エンジニアに工数の見積りを聞くときに気を付けるべきこと
もしあなたがエンジニアに開発を依頼する立場ならば、エンジニアの見積もり工数/納期が実際にかかった工数/納期と違って困ったことは無いでしょうか?
また、もしあなたがエンジニアであれば、事前に確認された工数/納期に間に合わず、申し訳ない思いをしたことが一度は(何度も?)あるのではないでしょうか?
システム開発における工数見積もりは、予見しにくい事象が発生しやすいことから、その難しさや精度の悪さというのはよく言われることなのですが、
ちょっとしたコミュニケーションの工夫で、納期遅れを起こしくくする方法があります。
それは、エンジニアに見積もり工数を確認する際、
「どのくらい工数がかかるのか?」と聞くのではなく
「○○日までに終わるのか?」と聞くことです。
とても単純なことですが、この2つの聞き方で、エンジニアの「見積もり方」に大きな違いがでることがあります。
私の経験上、以下のようなやりとりを見かけることがあります。
このシチュエーションで、営業側の聞き方を変えると、以下のようになります。
この両者の違いで大きいのは、前者では、聞かれたエンジニアは「純粋に実装にかかる時間」を見積っていて、後者では「期限までに本当にその開発を完了させられるか?」を考えて判断していることです。
機能を実装しリリースするためには、単にプログラムを書く以外に、開発やリリースのための環境を整えたり、進めている他の案件対応を調整したりなど、さまざまな工数が発生します。
単に開発工数を聞かれた場合は、純粋にその実装必要工数のみを考えてしまいがちですし、人によりますが、実力を測られているような気持になって、ちょっと見栄を張った工数になりがちです。
一方、「期限に間に合うか?」を聞かれた場合、実装以外にもリリースに必要な様々な事柄を考慮しながら可否を考えるので、突発的な事象なども予測の範囲に含めた回答ができるのです。
また、「期限に間に合う」という回答は、その期限へコミットした意味合いも生まれるので、エンジニアの頑張りを引き出しやすいです。
エンジニアという人種は、普段融通の利かないコンピューターを相手に仕事しているだけあって、自分への質問に対しても、良くも悪くも愚直な回答してしまう傾向があります。
そんな性質を理解のうえ、エンジニアがより正確に回答しやすい聞き方を工夫できると、お互いより気持ちよく仕事を進めやすくなるかと思います。
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