タバコが苦手
トラウマを考える第何弾?
タバコが苦手だ。
とくに、”歩きタバコするやつ”は”滅びろ”くらい嫌いだ。
だいたいそういうやつは、ポイ捨てもセット。
せめてそこら辺にポイッとするなら、気のいい人や、よくできた人や、たまたま家の前に捨てられてしまった人などが掃除してくれたりするものだが、そういうやつに限って格子のはまった人の手が届かない溝に捨てていったりする。
それが雨で流れて川を進んで海に到達して、マイクロチップとしてアナタの口に戻るんだよ?
ストローだとか買い物でもらってたプラ袋よりよっぽど環境汚染でしょ。
と、話がずれたが
歩きタバコの残り香を朝の出勤時に食らうと爽やかな空気を汚されてイライラするし、
帰宅時に前を歩くやつがタバコに火をつけ始めるとわざと音を立てて猛然と追い越し、煙がかからないよう先を歩く。
曲がり角なんかのついでに後ろを振り返り「クソが」とつぶやくのも忘れない。
とにかくタバコが大嫌いだ。
父親は大酒飲みの超ヘビースモーカーだった。
父親の趣味の店は、客と父親が吐き出す煙で充満して、白く煙っていた。
大きな灰皿はいつもタバコの吸いがらが山積みだった。
1日3箱くらいは空にしてたと思う。
「ちょっとタバコ買ってこい」
父親に言われていつもタバコを買いに行くのは、わたしの役目だった。
一番近い商店まで片道300mを歩いて、渡されたお金で1箱だったり、カートンだったりを買ってくる。
ハイライト、〇mg、「これを買ってくるんだぞ」と箱をみせてもらっていたが、店にたどり着くまでにどんなのだったかを忘れる。
店の人に「これかな?」「あれかな?」といろいろ差し出されるが全部同じ箱に見える。
間違えて買ってくれば「この馬鹿が」扱いをされ、タバコには違いないそれはまずそうに吸われた。
母親も隠れてこっそりと吸っていた。
母親がいないので探しに行くと店の小部屋にいて、タバコをふかしていることがあった。
気が付かないふりをしてそっと小部屋から離れた。
悪いことをのぞき見した気がしていた。
自分ではタバコを吸ったこともないし、吸おうと思ったこともない。
煙に対して耐性はありそうなので、吸ったらすぐ中毒になる気もしている。
結婚するなら絶対タバコは吸わない人、と決めていた。
結婚してKちゃんを実家に連れて行ったときも、父親は本数が少ないながらも吸っていた。
最後に帰ったときはもう10年以上も前になるが、「禁煙した」というのは聞いて、確かにタバコは吸っていなかった。
あんなにドヘビーなスモーカーだったのに、止められるような何かがあったのかは知らない。
わたしにはタバコと
ルールを守って吸えない人への嫌悪感だけ残された。