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カナダ留学日記47 パスウェイ①

さて、いよいよパスウェイのことを紹介しようと思う。・・・が、その前に、9月の半ばから私は日本語学校のボランティアに参加しているので、そのことも書いておく。

学生ビザで語学学校通いのため私は働くことができずにいる。せっかくの土日も家で過ごして終わりというのは勿体無い。のでボランティアに応募することにした。ボランティア先はトロントの日本語学校で、名前の通り日本語を教える学校である。幼稚園から高校生までのクラスだけでなく、大人向けの教室も展開している。英語を使って日本語を教える第二外国語のクラスと、日本語を使って日本語を教える継承語のクラスがあり、私は継承語の幼稚園クラスを担当している。(英語力に自信がないので)
前置きが長くなったが、ここで出会ったボランティア仲間の高校生の男の子がパスウェイ経験者であったので、色々アドバイスをもらえたのである。やはり、色々なことに参加して、人と出会うのは大切だなと思ったのであった…


パスウェイとは?
パスウェイとは、語学学校に通う留学生がカレッジ(大学ではなくいわゆる専門学校)に進学するための方法の一つである。カレッジに入学するためには入学テスト突破や、IELTSなどの試験で一定のスコアを獲得していることが条件になるのだが、一部の語学学校と提携しているカレッジなら、それらのテストなしでも進ことが可能なのだ。しかし、カレッジにいるのは留学生だけではない。カナダ人、その他の英語ネイティブの人たちに囲まれて講義を受けるためには、ある程度の技能がいる。(もちろんただ英語で講義を聞ければいいということではなくて、レポートを書いたりプレゼンテーションをしたりそういうことも含まれる。)ということで、提携カレッジに進学するための条件として、アカデミックな内容を学ぶコースがパスウェイである。3ヶ月(学校によっては4ヶ月)のコースの中で獲得したスコアの平均により、進学先が選べるようになっている。

大まかな内容としては、
・ボキャブラリークラス
・リーディングクラス
・リスニングクラス

がほぼ毎日あり、1ヶ月の中で
・ボキャブラリーテスト2回
・リーディングテスト2回
・リスニングテスト2回

がある。そしてメイン課題として、
・エッセイ2回
・プレゼンテーション2回

がある。スコアの比重が大きいので手が抜けない。
毎週金曜日にはブックディスカッションがあるため、1ヶ月で
・100P前後の課題図書(児童書だったので比較的読みやすい)
がある。普段から宿題と並行して読み進めておかないといけない。
月の4週目はほぼ毎日テストである。
さらに2ヶ月目にエクストラテスト(3時間)を受けるのだが、そこで65点以上取ることができなかった場合は翌月に追試となる。


コース初日の洗礼
まず、パスウェイでは基本的にパソコンが必須である。先生から提示される資料も全てデータで、紙媒体は一枚も渡されなかった。私はPCは持っていないのだが、iPadがあるので、それで参加していた。基本的にgoogleドキュメントで課題をするので、インターネットが使えれば大丈夫だ。しかし、複数の資料を一度に閲覧するため、画面が大きくないと難しい。スマートフォンでの参加は厳しいだろう。そして、授業は全てZOOM内で行われる。オンライン学生が多いからだ。先生と同じ空間にいながら、作業は全てオンライン上で行われるのだ。
私と同じタイミングで入った生徒は3人。直接参加の学生は4人で、オンラインの学生は8人だった。グループワークの際にはZOOMの部屋を分けてそれぞれで行うのだが、慣れない私にとっては地獄であった。英語で画面越しの相手とコミュニケーションをとるだけでもしんどいのに、Googleドキュメントの使い方が全然わかっていなかったので、いちいち壁にぶち当たりそれが相当なストレスであった。

初日は、簡単なオリエンテーションから始まった。パスウェイは全部で3ヶ月のコースである。まずは最初の1ヶ月のスケジュールを読み、テストやエッセイ、プレゼンテーションの日程を確認していく。この時点でスケジュールのつまり具合に驚いた。全ての予定が1ヶ月単位できっちり組まれているため、基本的に欠席や遅刻はNGである。今までのESL(普通の英語クラス)のクラスがゆるゆるだったので、そのギャップに最初は驚いた。(ESLではクラスメイトの遅刻欠席は当たり前で、全員揃う日がほぼなかった)私は11月に1週間バケーションをとって旅行に行くつもりでいたので、「エ…もしかして…無理…?」と焦っていた。バケーションを取るなら1ヶ月単位でとって、次の1ヶ月からまたパスウェイに新しく参加、というふうにしないといけないようだっった。

