【愛しい嘘~優しい闇~】感想

(画像お借りします。ありがとうございます。)

2022年冬クールのドラマ、「愛しい嘘~優しい闇~」が終わった。今までたくさんのドラマを見てきたが、改めて感想を書いたことがなかったので書いてみることにする。

これを機に消費するだけのドラマ鑑賞ではなく、自分のためになるドラマ鑑賞になればいいな。


最後の正が中野を刺したところはスカッとした。生きていなくていいと思ってしまった。これまで正には最大限の嫌悪感を持っていたのにもかかわらず、その正が最後にやったことに関しては嫌悪感を抱かなかった。

誰に感情移入しているんだろう?

私はたぶん中野が嫌い。それは、両親を火事で殺したからでもないし、雨宮を監禁したからでもない。おそらく、同窓会からずっと同級生たち(主に望緒)を騙しながら生きてきたからだと思う。(私が分かっていたのは何か隠しているということだけだが。)望緒といい感じの雰囲気になっているときも、気持ち悪さしか感じなかった。(何かを隠しているから、というのもあるし、単に優しすぎるから、というのもある。中野が望緒を優しく深く愛しているあの感じが気持ち悪いと感じてしまった。)私がストーリーを客観視している視聴者の立場だから感じたことなのかな。望緒の気持ちになったら中野を気持ち悪いとは感じないのかな。

それにしても、最後のシーンで中野が刺されたことにスカッとしたのは自分でも驚き。

数年後のシーンで望緒が「おかえり」と言って重ねられた手が子どもの手で良かったと、中野の手じゃなくて良かったと心底思った。

単純に自分が稜派だからか? 稜は、何も隠していない、花火のことも打ち明けてくれた、正直でまっすぐで望緒のことを愛してくれている人だから。純粋に望緒のことを愛していたのは稜だけなのでは……? その稜と中野を比べてしまったら、望緒とくっつくのは稜が良いと思ってしまう。

中野が本気で望緒のことを愛していたことは最終話に近づくにつれて分かっていったけど、それが分かるまでの望緒への優しい行動は嘘かもしれないと思いながら見ていたから、だから中野の良い部分を知っても好きになれなかったんだ。そして最終話で狡猾な自分を告白した美術室のシーン。本気の愛だったかもしれないけど、それまでの過程は受け入れられない。

中野は望緒を騙して望緒に愛情を芽生えさせた。本当の自分で戦わなかった。望緒が雨宮のことが好きだったことを利用して自分へ気持ちを向けさせようとした。たくさん嘘をついて。ある意味狂愛じゃないか。

だから、望緒が中野に「……憎んでいるけど、どうしようもなく愛している」と言ったのは信じられなかった。望緒は、中野が刑務所から出たらおそらく結婚しようとしていた。私だったら絶対そんなことしないと思った。お腹の子どもの父親が犯罪者なんて、しかも自分の友人たちを死に追いやった人なんて。望緒はなんでそれを受け入れられるの? 愛するってそういうことなの? 稜も玲子も「待ってる」なんて言っていた。この二人の気持ちは望緒に寄り添ったものなのかなとも思った。

私はたぶん望緒に感情移入しつつも、望緒の選択が信じられなくて、その選択を封じることに繋がった正の行動にスカッとしたのかなと思う。

自分は「騙す」という行為をすごく嫌うのかもしれない。このドラマもそうだし、「真犯人フラグ」でも橘一星が行った「騙し」という行為にすごく敏感になった。なんでだろう、自分が人を信じやすいからかな。

(2022年3月5日11時58分。)

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