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2024年8月に見たライブ(テナー/よだか/KEBABS/アジカン)


25. 08/12 “STRAIGHTENER MANIA” vol.2@Zepp DiverCity


こちらに書きました。


26. 08/16 多次元制御機構よだか「Now Landing____」&ミニトークイベント@下北沢シャングリラ

ハヤシくんのソロプロジェクト「多次元制御機構よだか」のワンマンへ。台風で開催が危ぶまれましたが、その時間帯の下北界隈は被害もなく無事に開催できて良かったです。

🔹ワンマンライブ「Now Landing____」

サポートは今回もケバブスのリズム隊です。よだかのワンマンを見るのは2度目。前回はシェルターでかなりギュウギュウだったので、シャングリラは良い感じでした。そう言えばシェルターの日も雨だったな。
後ろの段上で見ていたのですが、フロアの盛り上がりやミラーボールの煌きを全部視界に納めることができて。とても良い光景でした。

・よだかのライブを見る度に、フレッシュな青春を疑似体験できているような気がして、心の底から清々しい気持ちになります。
前身のフィッシュライフのことは知らないのですが、こうして再びバンドをやれる喜びに満ち溢れていて、そんなエネルギーを浴びるとこちらも童心に返るんだよな。

・「システムオールグリーン」が1曲目なのは定番として、2曲目に最新曲の「ヒーロー」がぶち込まれたので、フロア全体のギアが目に見えるように上がったのが愉快でした。真っ赤な照明が似合う曲。今日のワンマンの流れを決定づけたような2曲目だったと感じてかっこ良かったな。
Aメロちょっとだけユニゾンの「僕らのその先」を思い出す、曲調全然違うけど音符の動きが。

・個人的ハイライトは「ミルキーウェイ・トラフィック」からの「天國」でした。ミルキーウェイの同期が音源より大きく聞こえる(ライブでは違うアレンジを使っているのかも)、キラキラ感が増して好き。サビのコーラスも美しくて好き。キラキラかつ爆発力に満ち溢れていて、ミルキーウェイからのビッグバンかな、みたいなど迫力で楽しかったです。

・「天國」の前に、決まり文句「心のミラーボール回して行こう」から、「このどスケベが!」とシャウトしていて笑ったのですが、ピンクの照明に照らされた大きなミラーボールが回り始めて、まじで超エロいなと思って面白かったです。

ハンドマイク姿でお客にワイパーを促し、ヌンチャク振り回すハヤシくんに、なんだか思わず「きゃー!」と手を振りたくなって振ってしまうという。アイドルっていうかヒーローっていうか、私にとってハヤシくんはそんなキャラクター。相変わらず間奏ギターソロの熱狂が凄まじい。フロア大盛り上がり。

・田淵も浩之さんも、ユニゾンともケバブスともまた違った顔で、真剣にかつ自由にリラックスして演っているのが楽しそう。
ユニゾンの武道館で田淵は「本当はバチバチしたくない、平和が一番」と話していました。ふとそんなMCを思い出したり。ユニゾンだと良くも悪くも背負ってる感がある、当然なんだけど。

・ワンマンだし新曲やるかな?と思っていたら2曲もやってくれました。「エラー」と「スピン」。「エラー」は染み入るバラード。「スピン」もゆったりしていて、イントロに「飛鯨五十二号」っぽいポップなシンセが入っていたような。どっちもすごく良かったです。
2部のトークショーで、田淵が「スピンのデモを聞いた時に、ZARDとくるりのマッシュアップだと思った」と話していたのですが、確かに「なんか聞いたことがあるような懐かしい感じがする、なんだっけ」と思ったのです。次に聞いて自分が何を感じるか楽しみ。

・「飛鯨五十二号」の青春感が本当に好きで今日もほっこり&きゅん。一番好きな曲なので、いつも楽しみに聞いている。
「曲名」と「夜間飛行」でめちゃくちゃ盛り上がって本編終了、アンコールも「夜間飛行」で。アンコールでは、間奏で勢い余ってギターレスで踊りだすという珍事(笑) ハヤシくんが楽しそうで何よりですね!