休憩後、リーディングが始まった。今までESLのクラスで読んでいた文章量とは比べ物にならない長さの記事である。3ヶ月を終えた今となっては普通の量だが、当時はびっくりしたのを覚えている。使われている語彙も専門的で難しく、google翻訳を使いまくって辛うじて文章の触りがわかる…?という感じだった。先生がとってもいい方だったのでなんとかなったが、これで先生からのヘルプがなかったら初日からもう私は鬱になっていたであろう。

先生「この文章を要約してきてね。これが宿題一つ目です。」

私(要約…?どうやってやるんだ…?とりあえず“まとめ“ればいいのかな…?)

この時点で要約の仕方を徹底的に質問しておけばよかったのだが、頭が混乱していて質問できる状態にはなかった。私にとってはこの日がパスウェイ1ヶ月目であっても、他の生徒にとっては2ヶ月目、3ヶ月目であったりする。彼らはもちろん慣れと経験があるので質問なしでも課題ができる。先生もあえて1から説明はしない。せっかく対面で参加しているのだがら、私は素直になんでもその場で質問すべきであった。

お昼休憩を挟んで午後の授業。リスニングである。英語のビデオを視聴し、割り当てられたタスクをこなしていく。ここではグループワークがあったのだが、リスニング力の乏しさにより課題がいまいち理解できていない状態で、画面越しの相手と英語でコミュニケーションを取ることができず、ほとんど相手に任せきりになってしまった。この時の恥ずかしさ、悔しさは今でも忘れない。まさにフラストレーションであった。ただ、最初の1ヶ月の混乱は誰にでもあるものらしく、(次の1ヶ月から新しく入ってきた生徒もかなり病んでいたので)アカデミックイングリッシュの「洗礼」のようなものだったのかもしれない。

先生「では帰宅後このビデオを要約してメールで送ってください。宿題2つ目です。」

私(また要約か…!まずはビデオを見返して完全に理解しなくては…!)

その後、無事に1日目が終了し、帰宅となった。


帰宅後
帰宅後、私はすぐに宿題に取り掛かった。確か17時前から始めたと思う。課題は2つだけである。それにもかかわらず、宿題が終わったのは午前2時であった。途中夕食やシャワーを挟んだのもあるが、6時間はかかっている。私は呆然とした。

今の私がやればこの程度の宿題なら2時間弱といったところだが、当時の私にとっては果てしない課題であった。というのも、「要約の基礎」が全くできていなかったからである。それに加え、Googleドキュメントの使い方がわからず、いちいちインターネットで使い方を調べていたため、余計な時間がかかってしまったのだ。話は変わるが、プロのイラストレーターが1時間ですごいクォリティのイラストを描くことができたとして、そこに至るまでに練習、研鑽、経験のための時間が何百時間と費やされているのだ、ということを思い出した。今の自分が簡単にできる作業の裏には、その何倍もの労力、時間があるのだ。

その日の睡眠時間は5時間ほどで、翌日から3ヶ月間も続けられるのか不安になったのを覚えている。


コース2日目
この日はボキャブラリーの授業からスタートした。この授業は比較的のんびりと作業ができる時間で、ほっとした。生徒が課題をやっている間に先生が全生徒から提出された宿題のチェックをするためである。その後のリーディングでは、要約の仕方を改めて教えてもらえた。前日の「わからない」という実感が残っていたので、先生の解説がよく沁みた。昨日これ教えてくださいよ!と思いそうになったが、1日目にこれをやられても頭がいっぱいできちんと理解できなかったかもしれない。慣れないグループワークでモヤモヤすることは相変わらずだったが、前日に比べると脳が落ち着いていたように思う。その日の放課後は先生に質問をしまくった。

こんな感じで普段の授業には慣れていったのだが、それでも最初の1ヶ月はきつかった。むしろそこを超えると楽になる。次の記事でエッセイとプレゼンテーションについて書こうと思う。



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