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同人誌ログ「獣の素顔」

作者:源蔵 様(@genzo_322)
サークル名:頑固一徹堂
入手日:2023/05/21(文学フリマ東京36)

 文学フリマ東京36で隣のスペースだったサークル様の頒布物です。
 その場で文体や雰囲気をざっと確認し、好みの予感がしたのでゲットしました。
 普段は関西で活動されているサークルらしく、東京でお目にかかれたのは奇遇といいますか。(後に文学フリマ大阪でもご挨拶にいきました)




 二つの強大な国が衝突した戦争から二年後、束の間の平穏と水面下で緊張を抱えた情勢の中で各地を放浪する傭兵の二人組バルザスとランス。二人が地方の小さな村で受けた仕事が国家の絡む大きな陰謀、さらには二人の過去へと繋がっていく――というのが話の大筋です。

 内容は剣と魔法のハイファンタジー、アクション多めで活劇チックな展開というのが第一印象でした。

 バルザスとランスでそれぞれ戦闘スタイルが異なるため、立ち回りに違いがあり飽きることなく戦闘シーンを楽しむことができました。アウトローな戦法で手癖足癖の悪いバルザス、正面から実直な攻め方をするランス、それぞれの性格を反映した対比がいいコンビだなと思いました。

 カプ厨的には、戦友で恋愛感情のない信頼しあった関係というのが非常にぐっときました。
 カプ厨は恋愛脳じゃないのかって?馬鹿、本筋に絡まない無駄な恋愛要素はノイズなんだよ、そういうのは作者の見てないところでこっそりやったりやらなかったりするんだよ。

 ストーリー展開もきれいにまとめられていて、最後もちゃんと落ちているので読後感はすっきりしました。
 一冊で完結しつつ、ひょっとしたら続きもあるかもと期待させるような終わり方は創作として最高じゃないかと思います。

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