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1回のワークショップで組織は変わるのか?

2016年から共創ワークショップやプロジェクトに携わってきた経験から、最近感じていることを書いてみたいと思います。

簡単に言うと、ワークショップは1回の実施でも、実施の方法次第で、組織を成長させる強力なきっかけになり得ると思うようになったという話です。

同じ領域でご活躍されている方や、組織について悩んでいる方(特に、自社で合宿やオフサイト、研修の一環でワークショップをやってみたい、
あるいはやったけどうまくいかなかった方)との情報交換のきっかけになったら嬉しいです。

ワークショップの効果

まず、ワークショップをするとどんな良いことがあるのか。
それは、多様性を活かし、新しいアイデアや価値を生み出すことができる点にあります。また、参加者同士のコミュニケーションを促進し、チームの結束力を高める手段にもなり得ます。
個人的には、多様性が発揮される機会になることが、大きな魅力な1つだと感じています。

このような効果を持つ良い場を日常に取り込んでいくことができると、

・集合地を生かした問題解決や価値創造力の向上
・協力的な文化の醸成
・参加者のモチベーションやエンゲージメントの向上

といった変化をもたらしながら、組織の変化に対する柔軟性と適応力が向上することが期待できると考えています。

今まで力を入れてきたことは、文化への昇華

私が所属するHackCampでは「多様性ある全ての人々の共創による社会」というパーパスを起点に、「共創」を組織の文化に組み込むお手伝いをしています。

文化にしていくことにこだわっている理由の1つに、
我々はワークショップやアイデアソン、ハッカソンなどの単発イベントのプロフェッショナルであり、その限界も理解していることがあります。
したがって、単発のご相談であったとしても「持続性」をキーワードに、実施イベントの前後のデザインに力を入れつつ、非日常的なこれらのイベントを組織の日常(文化)として戦略的に昇華していく方法に焦点を当ててきました。
具体的には、いつでも誰でもどこでもできるファシリテーションメソッドを強みに、会議など日常の「場」を変えていくことで、文化のアップデートをサポートするというものです。
我々がファシリテーションを企画運営をすることもありますし、再現性の高さを活かして、スキル移管・活用支援をしたりしています。

最近では、ワークマネジメントツール Asanaのパートナープログラムに参画することで、業務効率化や、組織全体のビジョンと社員一人一人の毎日のタスクをつないでいくサポートまでできるようになりました。

1回のワークショップでも組織は変わるのか

一方で、ご相談頂く顧客の期待値は必ずしも、組織や文化を変えることではありません。

これはいくつか理由があると思っています。

1つ目は、我々が扱う案件はインバウンドが多く、自社のブランディングにより、イベントや研修屋さんという理解で、問い合わせをいただく機会が多いこと。

2つ目は、ワークショップによる成功体験を積んでいる人が多くないこと。
理由はさまざまだと思いますが、見よう見まねでやってみて失敗(= 周りから理解が得られず継続できない)ケースはよく聞きます。
ワークショップや対話に対するイメージが良くなかったり、漠然としている人が少なくないことを考えると、これらが組織文化をアップデートする手法になりうると期待できる人や投資をしようと思える人が少ないのは理解できます。

3つ目は、数字の達成だったりもっと手前のミッションで悩んでいる個人やチームが多いこと。優先順位の問題で下がりがち。

以前は、こうした状況であっても、「持続的に取り組んでもらえるように」と上記のようなマインド、視点視座や行動を変えることをしてあげなきゃ!!1回だけだったらもったいない!!と思いがちだった私ですが、2016年からこれまでの間に、ワークショップが変化をもたらす強力な契機となった場面に遭遇してきた経験から最近は、1回でもやらないよりやったほうがいいな、と思っています(思えています)

1回で何が変わっていくのか

組織を運営するのは言うまでもなく、「ヒト」です。
それぞれが、意味や価値を見出し、納得感を持ちながら自発的に組織に参加することは、単なる指示通りの業務とは異なるパフォーマンスに大きな影響を与えます。

実際に、モチベーションは、組織の生産性と相関していることもわかっています。

良いワークショップデザインができると、多様な参加者がアクティブに関与し、自分の考えやアイデアを表現する機会が提供されます。
こういった機会は、自己推進力を目覚めさせる助けとなり、個人とチームの成長を促進させます。

そして、共創ワークショップの価値は体験してみて理解できることが多分にあるものです。
その特性も踏まえると、小さく始めてみて、「すごくよかったからまたやってみたい!」「次はこんなことにチャレンジしたい!」
といってもらえるようなデザインにも力を入れることは、今以上に色々な組織との関わりが生まれる可能性を感じています。

以上のことから、1回のワークショップで、いかに参加者の可能性を開花させ、組織が自発的に変化していくきっかけとなるような、強烈なスイッチを押せるか?という視点でワークショップデザインしていくことにも力を入れていきたいと思っているのでした。

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