マガジンのカバー画像

本と映画のこと

5
運営しているクリエイター

2018年10月の記事一覧

気だるい生、緩慢な死

気だるい生、緩慢な死

 この世界の片隅に 戦争中の広島と呉で一人の少女・すずが成長していくなかでの心の変化やそこに投影される時代の空気が表現された映画。すずがいつもぼんやりしているからか、狼のような毛深い男に攫われてしまったり、米軍の爆撃が画用紙に滲む絵の具のように表現されたりと、現実と自分の中だけの世界とが入り混じって描かれている。どこかこれは夢物語で、すずや水原さんはこの世界に実在してなかったんじゃないかと思ったり

もっとみる