『サマスペ!』創作の舞台裏⑦ プロット編 ストレスなく楽しく書くために。
何を書けばいいのか迷ったり、辻褄が合わなくなると、書くことが楽しくなくなります。そうならないように私が心掛けていることは、本編を書き始める前の準備をしっかりすることです。
この小説の場合には必須だった『旅の行程表』を紹介します。
小説自体の道筋については
創作の舞台裏③ 【本編を書きあぐねている人へ】で
シーン表から原稿にしていく手順を説明しました
『旅の行程表』
この小説は福岡県から鹿児島県まで歩いて旅行するという設定です。
「ロードムービー」的なストーリーなので
どこからどこへ
どの道を通って
何キロ歩いたのか
休憩地、宿泊地
名所やランドマーク
当日のメンバーの担当
夕飯のメニュー
こういった情報をしっかり押さえてから、書き出すようにしました。
実際の表の一部がこちらです。
サマスペは現在、四日目まで連載していますので、そこまでの行程表になります。
旗持ちと伴走、食事当番を矛盾なく組み合わせるのが、実は大変でした。
中には休憩地の地名やその日の夕食など、原稿に登場しないこともあるのですが、先に行って矛盾が生じたりするので(ex.二日続けてカレー?とか。……いや、これは十分あり得ます)きちんと決めておこうと思って作ります。
逆にこの表が完成して、地図に歩いたルートを書き込めたときには、小説自体が完成したような気持ちになりました。
前回説明した「シーン表」とこの「行程表」があれば、小説執筆の半分以上は「できた」ようなものだと思います。
書きながら迷い、辻褄が合わなくて放り出してしまうようなこともありません。ストレスなく、楽しく執筆するための大事な準備だと思います。
もちろん、書いている内に書き足したシーンや事件はあるので、その度にこの行程表も育っていくのですが、しっかりした土台があってこそ、追加修正のクオリティも上がります。
昨日、公開した原稿の『サマスペ! 九州縦断徒歩合宿 ⑩』はこの表の一番下の四日目を書いたものです。
書き出しが
国道212号を歩いていた悠介は、急なカーブの先で足を止めた。
となっています。このパートを書く時は、行程表を見ながら
国道212号から57号に向かう
昼の休憩は内牧温泉近く
旗持ちは斉藤
その日の夕食はチャーハン
ということを確認して、書き始めました。