アンコールにて、田淵はハヤシくんが喋っている時にずっと酒の缶を片手で掲げて乾杯のポーズで固まっていた。ご機嫌だ。

🔹ミニトークイベント

・ライブ後に1時間ほどのトークイベントがありました。ハヤシくんのルーツや歌詞の話など、真面目な音楽の話がたくさん聞けて面白かったです。もっとライトな話題(ワンマンの感想など)かと思っていたのでお得感がすごい。参加して良かった。

・入場待ちしているとフロアから「Smells Like Teen Spirit」のカバーを3人が演奏しているのが聞こえて来て笑う(サビの歌詞は適当)。そんなサービスでお出迎えしてもらえるとは。
ハヤシくんがXにも投稿していたユニゾンカバーの「オリオンをなぞる」とか、TMGEの「世界の終わり」の他、野太い声でゆったりと歌い上げ、最後に「マイ・ウェイ~」と替え歌していた「時空怪盗」フランク・シナトラverに笑いました。ハヤシくんにはこういうオモロイ一面もあるのか。

・トークの内容は、影響を受けた作品(映画・漫画・音楽)、よだかの歌詞について、「飛鯨五十二号」の解説、田淵が語る音楽論(浩之さん聞き役に徹する)などなど。

「スピン」「INTERNET LIVING DEAD」「或星」の披露も。田淵はだいぶ酔っぱらっていたから座ったままベースを弾いていた。演奏があると思ってなかったのでラッキー。「INTERNET LIVING DEAD」のベース好きなんだよなぁ。Bメロ。

「或星」の前に、ハヤシくんが大黒摩季の名前を出していて、恐らく「ら・ら・ら」のワイパーをお客さんにやって欲しいという意図だったと思いますが(サビでワイパーやりました)、ZARDの名前も出たし、ハヤシくん年齢不詳で面白いな(年齢知ってるけど)。

良い話をたくさん聞けたのでランダムにメモ。

・新曲「スピン」の歌詞を絶賛する田淵。田淵はよだかの歌詞が本当に好きなんだなぁと熱い語り口に思う。
尾崎世界観が芥川賞なら、ハヤシくんは直木賞だと。ハヤシくんが「尾崎さんは新宿界隈で、自分は府中だ」と例えていたのか面白かったです。わかるようなわからないような(笑)

・尾崎さんの芥川賞候補となった「転の声」を絶賛する田淵。しかし受賞作(「サンショウウオの四十九日」)を少し読み、賞を取るには一般に広くわかる話題でなければと思った、と。
私も、「転の声」は尾崎さんにしか書けない音楽業界の話であり、とても面白かったのだけど、正直言って芥川賞の候補になったと聞いて驚いたのです。転売は社会問題ではあるけど、内容がマニアックでは?と思って。

田淵の持論として、売れる音楽は田舎のヤンキーに伝わる曲だ、だからUVERworldやback numberは成功していると熱弁。メジャーで売れたいならそういうニーズを受け入れる覚悟がいる、自分は売れたくないから良いし、都会生まれだからわからない部分がある、とも。

どのジャンルも、「誰にでもわかりやすく」は鉄則だなと思います。ニッチはニッチで需要があるのだけど。自分がマイノリティー志向だから、日々そういうことは感じています。
私も東京出身だから、地方出身の人の持つ感性には勝てないなぁと(勝ち負けではないが)昔から思っている。

ちょっと話ずれるけど、「好きなバンドが地元に来てくれた!」っていうスペシャルな喜びを、都民は味わえないよなーと常々思っています。都民のひがみ。(東京はライブがたくさんあるからいいじゃん!という話はまた別。)

売れるにはメロディーと歌詞がどっちも良くないといけなくて、田淵が認めているのはミスチル桜井さん、いきもの水野さん、そして西野カナだと。この話、前にどこかで聞いたな。

以前は「憧れのバンドは?」と聞かれても絶対に答えなかった田淵。そのバンドがいれば良いから。でも、ハイロウズやピロウズにはなれないけど、その人達ができなかったことを自分はできるかもしれない、という思いはあるそうです。これは前に「スロウカーヴ」のトークイベントで話していた記憶。

先日、音楽に詳しい人と会話をしていて改めて思ったのですが、音楽はもはやイチから作り上げることは不可能なので、結局は先人をパクった上でオリジナリティーを出すことになる。
影響を受けたもの+オリジナリティが上手いかどうかがオモシロポイント、センス、才能なんだなと思います。

