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プロットをどう作るか<小説の書き方>

同期の作家さんと話すと「プロットってどうやって作ってる?」という会話がよく出ます。小説指南の本を読んでも、これといったルール、正解はないようです。小説家になるために、それぞれに工夫をしているのです。
そこで今日は私がどのようにプロットから本編を作っているか紹介します。(貼った画像は『ロスト・ドッグ』を書いた時のある段階の【シーン表】)

小説作りの工程は大きく【プロット】【本編執筆】【推敲】に分かれると思いますので、この【プロット】から【本編執筆】までです。
※【推敲】はまた別のところで

プロットは私の場合
・アイディアメモ
・企画書
・シーン表
・あらすじ
の4つに分かれます。順に説明します。

・アイディアメモ 頭に浮かんだこと、書きたいことをメモ帳、ノート、スマホのメモ、ボイスメモなどあらゆるものにメモしていきます。それを書いては捨て、書いては捨てている内に、これは、というものが残っていきます。大事なことは、アイディアとアイディアを組み合わせること。そうするとストーリーが始まることが多いです。

・企画書 これは編集さんに説明するつもりで書きます。A4、1枚に
テーマ、ストーリーの骨子、設定、主なキャラクターなどをまとめます。
この時のストーリーの骨子が次の工程に繋がります。

・シーン表 エクセルのセルに思い浮かんだシーンをどんどん書いていきます。主人公に言わせたいセリフでも良いです。順番も整合性もおかまいなく、面白そうで格好良くて書いてみたいと思うことを書きます。
それが20シーンくらいできると、あらすじに進む準備ができます。
※短編なら10シーンあれば良いと思います。
このシーンを整理する時に大事なことは
①時系列で書く
②小説に書く順番で書く
実際の原稿はもちろん②なのですが、①がないと滅茶苦茶なストーリーになりますから。

ここまで書いて、それぞれの行程についてもっと説明するべきことがあると気がつきましたが、今日は先に進めます。

・あらすじ シーン表には「誰がどこで何をするか」、そこでどんなセリフを言うかなどが断片的に書かれているはずです。いよいよそれをあらすじに書いていきます。ここからワープロの登場です。私は紆余曲折あって一太郎からワードにしましたが、どちらでも構いません。
※これも別に書きますがワープロソフトは小説の良し悪しには影響しないと思います(使い勝手の良し悪しはありますが)

この【あらすじ】からはおそらく私の特徴的なスタイルになると思います。
小説には【説明】、【描写】、【セリフ】の三要素があると言われます。普通のあらすじはストーリーの流れが分かるように書くので【説明】だけで良いのですが、私の場合は【説明】に【セリフ】を付けて書いていきます。【セリフ】が入らないと、無味乾燥として楽しくないのと臨場感がないせいだと思います。さらに印象的な場所、伏線にするガジェットなど【描写】も加わります。

その結果、私のあらすじは長編だと原稿用紙で100枚程度に膨れ上がります(普通は20枚程度ではないでしょうか)。長編が400枚だとすると1/4は書いてあることになります。
※編集さんから求められるあらすじはこんなに長い必要は全然ありません。私の場合は、書くのが好きなので、つい書いてしまう、というのが正解かもしれません。

このあらすじが完成するともう本編の原稿がどういう形になるかははっきりと分かっています。このあらすじを考えながら丁寧にふくらませていけば本編になるからです。

とは言え、この原稿を執筆する段階でストーリーが変わることはいくらでもあります。キャラクターを書きこんでいくと「この人はこんな行動はしない」とか「こいつの方が探偵役にふさわしい」などと気づくことはいくらでもあります。ストーリーの齟齬を発見することも。その都度、シーン表も育っていきます。

だから「プロットを固めすぎると本編を書くときに楽しみがない」という話しをよく聞きますが、そんなことはないのです。

~かなり飛ばして書いてしまいましたが、いったんここまでにします。
こんな感じで私は原稿を作っています。ご参考になれば嬉しいです。

追記:この後、60本の記事をマガジンにまとめました。
全体の構成はこちらからご覧ください。

2023.4月から、noteに小説を連載しています。ここに書いたプロットから生まれたものです。よかったら読んでみてください。


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