原稿の〆切がない生活
ここで言う「原稿」とは同人誌の原稿で、「〆切」とは即売会イベントに合わせて発行するための〆切のことを指します。
紙の申込書に為替を同封して郵送で申込手続きをしていた頃から原稿と隣り合わせだった、そんな自分の手が突然止まることになった。
いうても趣味の延長線上で同人サークルをしていただけだから、そんなに大きく生活が変わった訳では無い。「へ〜 そうなんだ」ぐらいの軽い気持ちで読んでやってください。
原稿の〆切がある生活
作品にのめり込んでは 溢れ出す創作意欲を原動力に同人誌を発行。
そしてまた次なる即売会イベントへの申し込み、同人誌の制作へ。
日中は普通に会社員やってるし、睡眠時間を削った日はそりゃ眠い。〆切が迫った休日はもはや修羅場!
それでも脱稿という目標、即売会というご褒美イベント、それらがあったから全然苦じゃなかった。全然といえば嘘になるか…弱音もしょっちゅう吐いてた気がするからw
とにかく、これが自分にとって当たり前のライフスタイルだった。
コロナ禍でイベントが流れた時も、リスクを鑑みてやむを得ず欠席した時も、負けじと通販で頒布した。
新刊のアナウンスができる喜び、「本」という形になって手に取ってもらえた時の感動は、何度味わってもたまらないものなんだよね。
そう、同人活動は人生における生活の一部であり、常に頭の中は創作のネタでいっぱいだったのだ。
だけど、お世辞にも若いとは言えなくなってきた自分を客観的に見て
「この生活、いつまで続けるんだろう…?」
って、思うことが時々あったのもまた事実だった。
でも別に現状に不満もなけりゃ、代わりにやりたいことがある訳でもないし、それ以上特に深く考えはしなかった。
きっかけは三次のオタクになったこと
結論から言うと、ついにライフスタイルに変化が訪れる。
そのきっかけとなった話と、変化の様子です。
元々楽曲とギターの大ちゃんが好きでファンクラブにも入っていた Official髭男dism。
2021年 久々に開催された有観客ライブに参戦したり、アルバムがリリースされたり、じゃんじゃん新曲が出たり、その供給の多さから 気づけば夢中になるものの「ジャンル」が「髭男」になっていた。
推しの対象が生身の人間ならそりゃライブに行きたくなるわけで、2021-2022 Editorialツアーは 遠征も含めなんと10公演参戦。
ラジオやFCコンテンツにメッセージを投稿したり、SNSでご本人に直接リプライを送ったり(これには我ながらビックリ)するようにもなった。
もちろんアクションを起こす際のSNSは二次元オタクと名義を分けております笑
そんなこんなで、良くも悪くも二足のわらじができない自分は、すっかり三次のオタクになっていたのであった。
突然訪れる「この生活」のおやすみ
シンプルに、今夢中になっているジャンルでは同人誌の概念がない。
となれば、着手する原稿もなければ〆切もない。そんなこんなで丸一年同人活動をしなかった。
その間アニメもいろいろ見たし、ゲームもしたけど、二次創作をするまでの熱量は湧かなかった。せいぜいファンアートを描くぐらい。
なので、意図的に同人活動をおやすみをしている という訳ではなく、気づけば丸一年イベントの申込みをしていない。同人誌を作っていない。
ライフスタイルって一年で変わっちゃうもんなんだなあ、と我ながら驚く。
原稿の〆切がない生活
〆切がないと、当たり前だけども 1日のノルマとか、進捗とか、そういうのがない。仕事が終わって家に帰ってきたら寝るまで自由。
チャンネル登録してるyoutubeの動画を見たり、ファンアートを描いたり、遅くまでLINEしたり。
休日だって、無駄に日中を過ごして「もう夕方だ…」とか憂うこともない。
意外だったのは、母と二人でお出かけする事が増えた。
それも一日がかりで出かけたり、遠くまで足を運んだり。秋には日帰りでお伊勢参りなんかもした。次は善光寺に行きたいそう 笑
「どうせ漫画描くので忙しいだろう」から「どうせ暇でしょ」と思われるようになったのか(それも虚しいけど笑)、頻繁にあそこ行こう ここ行こうって誘われては出かけてる。
これが意外と楽しいもんでして。母も楽しそうで、なんだか嬉しいんです。
そして一番感じたのは、これまでなら「原稿終わったらやろう」と後回しにしてたor結局やらなかったであろうことを、思い立ったらすぐにできていること。
気になるアニメを見るとか、いらない家具を粗大ごみに出すとか、旅の思い出をノートにスクラップとか… 全然大したことじゃないんだけど 笑
これまで原稿してた時間はそういうことをして過ごしてるかな。平均4~5時間だった睡眠時間も、6時間前後に増えた。
貯金は増えたかというと……そうでもない…(おかしいな…)
結局のところ…
それでもさすがに十数年の名残は抜けないもんで、絵が描けるオタクはどこに属していてもやっぱり生産性のあるオタクでありたいのだ。
ライフスタイルが変わったのなんだの言ったものの、クリスタを開いた後に描くものがバンドのファンアートに変わっただけで、ペンを握ってガシガシと絵を描く日々は実はそう変わっていない。
だって、せっかくこれまで習得してきた技術と絵心で今一番好きなものを描かないだなんて、そんなのめちゃくちゃ勿体ないし!
ここまで書いてて、
結局のところ…?がまとまったんで聞いてください。
またいつか同人誌を出したい!と思う日が来るかもしれない。
と思って、たま~に600dpiでトーン貼って絵描いたりしてるんです。
それってつまり…
…どうやら
今の自分は〆切がないだけのスタンバイモードなようです。
また新刊を携えた私をイベント会場でお見かけしたときは、どうぞよろしくお願いします。
おわり