田淵は洋楽をあまり聞かないけれど、ユニゾンの音楽を語る上でたまに洋楽を引き合いに出すベテランのライターの方がいて、それはきっと好きなバンド(ハイロウズもピロウズもスロウカーヴもGRAPEVINEもSyrup 16gも)が大いに洋楽の影響を受けているから。
そういうエッセンスが無意識にでも引き継がれ、元ネタを知らない客層にも良さが伝わるのって面白いなと思います。元ネタは知らなくても楽しいし、知ったら知ったで世界が広がって楽しい。そこがリスナーの醍醐味よ。

・「曲名」の歌詞を絶賛する田淵。言われてみれば、よだかをやっていく覚悟の歌なんだなぁ。
曲のタイトルに「曲名」と付けるのが発明だと絶賛する田淵。普通ならギャグになってしまう、と。

ハヤシくんが、チャウ・シンチー(映画監督・俳優)が好きで「『曲名』は『カンフーハッスル』だ」と例えたのが面白かったです。
「カンフーハッスル」の原題は「カンフー」だそう。余計なフレーズをくっつけてわざとダサくする邦題あるあるですが(これぞ「田舎のヤンキーにも伝われ」というプロモーション側の意図なのかもしれない)、そのニュアンスが「曲名」にも通ずるということですよね。なるほどなぁ。ユーモアのエッセンス。
よだかを始める前は根が暗かった、よだかをやってから変わったということも話していました。フランク・シナトラverみたいなおふざけができるのも、よだかになってからなんだろうな。良いお話。

「よだかを好きな人は、チャウ・シンチーも好きだと思う」とハヤシくんが言っていたけれど、世代が違うような気がw
私は20代の頃に付き合ってた人がチャウfシンチーが好きで、いくつか一緒に見たなぁ。「少林サッカー」も面白かったけど「食神」が好きです。

「ニュー・シネマ・パラダイス」も好き、映画に映画ってタイトルをつけるなんて、とハヤシくんが言っていました。
よだか(宇宙)繫がりで、「2001年宇宙の旅」の名前も上がりました。古い映画もたくさん見ている、映画好きなハヤシくん。ブルース・リーも好きそう。心のミラーボール回すってやつ、「Don’t think. FEEL!」に近い感じない?

・漫画は「ルックバック」「SHIORI EXPERIENCE」の名前が上がりました。「ルックバック」みたいなことを音楽でやりたいそうです。

「SHIORI EXPERIENCE」は、「ワンピース」と並べて絶賛。冴えないOLがジミヘンの霊にとりつかれたことで昔やってたバンドをもう1度やりたい!と燃え滾るストーリーなので、そういう熱量は音楽やってる人は共感するのだろうな。(ストレイテナーのOJも絶賛している作品。)
「ルックバック」もクリエイターには刺さるだろう。

・田淵が、よだかと宇宙の関連性についてハヤシくんに尋ねましたが、それは特にあまりないようです。個人的には何故「よだか」なのか気になっています。でもあまり意味はないのかな。

浩之さんが「スター・ウォーズ」シリーズが好きで全部見ているため、田淵がよだかとスター・ウォーズの関連性について振ったものの、無茶ぶりされた浩之さんが困っていたよ。口数の少ない浩之さんに話を振りたい気遣いもわかる、でも難題を振られた浩之さんも気の毒だった(回答なし)。

・音楽についてはハヌマーンの名前が出ましたが、結局はNUMBER GIRLだ、とハヤシくん。「INTERNET LIVING DEAD」のイントロのギターを弾いてみせてくれたけど、そう言われると納得。

「飛鯨五十二号」の歌詞について、田淵は「耳をすませば」を連想したのでハヤシくんに確認したら違うという答えが返ってきた、というお話。
ハヤシくんは、むしろBUMPの「車輪の唄」だと。なるほど。
自転車のニケツっていうと私はゆずを思い出すし、ニケツじゃないけど宇宙繋がりで「E.T.」もなくはない、とか妄想。受け手は勝手に想像できる楽しみにがありますね。何にせよ自転車の2人乗りは青春を表現するのにピッタリな素材。

男性目線と女性目線で歌詞を書き分けているという話。私もいつも「飛鯨五十二号」を聞きながら、主語の人を思い浮かべちゃうし、私は女性だけど何故か男性目線にすごく感情移入をしてしまうな。脳内が男性寄りだからかもしれない。
男、女、男、女と交互に来て、最後は2人が一体になって交わっているのがロマンチックだよなぁと思う。

ハヤシくんが、漫画の影響で歌詞を「吹き出し」「状況説明」「ナレーション」に分けて書いているという話が興味深かったのです。確かに漫画のようなコマ割りを思い浮かべるかも。それを聞くと急に曲の解像度が上がる気がします。

