阪神新外国人シェルドン・ノイジーについて
矢野監督が異例のキャンプでの退任宣言から始まった2022年シーズン。開幕9連敗というこれ以上無い程の悲惨なスタートだったが、交流戦での健闘や矢野阪神特有のシーズン終盤の脅威的なブーストでギリギリAクラス入りすることが出来た。CSでは今年苦手としていたハマスタでDeNAを撃破し1stステージを突破するも、王者ヤクルトに神宮球場でチーム力の差を見せつけられ敗退。矢野政権の終わりを迎えると共に岡田新政権が発足し、来季に向けてのチーム作りが始まった。既存の外国人をケラー以外全員リリースし、総数も減らす大幅な刷新を断行。新たに投手は、今季BOS3Aでプレーし、2年連続で3Aで好成績を残しているスターターのブライアン・ケラー、MLB通算のK/9が12.0と抜群の奪三振能力の持ち主ジェレミー・ビーズリーを獲得。野手はブライアン・ケラーと同じく今季BOS3Aでプレーしたホアン・ミエセス、OAKで今季89試合に出場したシェルドン・ノイジーを獲得した。今回はこのシェルドン・ノイジーについてざっくり書いていく。
1.経歴
高校通算30HRを記録し、2013年TEXにドラフト38順目(全体1150位)で指名されたが、契約すること無くオクラホマ大学に進学。1年目から野手としても投手としても結果を残した。2015年からはSSメインで出場することが増え、2016年には大学野球で最も優秀なSSに贈られるブルックス・ウォレス賞を受賞。ちなみにノイジーの前の3年間でこの賞を受賞した選手は全員MLBのスター選手となっている。(2015年ダンズビー・スワンソン、2014年トレイ・ターナー、2013年アレックス・ブレグマン) 大学時代の活躍が評価され、2016年のドラフト2順目(全体58位)とWSHから高い順位で指名された。WSHと契約し、いよいよプロキャリアが始まる。2017年にはMLB公式のプロスペクトランキングではチーム内6位の評価を受けた。そしてその年にショーン・ドゥーリトル、ライアン・マドソンの対価として現在MLBで活躍しているへスス・ルザード、ブレイク・トレイネンと共にOAKにトレードされる。コンスタントにMiLBで好成績を残し続けて、2019年にMLBデビューを果たすが結果を残すことは出来ず、新型コロナウイルスの影響で短縮シーズンとなった2020年は1試合も出場することは無かった。2021年にはコディ・トーマス、アダム・コレラックの対価としてガス・バーランドと共にLADにトレードされた。しかし相変わらずMLBで結果を残すことが出来なかった為、シーズン終了後にDFAを受けた。その後古巣のOAKに復帰し、2022年は開幕ロースター入りとはいかなかったが、4月中旬から出番が増え、4月の月間成績は19G 2HR .328/.394/.469と大活躍。残念ながらこの好調は長続きすることなく、再びAAAとMLBを行き来することになり、シーズン終了後にFAとなった。
2.打撃
シンプルにボールを呼び込んでセンター方向を中心に広角に打ち分ける事が出来る。2022年MLBで異常にゴロ率が高かったが、ハードヒットはそこそこ出ていてパワーレスという訳では無い。以前ほど打球角を付けれるようになれば15HRくらいは期待出来そう。アプローチは平均よりやや悪い程度。コンタクト力がそこそこの早打ちなので四球は多くない。(2022年AAA時の成績のように、リーグレベルが落ちるとコンタクト力がMLB時よりも良化し、尚更その四球拒否マンぶりが顕著に出る。) 速球対応に課題があるが、球速帯の落ちるNPBで改善の可能性も。
3.守備
元投手で肩の強さが武器。大学時代からSSがメインポジションだったが、2017年以降3Bでの出場機会が増加。徐々にIF全ポジションと両翼を守れるユーティリティ的存在になっていった。阪神ではOF起用が想定されているようだが、プロ入り後OFとして出場したのは2019年が初めてで、MiLB、MLB通算でも14試合91.1イニングの出場のみにとどまっている。守備力重視を謳い1B大山、3B佐藤輝の固定を現時点で明言しているが、RFである程度出場した経験のある佐藤輝をIFに回して、ノイジーをOF起用するのは少しリスキーかと思う。
4.走塁
スプリントスピードは平均よりも若干下だが、182cm105kgの体格の割には動ける。2022年のUBRは1.1、MLB通算でも0.5と走塁技術も大きな問題は無さそう。
5.最後に
良くも悪くも纏まった選手。大外れする可能性は低いと思います。上手くいけばマット・マートンを彷彿とさせるようなスタッツを残してくれるかもしれません。
6.出典
これらのサイトのデータを参考に本noteを作成しています。
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