扉の向こう
昨日、久しぶりに燃え殻さんの本を買った。
前回の「これはただの夏」の購入から1年近くになる。
実はその直前に別の本を買っていた。
上の本を夕方書店で買った同じ日の朝に、ネットで注文したのがこちら。
きっかけは嘉島唯さんのnote。
この本の解説文という注釈があったが、この文章を読んで、本を読んでみたい、燃え殻さんの世界観にまた浸ってみたいと思った。
プロの方を捕まえてこんなことを書くのも失礼かもしれないが、読んだ人にアクションを促す、行動を変えさせる文章ってあらためて凄いと思う。ご自分のエピソードを交えておられながらも、目に浮かぶのは嘉島さんの目の前にいる燃え殻さんの姿であり、物語の中とも共有された世界観であり、自分の中にも同じようなカケラが少なからずあることを思い出させてくれる。
私自身がTwitterを始めたのは2015年の終わりで、Twitterが牧歌的だった頃を知らない。7年前の当時、リアルではちょっと吐き出せない思いを誰にともなく吐き出す場所として、少なくとも自分はそういう使い方をしていたから、今よりは少しは牧歌的だったかもしれない。
リアルが窮屈でどうにも居心地の悪い人にとって、ダメな自分でもノビノビやれるところ。そんな場所だったネットの世界も今ややっぱりリア充な人たちが謳歌する場所になってしまった。そういう人たちの人間関係まで透けて見えるから、そうでない人にとってはここも少し居心地が悪くなったのかもしれないと思ってしまう。
嘉島さんが言う「か細くて小さい存在」は確かに世界を変えることはなかったのかもしれないけど、居心地の悪さを抱えている人を一瞬でも、それこそ物理的には無理でも、現実の世界から隔離してくれるのは、手のひらの上の広大な世界への入り口ではなく、もう一つの扉なのかもしれない。
今いる場所ではないどこかへ。心だけでも飛ばしてみる。
明日届くだろう本の扉の向こうの世界にワクワクしながらも、今日はこちらの本の世界に先に浸ってみようと思う。何という贅沢。