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宋世羅 『ヨイショする営業マンは全員アホ』

茶番じゃない、現場の営業教えたるわ。

私的要約

著者の宋世羅氏は、世の中には『綺麗事の茶番営業ノウハウが溢れかえっている』という。
社長同士ですでに話が出来上がっていて、あとは営業マンが表敬訪問するだけみたいな綺麗な営業しかやったことがないのか、そもそも本当に何もやったことがないのか、あるいはかっこつけのブランディングでやっているのか、現場では全く通用しない、綺麗ごとだらけの営業本の著者を、『お前、ほんまに営業やってたんか?』『ほんまにゼロからドブ板営業やってたんか?』と疑っているらしい。
実際の現場営業で結果を出している人たちはみんな『ゴリついて』やっているのに、そういう現実がこういった本やyoutube、営業研修ではほとんど語られていない。そんないわゆる教科書おじさんの営業ノウハウとは全く違い、宋氏がずっと営業の現場を這いずり回って泥水をすすってきた実体験から得た営業術がこの書には書かれてある。
営業マンに対する世間のイメージに『胡散臭い』『信用できない』『怪しい』といったネガティブなイメージがあったり、お客様が営業マンに対して違和感を覚えたりするのは、絶対に綺麗事の茶番ノウハウからくる『不自然さ』が原因なのである。

もっと生々しい、本当のことを言うのは都合が悪いのか?
だったら-『茶番じゃない、現場の営業教えたるわ』 

宋氏の語る言葉こそが、一言でこの本についての唯一無二の説明である。

教育×読書

世の中には、
『できるだけ失敗はしない方がいい』
『失敗をどんどんするべきだ』
という両極端な意見がはびこっているが、宋氏は、200%失敗した方が良いと言い切っている。それは、失敗することで、自分のキャパシティが広がるからである。
このキャパシティも、
① ミスに対するキャパシティ
② 変化に対するキャパシティ
③ 恐怖に対するキャパシティ
の3つがそれぞれ広がるとされている。
世の中、失敗をしないに越したことはないのかもしれないが、失敗をしない人間などいない。特に、大事な時にこそ失敗してしまう人は、それこそミスをすることに対する恐怖心から縮こまってしまって、本来の姿を見失ってしまっている、つまり、自分に負けてしまっているのだと私は考える。そして、これを克服するために必要なのが、宋氏の語る『失敗へのキャパシティ』なのだと思う。
本番で力を発揮できる受験生、そうでない受験生、違いは何か。-失敗へのキャパシティなのだろう。失敗したらいけないから、自分のベストを尽くさないといけないというネガティブな捉え方なのか、失敗してもいいから、自分のベストを尽くそうというポジティブな捉え方なのか、こういった精神力(=失敗へのキャパシティ)の差が点数の差を生んでいくのだろう。わざと失敗をする必要はないが、入試までの過程の中で、失敗をたくさん繰り返してもらいたいと思う。
私が毎年受験を受け持つというストレスを抱え続けながらも、ずっと塾講師を続けている理由は、こうした過程の中で、学力的な成長だけでなく、人間的な成長が見て取れるからである。教え子の成長と成熟を感じ取れるのは、何にも代えがたい喜びなのだ。

私的感想

ちょいちょい挟まれる関西弁での毒づきが面白く、惹きこまれるように読んでしまいました。『綺麗ごとばかりの営業書を真似するから、お客様に違和感を与えてしまう』というのはすごく納得させられる言葉でした。
この本に書かれていることは、1つ1つ一生懸命やってきての自負があるからこその言葉
なんだろうなと思うと、すごく心が熱くなります。こうやって自分の作ったノウハウを惜しみなく人に継承できる人こそ、本当の意味での教育者なんだろうと思います。
改めて、トップを張れる営業マンはすごいな、と脱帽しました。


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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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