けテぶれ実践記⑦ 「けテぶれ」によって育つもの
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上の写真は12月に子どもたちが自分たちを振り返った時に記述したものです。
私の学級では4月から主に漢字を中心に「けテぶれ」を行ってきました。
その中で漢字のような認知能力はもちろん、様々な非認知能力も高めることができました。
その指導の過程を記録します。
「自分で学ぶ」を体感
今年度漢字の学習を自分で進めるという形をとりました。その際にどのように漢字を学んでいけばよいのかをけテぶれを合言葉に説明し、進めてきました。
どのようなことを指導したのかは簡単ではありますが過去の記事にまとめてあります。ご一読いただければ幸いです。
子どもたちは実際にやってみることを通して、体験的に理解し、学びを深めていきました。もちろんすべての子どもがいつも上手に学ぶことができるわけではありません。たくさんの失敗をし、時には「もうやりたくない」という気持ちを抱くこともありました。
しかしその失敗すら学びにしながら漢字の学習を行う過程で子どもたちは私が宗像する以上のものを身に着けていきました。
計画力
毎週の漢字10問テストと学期に2回ある50問テストの予定を確認しながら自分で計画を立てて学習に取り組みました。
教師としては学期の最初にすべてのテストの予定を示し、計画表を準備し、計画の立て方を指導しました。
子どもたちは毎週の漢字10問テストに向けて1週間学習し、テスト後には、点数と自分の計画をふりかえって分析を行うことをしてきました。
すると、少しずつ自分がどのような計画で取り組むと点数が上がるのかを掴み始め、自分にあった計画をたてることができるようになりました。
修正力
計画を立てて取り組むことができるようになると次は、その計画が狂ってしまったときに臨機応変に修正する力も身に着けていきました。
体調不良、急な予定、やる気が起きなかったなと様々な理由で計画通りに進まないこともあります。その時に、テストまでの予定を確認しながら、その時その時に計画を修正しながら結果を残すことができるようになりました。
これは教師が指導したというよりも、体調不良で当初の計画通りに進まなかった子が自分で修正してテストに臨んだことを価値づけて学級全体に紹介しただけです。するとそれを多くの子が真似して学んでいきました。
分析力
けテぶれのサイクルを毎回回すことで分析をする力も高まっていきました。分析力とは、自分の漢字の実力をただ〇×だけではなく、「〇だったけど、途中で迷った」、「この漢字は練習で間違えたこともあるから絶対大丈夫」、「新しい漢字は身につけられたからさらにレベルアップするために熟語を学ぼう」など自分のことを細かく状況を把握することです。
さらにそこから自分がレベルアップするためには何をすればよいのか考えられるようにもなりました。
高みを目指す力
これが担任として1番嬉しかったことです。上位層の子どもたちが100点で満足せず、さらに高みを目指すようになりました。上限を解放したことで自分自身の限界に向けて必死に努力する姿がありました。今までの最高点で650点を取るような子も出てきました。上位層の子どもたちが吹きこぼれることなく努力し続ける、挑戦し続ける姿はとても頼もしいものでした。
担任の仕事
今まで書いてきたような力は正確には非認知能力とは呼ばないかも知れません。どちらかというマインドセットのような部分もあると思います。
このような力はこちらが先回りして教えたというよりも子どもたちの中から出てきたものがほとんどです。
そこで担任の仕事として1番重要だと思うことが、子どもたちの中にあるその力を自覚的にさせることです。子どもたちは無意識にその力を使っている可能性があります。その瞬間を見逃さず、価値を伝え、名前を付けると子どもたちはその力を自覚し、繰り返し使うことができるようになりました。
価値づけるという行為は非常に重要なものであると思います。