カナダ留学日記番外編 国際郵便が届いた!
カナダと日本は離れている。飛行機で12時間かかる距離である。荷物のやり取りをするのも容易ではない。
去年、私はカナダから日本の家族にお土産を送ろうと思ったのだが、船を使った輸送サービスはどこも停止していて、離れたところにあるクロネコヤマトが唯一の手段であった。しかも、重さ制限、大きさ制限、品数の制限があり、とてもじゃないが利用しようという気が起きなかった。逆に日本の家族から薬を送って貰いたいなぁと思ったこともあったのだが、コロナの影響のせいだったのか、日本からカナダへの郵便もできないことになっていたそうだ。
さて時は戻って現在2023年8月。
私はカナダへの出国に向けてナーバスになっていた。「日本を離れたくない」というわけではなく、「どうしてももう少しだけ日本に留まりたい」と思っていた。何故なら。
高校生の時に出会ってどハマりした、京極夏彦先生の小説、「百鬼夜行シリーズ」の最新作が!今年の9月14日に!!17年ぶりに発売されることになったからだ!!!話題の『鵼の碑』である。
私がこの作品に出会った時にはすでにそれまでの最新作「邪魅の雫」まで発行されていて、そこまで読み終わった後「次はどんな話が出るのかなあ!」と期待に胸を膨らませた。そして、10年以上待つことになったのだ・・・・
『鵼の碑』の情報を見た時、まさか、百鬼夜行シリーズの新作が出る日が来るなんて!!と頭がパニックになった。嬉しすぎてひっくり返った。そして、発売日を見て、ショックを受けた。カナダに行った後じゃん!!!
長年待ち侘びた百鬼夜行シリーズの新刊を、発売日に、本屋さんで買えないなんて・・・・・・・・・本当にショックであった。なんで留学を決めたのか・・・・・・と・・・後悔、まではしなかったが、後悔しそうになるほど落ち込んだ。
・・・が、発売はおめでたいことなので、心からお祝いした。
カナダに出発する前、母が、可能だったら国際郵便で『鵼の碑』を送ってくれると言ってくれた。
時は戻って9月。
母は本当に国際郵便について調べてくれて、本を送る準備をしてくれていたのだ。ありがたい。というか郵便送れるようになっていたのか。
私はカレッジにバイト探しに、とバタバタしていてあまり連絡できていなかったのだが、母は発売日に本を買いに行ってくれて、すぐにパッキングまで済ませて、9月18日には発送手続きをしてくれたのだ。
船で運ばれるわけだから、そりゃ1ヶ月くらいかかるだろ・・・と思っていたが、なんと2週間!早いな!手元に届くのは10月半ばくらいかな。と思っていると・・・
母から続報が
なんと9月22日にはトロントに荷物が届いていたらしい。思いのほか早くて驚いた。て、ことは、もうすぐ、手元に届くの!????とワクワクが止まらなくなった。
この記事を書いている前日。9月25日。
学校から帰ってくると、テーブルの上に紙が置いてあった。
なんだ?と思って読んでみると、カナディアンポスト(郵便局的なところ)からの通知だった。このタイミングで来るってことは間違いなく!!母の荷物!!とドキドキした。つまりこれは不在通知だ。私が学校に行っていて荷物を受け取れなかったから、これがポストに入れられたのだ。で、1階に住んでるオーナーが私宛の通知だからとわざわざ置きに来てくれたわけである。
『鵼の碑』が!!!一度家の門まで来たのだ!!そして帰ってしまった・・・・
日本だと再配達の依頼ができるのだが、ここではもう自分で受け取りに行かなくてはいけない。というわけで、今日の午前中に受け取りに行ってきた。
住所が記載されたIDが必要と書かれていたのだが、私はトロントのIDを持っていない・・・ここはオーナーの住所だし・・・パスポートを見せれば大丈夫だろうか?と心配だった。でもいてもたってもいられなかったので、とにかく朝イチで向かった。
「火曜日の9:00〜19:00」のところに印がついていたので、8時45分には受け取り場所の前に着いた。
近くにあった中華系スーパーを見て時間を潰し、いざ!!9時!!!と店の扉を引くと・・・引けなかった(?)
閉まっていたのである。
ファ!???
私と同じくここに用があるらしいおじさんが扉を開けようとして開かず、複雑な表情を浮かべる。
私「すいません!ここって荷物受け取れる場所ですよね。」
おじさん「そうだよ。でも・・・閉まってるねえ。」
私「そうなんですよ・・・私が受け取った通知書には9:00からって書いてあるんですけど!休みってことは・・・ないですよね!?」
おじさん「さあ・・・どうかなあ・・・」
おじさんは仕方がないというように車に乗って何処かに行ってしまった。
私は今度はiPhoneのマップを開いてここの情報をチェックしてみた。
「営業時間9:30〜」とある。
なんだと!?????
通知書に間違った時間載せるって・・・!!!
しかし、休みではないわけだ。後30分ばかし待っていれば、今日、荷物が受け取れるのだ!!!!
私は近くの雑貨屋で時間を潰し、9:30にリベンジ突撃した。
店は開いていたので安心した。
私は受付で通知書を見せ、パスポートを見せた。
意外なほどあっさり荷物が受け取れた。
その場で開けたかったのだが、我慢して、またバスに乗って家まで帰った。
帰宅してすぐに母にライン電話をした。母が出る。片手で電話をもち、片手で箱を開けながら母と話す。
私「届いたよ〜!ありがと〜〜!」
母「よかった〜!ちゃんと届くかずっと心配してたから!」
箱を開けると!本の他にシュガーバターの木が入っている!!!しかも4つも!!!嬉しすぎる!!!!私が頼んだ下着類も入れてくれていた。
私「嬉しい〜〜〜鵼の碑が読める〜〜〜!」
母「紀伊國屋で買えば特典のカバーがつくんだけどそこまでいけなかったからさ〜」
私「???」
母「自分でそれっぽく書いたよ。見てみて」
私「どゆこと???」
本を取り出して驚いた。
母特製のカバーである!!!字がうますぎる!!!!!
これは・・・・・!!宝物だ!!
母に最上級の感謝を・・・・・・・・・
ちなみにシュガーバターの木を同居人のYちゃんにもあげたらとても喜んでいて、「母に!!感謝!!!」と言っていた。
ちなみに嬉しい手紙も入っていた。
母、妹、弟からである。
弟のメッセージがめちゃくちゃ熱いのだが、実はこれ半分ネタで書いてくれたようで(彼の知り合いがよくこういう手紙を書いてくれるそうなので、応援の意味を込めて「そういう」ノリで書いてくれたのである)爆笑してしまった。普段の弟とはキャラが違いすぎておもしろしぎて腹を抱えて笑った。父親目線みたいな手紙だな!!!!!弟、最高である。
ちなみに妹からは可愛いうさぎのポンちゃんが付いている。嬉しい。
母もこのnoteを読んでくれていると思うので、もう一度ありがとうございますと言っておく。
今は課題が忙しくて本を読む余裕がないので、10月の終わり(全生徒に1週間の休暇があるらしい)にゆっくり読もうと思う。