
イケメン巨根おじさんについて8〜飲み会編〜アルコールという名の毒。
地獄の飲み会の翌日、会社は定休日だった。
チンピラさんからの助け舟に乗り損ねた私は、飲み会前の決意も虚しく、完全にアガってしまい、焼酎を飲むペースも増え、完全に酒に飲まれてしまった。
その後の、記憶のパーツが少ない。
そして、猛烈な頭痛と吐き気を感じながら、酒という飲み物は毒物なのだと気付くのであった。
私はトイレに篭りながら、私の脳内では大反省会を行っていた。
その様子を、夫は冷ややかに見ていた。
私は、脳内に残る記憶のパーツを、出来る限り掛け合わせた。
チンピラさんのギャグに大爆笑し、チンピラさんと共に、平成を風靡したアイドルグループの曲を全力で歌い上げ、チンピラさんとメンヘラちゃんと私とで3ショットを何枚も撮っていた。
や、やってしまった〜〜〜〜〜!!!!!
何故だ!何故だ!何故、私は酒を飲み過ぎてしまうんだ!!!!!!
その日私は、一日中後悔と吐き気に襲われ、完全に酒が抜けた夜は、そっと枕に涙を流したのであった。
その翌日、私は出社した。いつもより確実に足が重かった。重い足取りで会社に向かい、震える手で従業員達にお茶を準備した。
チンピラさんがまず出社した。
「…おはようございます。」
と、いつもの無愛想なチンピラさんへ戻っていた。
もしかしたら、あれは夢だったのかもしれない。
「おはようございます。」私もいつも通り返した。
酒乱同士がシラフで顔を合わせる事に、まるで一発ヤッてしまったかのような気まずさを感じたのを覚えている。
その後、別の従業員も続々出社し、でくのぼうさんも出社して来た。
「おはようございます。」
いつも通り笑顔で、でくのぼうさんに挨拶をし、
これは、無かった事にできるかもしれない!といつも通り仕事をし始めたのだが、
他の営業が続々と外回りに出かけてしまったので、会社にはでくのぼうさんと、チンピラさんと、私だけが残された。
これは、逃げられない。
「あのーー、すみませんでした!!!」
私は頭を下げて、酒の場での失態を詫びた。
でくのぼうさんと、チンピラさんは爆笑していた。
笑ってくれて良かった。
でくのぼう、お前の事は嫌いになってしまったけど、笑ってくれてありがとう。
チンピラさんからは、「俺は、あらよちゃんの事を、もう友達だと思ってるよ!」と返ってきた。
この人はホンモノだ…。ホンモノの陽キャだ……。
初めての職場飲み会は、これで幕を閉じたのであった。
飲み会編・終
次回、〜営業編〜に移ります。