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背中に馳せる未来の彩り

私が担当する教室は、
いくつかあるが
土曜日に担当している教室の
出勤時間ぎりぎりの最寄り駅は、
とても可愛らしい。

女子校が、
2つ近くにあることもあり、
土曜授業の女子中学生たちが
改札口から同じ方向へ駆けてゆく。

平日であれば、
他にたくさんの
出勤する人たちで
女子中学生の姿は紛れてしまうし、
土曜日であっても
余裕のある時間帯の女子中学生は、
わらわらと改札から出て、
すたすたと歩いている。

しかし、土曜日の
出勤ぎりぎりという限られた時間、
同じく始業ぎりぎりの
女子中学生が
桜のようにひらりと舞い立つ。


ぽてぽてぽてと
軽い足取りで駆けてゆくその後ろ姿。


「間に合うかな?」
「走った方がいいよね?」

偶然、
友達と鉢合わせると
心の中をそのまま
言葉にしたような
会話を交わして駆けてゆく。


「吉田に怒られる〜」
「吉田、厳しいよね」

吉田が誰かは知らないが、
先生という存在の
懐かしさを感じさせる会話も可愛い。


ぬいぐるみや赤いリボンを
つけている鞄。
シンプルで黒いリュックサック。
たわしのストラップ。

制服は同じでも、
鞄という相棒を
彩るお気に入りの数々は、
それぞれ溢れる豊かな個性だ。

なんというか、
後ろ姿のすべても可愛い。


バタバタではなくて、
ぽてぽてぽて。

軽い足取り。

小股で私を抜かして駆けてゆく。


可愛い。



私にも
中学生という時代があったのだなぁ
と振り返る。
自分の好みに
スカートを短くしたり、
高校時代に
無敵に思えた時代もあった。


そして今、
生徒たちの卒業が近づくと
どんな中学生、高校生なるのかなぁと
わくわくする。

同時に、
こんなにとっても
可愛い子どもたちの
未来の姿を見れないのが
少し寂しくもあるのである。






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a.nopo
記事を見つけて下さり、最後まで読んでいただきありがとうございます。 少しでもなにか心に残るものを届けられていましたら、こんなにも嬉しいことはありません。