・お客さんから好きな歌詞を上げてもらうコーナーもありました。マイクがないからあまりよく聞こえなかったけど。

個人的に好きな歌詞。

「"世界を二人占めしたみたい" 言えないけど思ってたよ(飛鯨五十二号)」⇒ ベタな台詞をすっと受け入れてしまう永遠にキラキラな青春感

「今日が最後なんて嫌だ!って思えたなら 命はいつでも僕に微笑みかける(曲名)」⇒ 「命が僕に微笑みかける」という表現に驚愕

『明日世界が終わってくれたなら ちょうどいいのにな。』って君が言う(天國)」⇒ 「明日世界が終わるなら」はありがちだけど、「終わってくれたなら ちょうどいいのにな」っていうありそうでなさそうな言い回しが好き、共感ポイント高い。
あと「岩漿小籠包」とか「人形浄瑠璃のコクピット」とかなかなかのワードです、天國。

たくさん話を聞けて、よだかを少しだけ紐解けたような気がしました。

・自分ばかり喋ってごめんね、と謝りつつも司会者のように回していた田淵。このトークイベントは田淵が提案したのかしら。ハヤシくんの口から語ることで、よりよだかの良さが伝われ、という熱いファン心理が見えたような。お陰で豊かな時間を過ごせて楽しかったです。

田淵は、ハヤシくん・浩之さんに比べてわかりやすく酔っぱらっていた。楽しそうで良かった。昨年スロウカーヴのトークベントの時は、飲み過ぎのせいかアグレッシブ要素強めで少し面食らった。楽しいから酔いたいのと、日常で気を張るシーンが多く解放したい気持ちもあるのか、大丈夫かなと勝手に思ったり思わなかったり。


27. 08/21 HITORIE 10-NEN-SAI "Versus Series"@渋谷CLUB QUATTRO


Guest:THE KEBABS

ヒトリエの10周年記念対バンにケバブスがお呼ばれ。以前の対バンからもう3年も経っていたのか。

かなり体調が悪かったので記憶が薄いです。でも行けて良かった。シノダさんが「ケバブスのスケジュールを抑えるのは本当に難しい」と実感込めて言ってたけど、スケジュールの合った貴重なチケットを無駄にしなくて良かった。

🔹THE KEBABS

・ヒトリエ VS ケバブスTシャツを全員で着用という微笑ましいの図。楽屋に置いてあったそうだ。

・「THE KEBABSを抱きしめて」からスタート、ぴょんぴょん跳ねるメンバーがでっかく見える。前回見たのが六本木EXだったから、クアトロがとても狭い。小さいライブハウスは嬉しい反面、彼らには狭すぎるかな?という矛盾した思いも。

・「デ・ニーロ」で佐々木がフロアへ突入するのがルーティンですが、みっちり埋まったクアトロは狭くて動きづらいせいもあるのか遠征しなかったな。
と思っていたら、次の「ジャンケンはグー」でいつも通り客席をかき分けて行く佐々木。私は一番後ろの段上で見ていたので、「佐々木、近い(笑)」と思って笑った。PA前まで来て机に上がったから、思わず手振っちゃったよ。
シノダさんに「俺はあそこまで行けない」と言わしめていた。そういうとこ佐々木だよなぁ。

あと、「ヒトリエは3人とも爆弾魔みたいな顔をしているから正気じゃない」的なことを口走っていた佐々木。佐々木なりのリスペクトなのだろう、ややわかりづらい物騒な表現。
一方で、ゆーまおはレッサーパンダだし、シノダはシノダネコだしね。(「どうぶつがいっぱい」ネタ) イガラシはアビシニアコロブスだね。(適当)
「ヒトリエの好きなところは、音楽好きなところと、背負ってるとこ」と良いことも語っていた。

・音源化されていない新曲が3曲(「お布団の中から」「どうぶつがいっぱい」「フタバスズキリュウ」)も披露されました。わーい。対バンだからやらないかと思っていた。

佐々木が下(カンペ)を見ていたので新曲だなと予測できるのがケバブスです。
まずは「お布団の中から」、聞くの2回目。パジャマのまま渋谷で会いたい(六本木EXでは「六本木で会いたい」だった)というキュートな歌詞とは裏腹に、攻め攻めのキメ連打と、ゴリゴリの浩之ソロがとてもロックな1曲。音源化はいつになりますか。

