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五百田達成『気弱さんのための言いにくいモノの言い方』

気弱はりっぱな才能です。

私的要約

自分の意見をなかなか言わない。
態度をはっきりさせない。
気の強い人に押し切られやすい。
周囲の目を気にしすぎる。
気弱な人は、これらのような特徴を持つ。なぜなら、気弱な人は、相手の気持ちを感じ取る感応力が高く、行動する前に結果を想像する力があるためだ、と著者の五百田氏は述べている。そして、これらの力は、他者への思いやりと思慮深い行動につながる。パフォーマンスは苦手でも、相手のニーズをていねいにくみとり、フォローできるので、着実な仕事のできる人が多い印象もある。つまり、これらのメリットを兼ね備えた気弱な人は、一種の才能とも言える。
しかし、気弱な性格が対人関係にマイナスに働くこともある。そこから脱するためには、気弱という才能を活かすことができるように発想を変えることが必要である。
『割り切る』『逃げる』『受け流す』これらの技を磨くことで、対人関係に『角』が立たず、『丸く』おさめることができる。これこそが、気弱な人が持つ武器なのだ。

教育×読書

この本から、教育転用したいのは、『叱る』×『褒める』の在り方である。
現代のコーチングやペアレンティング・トレーニングでは、怒らない叱り方というのが推奨されている。『言われたとおりにすれば怒られない』ということを学習した子どもは、自分から何かをしようとしなくなる。それは、言われたとおりにしないと怒られるからである。一方、親が問題点を冷静に説明し、本人が納得して行動を改めると、親に褒められた子どもにはそれが成功体験となる。自信もつき、さらなる成功体験を得られるように努力する。
このように、『叱る』ことと『褒める』ことはセットにならないと次につながらないのだ。
また、『褒める』ことは信頼を得る方法の一つである。叱られる側、指導される側は、信頼できない人の言うことなど聞くはずもない。きちんとその人の努力を見ていること、そして認めることを『褒める』という行動として伝えることで、初めてそれは相手に届き、それが信頼となっていく。
私たち教育者は、『怒る』ことはできなくても、『叱る』ことはできないといけない。そしてそれ以上に、『褒める』ことができないといけない。それが、次世代を教育していくのに私たちが忘れてはいけないことなのだろう。

私的感想

この本には、気弱な人が使えそうな実際の事例がたくさん載っています。
私自身、気弱だとは思いませんが、ついつい言葉を飲み込んでしまうことも多くあるので、そこは直したいと思い、この本を読んでみました。『割り切る』ことや『受け流す』ことは自分の中では得意分野なのかもしれませんが、『逃げる』ことは苦手かもしれません。
改めて、自分の性格について考えることができました。そして、それが塾講師としての適性につながるようにまたあらためてがんばっていきたいと思いました。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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