ヒメタニシがソイルに潜る理由
水槽のお掃除屋さんで人気なのがヒメタニシ。
ヒメタニシは低床にずっと潜ってたり、水面に上がってきたりするときがあります。
潜ったまま動かないと、弱っているのか心配になりますよね。
お店でも、ソイルの中に潜っていることや水面付近に集まってくることがあります。
原因を探っていたら、これまでわからなかったことも見えてきました。
底床に潜っている理由は3つ
ヒメタニシが低床の中に潜っている理由は、下記の3パターンです。
それぞれ解説いたします。
高水温から逃れようとしている
ヒメタニシは高水温が苦手です。30℃くらい水温になると潜ってしまいます。
水温が高くなってきたとき、土の中に潜れば温かくなりにくいのをタニシはわかっているからでしょう。
ですので、涼しい場所をさがして潜っているのだと考えられます。
自然環境のタニシたちは、田んぼの水が抜かれた状態でも潜って冬眠をしています。
そうすることで、寒い冬の凍結からも身を守って過ごせているのだと思います。
食べ物を探している
ヒメタニシは、あっと驚くくらい大食感です。死んでしまう原因は、餌不足も指摘されているのですよ。
水槽がピカピカで、残り餌やコケが無い場合は、ヒメタニシの餌が足りてないかもしれません。
低床に潜っているのは、餌をさがしているからだ、と予測できますよ。
自然環境では、用水路の壁などに付く藻類(コケ)から、田んぼの底泥にあるデトリタス(枯葉など)まで、あれもこれも食べて生活しているのですよ。
ちなみにヒメタニシは、ちいさな歯がついた口で削り取るように餌を食べるといわれています。
そのため、餌が足りなくなったときは、プレコ用フードをあたえている話を聞きます。
しかし、どう見ても食べにくそうだなと思いました。
そこで、お店ではメダカに与える顆粒(ちいさい粒)の餌をヒメタニシにあたえています。
象の鼻みたいな口で、餌をよく食べているのが確認できますよ。
隠れて休んでいる
ヤンチャな性格をしたお魚や体の大きい魚と同居していると、ヒメタニシは潜ってしまうことがあります。
自然環境と同じで天敵から身を守るため、土の中に潜って身を守っているからです。
たとえば、ヒメタニシ以外の生体で考えるとわかりやすいかもしれません。
ミナミヌマエビなど、小さいエビも自己防衛をして暮らしています。身の危険を感じれば、水槽の隅っこや水草に隠れて出てこなくなってしまいますよ。
水面近くに上がってきている理由
ヒメタニシが水面に上がってきている理由は2つあります。
それぞれ解説いたします。
酸欠になっている
ヒメタニシは、酸素が不足すると水面に上がってきます。水面から顔をちょっと出す個体もいます。
魚の水面呼吸(鼻上げ)と同じで、空気と水の境界線から酸素を取り込もうとしているのですよ。
水温が上昇する夏は、気をつけて観察しましょう。
水温が高くなると溶け込む酸素の量は減ります。しかし、お魚たちや微生物は活発になるので酸素の消費量は増えていきます。
益々、酸欠になりやすい状況となってしまうのですよ。
このようなときは、エアレーション(ぶくぶく)をして対策をとるようにしましょう。
水質が悪化している
汚れた川にも生息していることから、ヒメタニシは水質悪化に強そうですよね。
ところが、ヒメタニシが水面に上がってきているのは、水質が悪化しているサインでもあるのですよ。
なぜならヒメタニシは、アンモニア、亜硝酸、硝酸塩に対して、お魚よりも敏感に反応するからです。
酸欠の症状と区別がむずかしいものの、水質が悪いときは水中の酸素も少なくなりがち。
対処法としては、水換えをすることです。そのためヒメタニシは、水質のバロメーターにもなりますよ。
まとめ
タニシが低床に潜っていたり、水面に上がってきたりするには理由がありました。
水温の確認や「ごはん」が足りているかなど、チェックしてみてくださいね。
お店ではメダカと一緒に、ヒメタニシを同居させています。掃除をしっかりしてくれるからスタッフも助かっていますよ。
カージナルテトラ、ネオンテトラなど、匹数の多い水槽にもヒメタニシを入れています。水換えのタイミングをつかむのが目的です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。