「どうぶつがいっぱい」の親子劇(田淵&浩之)は、ヒトリエ仕様だった。
「パパ、あっちにレッサーパンダがいるよー」
「ゆーまおくんみたいだね」
「パパ、あっちにシノダネコがいるよー」
「ニャーン!ニャーン!」

動物園にいて欲しい、シノダネコ。マヌルネコの隣あたりに。田淵の「ニャーン!」の発声が好きだったので、何かのサンプリングにして欲しい(マニア大喜び)。
シノダさんがMCで「いつの間に寸劇まで?」と笑っていた。割と最近のことなんです。楽しいことはなんでも取り入れるバンドです。
浩之さんの「こらこら~~~お前たち~~~」のわざとらしさにどんどん磨きがかかっていて笑う。音源化はいつになりますか。(いけるやろ)

「フタバスズキリュウ」はやっぱりサビに「ゴールド・ディガーズ」みを感じます。新井さんのギターがフタバスズキリュウみたいにいななく。フタバスズキリュウが鳴くのかは知らないけれど。音源化はいつになりますか。

・いつ聞いても嬉しい「テストソング」と「メリージェーン」が、私の重い身体(体調不良)を軽やかにしてくれます。
メリージェーンにも「シノダ好きか?」「イガラシ好きか?」「ゆーまお好きか?」というアレンジあり。俺たちヒトリエだーいすき!(どうぶつがいっぱい)

・前回の六本木では、田淵が喉の不調によりセトリから外れた「ラビュラ」ですが、今日は元気いっぱいでめちゃくちゃ声が伸びていた。グッドバイブス。
「ラビュラ」の底力すごい。仲良くじゃれ合っているメンバーが、この曲ではそれぞれが自分の世界に入り込んで轟音渦巻くシューゲイザーと化するのにゾクッとする。可愛らしい曲?と思わせておいて、牙を剥いてくるようなすごいやばい1曲。聞く度に嚙みつかれます。

終盤に「恐竜」と「猿」が来るのが最近の田淵内の流行り?「猿」ってだいたい終わりに来るよなぁ。
「フタバスズキリュウ」からの「てんとう虫の夏」の流れが今日イチで好きでした。恐竜に挟まれても見劣りしない昆虫、どうぶつから恐竜から昆虫まで、さすがケバブスのスケールよ。

THE KEBABSを抱きしめて
THE KEBABSのテーマ
ロバート・デ・ニーロ
ジャンケンはグー
お布団の中から
テストソング
メリージェーン知らない
どうぶつがいっぱい
ラビュラ
フタバスズキリュウ
てんとう虫の夏
恐竜あらわる
猿でもできる
ガソリン

新井さん、もうちょっと弾けたという自己評価。言われてみると「ジャンケンはグー」の後奏ギターなどはもっとイケたのかもしれない、と思いました。でも「恐竜あらわる」は相変わらずすごかったし、「デ・ニーロ」で自らハードル上げてるのも好き(音源より激しめ)。
「ガソリン」は珍しくステージの端の方で腰かけて弾いていたので、ガソリン切れたのかな?と思ったり。

🔹ヒトリエ

渋谷にインターネットからやってきたヒトリエが降臨。「ケバブスにやられたらやり返すしかない!」というシノダさんの力強い言葉にフロアが喜ぶ。

個人的に見るの3度目、3年ぶり。前回もケバブスとの対バンでした。ちょうど「REAMP」がリリースされた頃でよく聞いていたけれど、すみませんその後はご無沙汰です。シノダさんのXはフォローしていてたまにニキー見てニヤニヤしている。私はそういう気味の悪い人間です。

・wowakaさんがいた頃に初めてライブを見て、NUMBER GIRLとかスパルタローカルズとかVOLA & THE ORIENTAL MACHINEとかthe band apartとか好きそう、などと勝手なことを思いました。
シノダさん体制になってから幅が広がったなぁという印象があります。ハンドマイクで歌うキラキラな曲、同期が印象的なしっとりと美しい曲。色んな顔のヒトリエが楽しめるというのは、ファンにとって嬉しいことだろうと思うし、私も聞いていて楽しく気持ちが良かった。

