います。
いろいろ工夫をするとたくさん活動ができそうですね!
4.誰でもすぐ使える
そして最後は誰でもすぐ使えるというポイントです。
いろどりのHPには付属教材、資料がたくさんあります。
ことばリストはもちろん文法のワークシートやイラスト一覧などもあって、用意されているものを使ってすぐ教えることができそうです。
さらに、教え方の動画もありました!!
これは教えたことがない人にとっては参考になりそうですね。
ただ、教え方動画は対面クラスで教えている動画になっているのでオンラインで使うとなるとそのままやる、というのは少し難しいかもしれません。
私が使ってみて役立ったのはやっぱり語彙リストです。
語彙コントロールは必ず必要です。どの教材を使うにしても、どのレベルに教えるにしても、学習者が理解できる言葉を使う必要があります。
教材によっては課によって出てくる語彙がばらばらです。
なので、使う教材ごとに語彙リストを見てこれは使える、これは使えない、というように調べたほうがいいです。
この語彙リスト(Excel)すごいのが、情報量がたくさん、ということです。
どの語彙がどの課に出てくるかだけではなく、アクセントやどの教科書に出てくるかそれぞれ細かく書かれてあります。
いろどりは「入門」「初級1」「初級2」とテキストが分かれているのですがその3つ全体の語彙リストになっているので教科書をまたいで調べることができて便利です。
もうサービスがすごすぎます。
どの先生にも安心して使える教材ですね!
まとめ:充実した教材を使いこなそう!
ということで私が使ってみて感じた「いろどり 生活の日本語」の感想です。
たくさんのコンテンツがあって本当に充実しています。
充実しすぎて全部見るのが大変なくらいです。(うれしい悲鳴)
非常に充実しているので全部のページを1つずつ教えていくとなると結構時間がかかりそうです。
だから学習者の勉強したい内容だったり、使える時間を考慮して勉強する課を選抜して進めたほうがいいかもしれません。
興味がないところをやっても飽きますからね~。
もう一度リンクを貼ります。
興味がある方はぜひ使ってみてください!
次は「GENKI」を紹介したいと思います。
では!
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