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ふぉとらいふ#11〜バケペンとか中判カメラ、戦後フィルムカメラの名機とか。
カメラレビュー未満の密度でカメラを紹介するほぼ日記な連載です。
最近はSIGMA dp2 quattroと中判カメラの高解像コンビで撮影しています。
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デジカメを使っているとカラーと被写体の力に頼りがちになってしまい、フィルムカメラと併用するには、脳みそを切り替える必要があるのですが、dp2はフィルム同様に階調で勝負するカメラなので、使用する脳内回路が似ていて2台で使っていて違和感がありません。
dp2 quattroはコンパクトなボディで持ち出し易いこともあり、気に入って使っています。
現像は専用ソフトを通す必要があるのが面倒ではありますが、撮影していても妥協している感じがないのが良いです。
フィルムカメラ同様に撮るぞ!ってる気持ちが必要なカメラです。
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中判カメラは色々で、少し前に梅の花撮影はバケペンを持っていきました。
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6×7のファインダーは広々として良いですね。やや暗いですが爽快感がありますね。
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ぶら下げてて邪魔ではありますが、暖かくなってくるとカメラも大袈裟なくらいが丁度いい気がします。
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さて次はマミヤプレスです。
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このカメラは割と安く手に入る中判カメラですが、本格的なプロ用カメラです。
カメラ同士がぶつかり合うような激しい報道カメラマンの使用や、あらゆるプロフェッショナルな撮影に対応できる機能が備えられており、証明写真用の四分割フィルムバックみたいな超マニアックな拡張パーツが各種用意されていたみたいです。
今回手元にある個体はレバー式の巻き上げではない代わりに各種フォーマットに対応する赤窓が備えられたフィルムバックが付いてました。
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本来は各フォーマットに対応するマスクが付属するはずですが、半世紀も経てば当然のように遺失しております。
しょうがないので自前でマスクを作りました。
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上手くいくかはまだ試してないのでわかりません。
というのも、このカメラのシェイクダウンは、チェキで行いました。
写真のようにガイドを作って暗所の中でチェキのフィルムを一枚装填します。
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6×9のサイズにFUJIFILMのinstax miniはドンピシャなんですよね。
露出の加減が難しくて空が飛んでしまいましたがとりあえず成功しました。
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街で構えるには少し大袈裟なカメラですが、チルト撮影も出来るし、大判未満の50年代プレスカメラの雰囲気を纏うこのカメラは中々に魅力的です。
次はゼンザブロニカです。
中判カメラを始めようと思うとまず、ローライフレックスかハッセルブラッドが思い浮かぶと思いますが、まずその値段を見て出鼻を挫かれます。
バケペンも中々に高価で、最新のミドルグレードのデジカメが手に入ることに、中判カメラの敷居の高さを感じるかと思います。
そんな中、ゼンザブロニカは割と比較的安く手に入るため、入門機として選択する人が多いのではないでしょうか。
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この写真のカメラはS2と言われるゼンザブロニカの中で最も売れたカメラです。
ゼンザブロニカは古いほど高性能という少し異質なシリーズになり、古いほど高価なのですが、S2はちょうど中間に位置し、露出計は無いですが、機械式ということもあって扱いやすいです。
このカメラのフォーマットは6×6で、ローライなどの二眼レフと同じです。
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ファインダーは二眼レフ同様にウェストレベルファインダーで、左右逆転しているので少し慣れが必要です。
二眼レフと違いレンズ交換式のフォーカルプレーンシャッターを採用しているため、パララックスがないことが利点ですが、シャッター音はかなり大袈裟で、重さも2kg近くあります。
それでも使ってみると思ったよりも不快感はなく、操作性も本当によく出来たカメラで、子供を撮影していても割と取り回しが良いです。
レンズも天下のNIKKORで、描写は抜群です。
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今手元の中判カメラは、ゼンザブロニカ、フジカGW690、アイレスフレックス、PENTAX6×7、マミヤプレスがそれぞれ個性的な名器達です。
中々に壮観ですが、防湿庫保管は無理です。
防湿ケースの中で山積みになってます。。
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さて、35フィルムカメラも触れておきます。
このツーショットは中々に歴史的なものなので、残念ながら両方シャッター幕が死んでますが、PENTAX KとCONTAX Sです。
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近代一眼レフの歴史の中で極めて重要な2台です。
1948年発売のCONTAX Sは、見たままをファインダーに写す正立正像を実現した世界で初めてペンタプリズム搭載した量産カメラでした。
対する1957年発売のPENTAX Kはペンタプリズムを搭載した他に、シャッターを切った瞬間にミラーが素早く復元する(降りてくる)クイックリターンミラー、ライカと同じ1/1000高速シャッター、シャッターを切る直前までレンズの絞りを開放にし、撮影する瞬間に絞り込む自動絞りを搭載するなど、今のカメラとしては当たり前の事を初めて実現したカメラでした。後に一眼レフの覇者となるNikonFよりも2年も先んじたカメラでありました。
大戦に敗れ、東西に別れたZeissが産んだCONTAXと、同じく敗戦国として社員数100人の中小企業が産んだPENTAXという存在は、今日に続くカメラという道具の基本形を確立させた存在であると言っても過言ではないのです。
そんな過去の名機であるかつての英雄たる老兵達を眺めて酒を飲んでます。
まぁ、数年歳下なだけなのに、まだまだ現役バリバリで戦えるNikonFという存在は驚愕ですね。68歳にしてアイドルし続けてる郷ひろみみたいな存在なので他と比べてはなりません。
SもKもシャッター幕だけ張り替えればまだまだ動きますが、今は安らかな日々を過ごすばかりです。
最後にジャンクカメラの話です。
CanonEOS Rebel T1iというカメラですが、損傷があります。
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液晶が割れて背面液晶が見れないのです。
傷が生々しいので革を貼ってしまいました。
幸いにもファインダーは無事であるため、普通にフィルムカメラのように撮影は可能です。
デジカメなのに撮ったものがすぐに確認出来ないというのは、最初からそういうものだと割り切っているフィルムカメラと同じはずなのに妙にストレスを感じてしまいます。
そのことが、デジカメで撮影している時に撮ったものをすぐに確認できる安心感というものに依存していることに気付かされます。
デジカメは安心しますよね。
頼りない液晶での確認なのに、撮ってる間は一流カメラマンになった気になれるのが不思議です。
家に帰ってPCでみて愕然とするわけですが笑
X-pro3もフィルムライクなコンセプトカメラですが、使ってると結局欲望に負けて液晶を見てしまいそうです。
EVFで撮った絵は観れるのでOVFはほぼ使わないで気づけばEVF固定で他のミラーレスと変わらんかったり。。。
液晶なんて必要ねぇ!みたいな割り切りったこういうカメラは案外面白い撮影機会を与えてくれるんじゃ無いかと期待しています。
最後はいくつか撮ってきた写真です。
気づけば季節が変わり影がより強調されるようになりました。
気づいたら春ですね。
ネタは溜まれども原稿は進まず。。
また面白いカメラがあったら紹介します。
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最後までご覧いただきありありがとうございました。
A-photoでした。