「REAMP」からも何曲かやったので、久しぶりに聞けて嬉しかったな。「Marshall A」が好きだけど、久しぶりに聞いたら「ハイゲイン」のかっこよさに痺れた。

「アンノウン・マザーグース」の♪wow~のコーラスがなんだかとても泣けると思う。異国を感じるのにノスタルジーに駆られるのは何故だろう。
終盤に向かうにつれ、ステージと客席のエネルギー交換の凄まじく、混沌に飲み込まれ圧倒されるような、美しい流れでした。

アンコールで出てきたシノダさん、「本当ならこのTシャツに着替えてさっぱりしていたのに」と発言して笑いを取る。ヒトリエも全員が本編から今日の対バンTを着用していたのは、ケバブスに圧をかけれたから。ステージ衣装が用意されていたのに。そういうとこケバブスだよなぁ。

・ギターリフに痺れる「センスレス・ワンダー」でフロアが熱狂して、大満足と思ってエントランスを出ようとしたら、背中から歓声が聞こえたので何事かと振り返る。

何故か田淵がステージにいる。どうやらダブルアンコールをやるらしい。「一番イガラシが不安がっている」とか「データはあるのか」とか口走っている。お前は一体誰なのだ?(ただのファン)という立ち位置で奔走していたようだ。そういうとこ田淵だよなぁ。

田淵がどうしてもこの曲をやって欲しいと連呼していたそうで、「もっと早く言えよ」と困惑しながらも、予定外の「curved edge」が演奏されたのでした。
独特のリズムに揺さぶられ、この曲こんなにかっこ良かったでしたっけ?と思ってしまった。♪ワンツー!の絶叫と、最後に袖に向かって中指を立てていたシノダさんの生き生きとした表情が印象的。

・MCでシノダさんが語っていた、wowakaさんのお別れ会を新木場でやった後に、田淵に誘われて飲みに行き、一言にまとめるならば「いいからバンドやれよ!」と言われ続けたというエピソード。迷っていたけれどやった方がいいんだなと思って、そうしたら10年ヒトリエが続きました、という話も良かった。そういうとこ田淵だよなぁ。

フロントマンを失い、なおバンドを続ける選択をする人たちを本当に尊敬します。その覚悟、想像を絶する。
私も、大好きなバンドから突然フロントマンがいなくなり、喪失感に苛まれたことがありました。フジファブリック。やっぱりどうしても志村正彦のいたフジに思い入れがある。でも続ける選択をしたメンバー3人にはリスペクトしかないし、本当に感謝してます。
ヒトリエのファンもそれぞれ複雑な思いを抱えているのだろう、と同じ音楽ファンとして推し量るものがあります。でも今日のステージを見て、10年続いてきたヒトリエとファンの絆を感じて、ロックバンドって素晴らしいと思いました。心から。

「最後は生きている人間の書いた曲をやれよ!」と言う、酔いどれ田淵の強めの口調が刺さった。そういうとこ田淵だよなぁ。
気になったので、どの曲がwowakaさん時代なのか調べてみたら、本編の最後の方はwowaka攻めだった。ライブの流れとしては美しいと思ったけれど、なるほどなぁ。そういうとこ田淵だよなぁ。

曲名/リリース年/作詞

ジャガーノート(2023/シノダ)
Marshall A(2021/シノダ)
ハイゲイン(2021/シノダ)
LACK(2019/wowaka)
オン・ザ・フロントライン(2024/シノダ)
Selfy charm(2024/シノダ)
tat (2021/シノダ)
3分29秒(2021/シノダ)
アンノウン・マザーグース(2017/wowaka)
青(2019 /wowaka)
sister judy (2015/wowaka)
モンタージュガール(2015/wowaka)

en.
センスレス・ワンダー(2014 /wowaka)

en2.
curved edge(2020/シノダ)

シノダさんのぼそぼそっとした語り口のMC、そのままニキーを聞いているみたいだった。裏表なく心から言葉が真っすぐ出ていると感じて好き。

私が主催だったら、あんな無茶ぶりされるのちょっとありがた迷惑かもと思ったし、ヒトリエ側も勘弁してくれよという気持ちも全くなかったとは言えなさそうに感じましたが(ファンは嬉しいだろうけど)、天真爛漫に突き進んで、結果的にみんなの心をつかんでしまう。そういうとこ田淵だよなぁ。信じられないよな。

言葉で表現しきれない素敵なものをロックバンドから受け取った、良き一夜でした。

28. 08/25 ASIAN KUNG-FU GENERATION Anniversary Special Live「ファン感謝祭2024」@横浜BUNTAI


こちらに書きました。


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