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別所栄吾『会議は長いのに、なぜ何も決まらないのか?』

会議とは、チーム作りや組織運営であり、また問題解決でもあります。

私的要約

会議の不満は、なかなか決まらないこと、目的がわからないことなど多岐に亘る。最悪の場合は、『会議が長くても、何も決まらない』ことが起こる。その理由は、以下の5つである。
① 会議の場で初めて目的や内容が伝えられ、その場からみんなで考え始める。
② 会議で議論を深めたり、担当や行動を検討したりしても、キーパーソンが呼ばれておらず、解かる範囲で決めても、たいてい後で覆されてしまう。
③ 会議ではなく、資料配布で済む内容なのに、皆を集めて話をするため、単なる報告会に終わってしまう。
④ 会議の場で、上司が部下の発言を批判したり、感情的な言い方をしたりするため、誰も発言しなくなり、会議で発言しているのは上司だけになる。
⑤ 議題について、話を進めると脱線してしまい、延々と長い時間もとに戻らなくなる。
これらのように、決まらない会議の原因は、決定権者に決める気がないことや、情報や能力が不足していて決めたくても決められないことにある。文字にするとたったこの2つが原因と言えるが、この背景や周囲には様々な事情や理由がある。
この書では、どのようにすれば会議で有効な意見交換ができ、決定へつなげられるのか、その根本原因と進行テクニックが紹介されている。
そして、会議とは、チーム作りや組織運営であり、また問題解決でもある。単なる会議の段取りや技術を知るのではなく、その前提となる組織のメカニズムやマネジメントから確認することで、会議の本質を学ぶことがこの書の目的である。

教育×読書

この書には、会議を有効にする具体的なテクニックが様々なケースごとに書かれてある。
教育に転用するとなれば、会議の進行そのものというよりは、段取りであろう。まずは、目的をしっかりと見据えること。そして、それに向けて事前準備を怠らないこと。自分一人では達成できそうにない場合には、事前に根回しをしておき協力を仰ぐこと。会議進行において必須のテクニックであるが、これらは、会議に入る前の段階の話である。
受験においてもそうである。最大限の準備をすることもなく、受験当日に慌てふためいても手遅れなのだ。自分の思う方向に事が進まないのは当然のことだろう。まずはゴール(志望校)をしっかりと見据えること。そして、それに向けての情報収集や学習などの事前準備を怠らないこと。自分一人で達成できそうにない場合には、周りの大人や友人に協力を仰ぐこと。こうして見ると、受験勉強というものは、志望校合格のためだけではなく、大人になった時の基本的な物の考え方や姿勢などにやはり通じていくのだなと改めて感じる。
私たち塾講師は、生徒の日々の学習が、学力向上のみならず、彼らの生きていく力の向上にもつながっていることを改めて肝に銘じなければならないのだろう。

私的感想

8年ほど前に買って読んだ本です。
今と読み方が全然違うので、久しぶりに開くと付箋だらけでした。
当時の自分がどんなところに付箋を貼っているのだろうかと興味津々で読み直してみましたが、今、線を引くとしても同じところに引くだろうな、という感じでした。
それは、この本から学びとったことが頭に入っているからでもあるし、まだまだ行動が足りていないのだからだと自戒するべきでもありました。
会議で大事なのは、目的意識!信頼関係!準備!ということを忘れず、しっかりと行動していきたいと思います。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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