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コンディション維持の話 年齢を重ねて自分なりの「シャイニングウィザード」を見つけるべし

40歳を目前にして疲労感を感じることが多くなりました。

ハードな練習を日に2回しようものなら翌日以降のコンディションは大崩れするし、日を跨ぐような仕事や移動が伴う仕事でもコンディション維持のために前後のスケジュールの調整が大事になってきているし、何よりも「疲労で動けない」状態になりやすくなったように感じているので、出来るだけ動けなくなる前段階で練習や仕事を抑えるようにしています。

若い時分の話をして誇りたいわけでも、衰えを嘆きたいわけでも、若い選手を羨みたいわけでもないのですが、衰えってやつが日々自分に突きつけられる現実として受け容れ難いものがあります。若いときには感じることのなかった右肩下がりの怖さを感じることが増えました。

ただ、そんな現実に悲観する気持ちは一切なくて、何度も言っているように「右肩上がりが望めなくなったとき」の「組み立て」こそが格闘技者として、人間としての腕の見せ所であり、最大の楽しみでもあると思っているので、練習の質量の調整、休養、食事などの塩梅でやりくりしています。明日東京ドームで引退する武藤敬司は「ムーンサルトを跳べなくなってからプロレスが面白くなった」と話していて、それはムーンサルトプレスが使えなくなってから組み立てや創意工夫をするようになって面白くなったと言う意味だと捉えているのですが、その意味ではムーンサルトプレスが跳べなくなった武藤敬司がシャイニングウィザードを創造したように創意工夫で個々の「シャイニングウィザード」を創造していく闘いなのだと思います。

練習 質量の調整と量を減らすことによる精神の調整

この年齢の格闘技選手にするとコンスタントに練習をしている方だと思います。それは故障箇所やケガでの離脱が競技生活を通じて一度もなく、肘や肩が痛いなどの経年劣化的な障害の痛みはあるものの健康に選手生活を続けてこれているのが大きな要因だと思っています。

現時点で打撃のガチスパー(MMAでも)はやっていません。練習をやった気にはなるけれども身体へのダメージが大きいことや、実戦を完全に再現できないなどの様々な要因を考えてのことで、その分マススパーやミット打ちやMMAを意識したグラップリングスパーで仕上げるようにしています。

話は少し逸れますが、中長期で活躍しようと考えるのであれば、ガチスパーで試合慣れして仕上げる練習方法では技術も伸びない上にダメージが溜まって、選手生活は短命に終わります。短期での結果は見込めずとも基本をしっかりと身につけていくのが中長期での活躍を見越したときに重要になってくるし、何よりもキャリアを重ねたときのダメージの蓄積が明確に違います。まあそれはそれとして。

練習の量を減らして質を高めていくほうが効率的なのは明らかなのですが、若い時分に量で積み上げてきた経験から、練習量が減ることでのメンタルへの影響(主に不安)があります。休みことは悪であると言った日本的な価値観も相俟って量を減らす恐怖感は大きいです。若い選手が元気に練習をしていれば余計に不安を感じてしまうので、僕は格闘技選手のSNSはフォローしないようにしています。選手間のSNSは自爆装置で試合前の前哨戦な要素があると僕は思っております。

メンタルヘルス的に精神安定剤としての練習を30代中盤まではやっていたのですが、今はいくら精神安定のための練習だと言っても動いた疲労は変わらずにくるので、精神安定剤的な練習も極力減らして、「やるときはやる やらないときはやらない」のメリハリをつけるようにしています。練習量自体は20代の一番やっていた時期から比べると3分の1くらいだと思います。

不安はどこまでいってもあるのですが、不安を克服するのは理屈と自らの思考だと思います。自分で考えて納得してやる以外の方法はなく、知識がある人はたくさんいても、それを実践して自分の形にできるのは自分しかいないので試行錯誤を繰り返して今のベスト(ベター)を作っていくのが最適解だと思っています。

食事やサプリメント 若いときと大幅に変化

一番大きいのは若いときほど食べられなくなっています。昔は練習前であろうと寝る前であろうといつでもなんでも無尽蔵に食べれたような気がするのだけど、今は一人前のコースが料理によっては苦しくなってくるほどに食べられなくなってきています。同年代の選手でも食欲は落ちない選手はいるので、個人差の大きいところだと思います。

今はたんぱく質を多く摂ろうとすることもないので、プロテインも必ず摂るわけではなく、移動などの事情で食事をとれないときに使う程度になっています。食事の際に必ずたんぱく質を取り入れるようにしているくらいです。そこまで吸収できている気もしなくて、プロテイン摂取をしてもしなくても体重も体調も大きくは変わらないです。大事なのは食事であってサプリメントはあくまで補助です。試合前に使っているサプリメントは少し古い記事ですが、こちらにあるのでどうぞ。

歳を重ねると回復力が落ちるのは当然です。男性で分かりやすいのが男性機能が低下してくるのは単純に回復力がなくなっているからです。友人の医者に男性ホルモンが低下してきてって話をしたら、「青木さん!勃起薬を処方しましょうか!」と言ってきたのですが、そう言う話ではなくて男性ホルモンの低下で回復力が落ちるよねって話であります。中高生が無限に練習できて、怪我もすぐに回復するのは成長ホルモン(テストステロン)がたくさん出ているからで、成長ホルモンを人工的にたくさん出すのがドーピングです。ゴールドジムのアルティメットリカバリーが回復を上げるのによくて使っていました。最近は「テストフェン」を単品で摂ってみたらどうなのかと思って試していますが、なんとなくいい感じがします。

あくまで何かのサプリメントを摂ったからいいと言う話ではなく、食事と運動と睡眠のバランスであって、コンディションがどれだけ保てているかではあるのですが、気休め程度にはいいと思います。ちなみに10代20代はがっちり練習して、しっかり食べて、よく寝れば、サプリメントはプロテインとビタミンくらいでいいと僕は思います。

睡眠 睡眠が命綱 一番削ってはダメです

寝ないとダメです。肉体も精神もすべてにダメージがきます。若いときは寝ないで練習しても昼寝すれば大丈夫だったし、削ってもさほど影響がないものが睡眠だったのですが、今は睡眠が崩れると肉体に精神に大きく影響が出ます。僕のような情緒不安定なタイプはメンヘラまっしぐらで公私共に大きく影響が出るので睡眠を大事にしています。

格闘技選手であろうと他の仕事でろうと夜は寝ないとダメです。良いアイデアは良いコンディションからですし、良い練習は良いコンディションあってのものなので何よりも睡眠は大事にしています。昔は平気だった夜を跨いだ飛行機移動がダメになってきているのは睡眠が崩れるからです。

睡眠を得るために食事を早めに済ませるとか、入浴をするとか、スマホを切って寝床につくとか、それなりの対策をする効果は十分にあるはずです。疲れて頭が回らなくなったらしっかりと長めに寝ると回復します。僕は7時間前後は必ず寝るようにしています。寝るとなんだかんだで練習でも動けます。

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