【COL】 Germán Márquez について
Germán Márquez の側副靱帯再建術 (いわゆるトミージョン手術) が決定しました。
まず、彼の成績を簡単に振り返ります。
上記は相当に優秀で、16-23年に1000イニング以上投げた投手は17人しかおらず、その中でfWARは同率10位、K/9は11位。
また、Rockies先発陣の歴史でみても、イニングは4位、fWARは Ubaldo Jimenez に次いで2位、K/9も2位と、傑出している事がよく分かります。
クアーズ・フィールドというハンディキャップを背負いながら、まだ28歳にして、MLB全体でも、チームの歴史上でも傑出した成績を残した彼に、賞賛以外の何が送れるのでしょうか。
とはいえ、現実はトミージョンが決定。次に彼を取り巻く今後の状況を整理します。
(そういう現地報道があるわけではなく、ペイロールからみる当方の見解ですが、)
要約すると、24年からコンテンドに向かえる状況を整えていました。より具体的に言えば24年で満を持して Mauquez のクラブオプションを行使、適宜補強をしつつ、プロスペクトと共にポストシーズンを狙うと言った状態です。
そのため彼がこのタイミングでトミージョンをするのは、大変重要な意味を持ちます。
具体的には、いつどのようにコンテンドするのかが、大きく変わってくるからです。
以下、ケース別に想像してみます。
■クラブオプションを行使しない
オプションは24年単体で16M
Arenado への支払いは 16M → 5Mに 減る為、単純計算で 27M 浮くことになります。
ただし Freeland と Senzatela の給与が合計で 10M 程度あがり、調停含めた諸々を踏まえると15-7M 程度浮くと考えるのが妥当でしょうか。
これだけあれば、別の先発を補強する方向性も模索出来そうです。ペイロール自体は前回のコンテンド期よりまだ余裕がありますので、増す事で複数年囲う事も可能かもしれません。
ただクアーズ・フィールドに来たいと思ってくれる投手がいるとは思えないのと、現在の惨状をみて、来年コンテンド出来るとは全く思えません。ので、絵に描いた餅感は否めないのが悩ましいところ。
■クラブオプションを行使する
トミージョンからの復帰は人によってまちまちで、最近早まってる、なんて話も聞きますが、早期に復帰しても炎上続きで再調整という事もしばしば。
ただ、Marquez も術後のリハビリの為に環境を変えたくないと考えてくれる可能性がありますし、繰り返しますが、クアーズ・フィールドに来たいと思ってくれる投手がいるとは思えないのと、現在の惨状をみて、来年コンテンド出来るとは全く思えません。
ので、24年シーズンは、彼の復活を願いつつ、長期で抱えた先発でイニングを消化し、ローからミドルのレイヤーに位置するサラリーの選手を補強していくブリッジイヤーとして、25年以降のコンテンドを狙うかもしれません。
■新たな契約延長
個人的にはこれを推します。
いくら今28歳とはいえ、手術後に本来の姿を取り戻したら30歳となってるだろう彼に、年齢に重きを置く現在の市場が、どれほどの契約が提示されるか疑問です。
そこで、クラブオプションは破棄しつつも、ここから新たに、双方にとってリーズナブル契約を、他の先発陣同様に26年まで結ぶ事で、25年以降のコンテンドを目指す可能性は大いにありそうです。
・Marquez も術後に環境を変えたくない(はず)
・クアーズ・フィールドに来たい投手はほぼ居ない
・(正に今年の様に) プロスペクトがすぐにMLBに適応する訳では無い
ここまで挙げた上記のポイントを踏まえると、新たな契約こそ、全関係者が最もハッピーな選択肢ではないかと考えます。
もちろん一ファンとして、彼が再び Rockies のユニフォームを身にまとい投げる姿を見たいだけではあるのですが。
今後がどうなるかは分かりませんが、ここまで彼が残した成績を賞賛し、術後に彼本来の輝きを取り戻す事を心よりお祈り申し上げ、noteを締めたいと思います。
ここまでお読み頂きありがとうございました。