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うつ病と休学、そして回復まで

2024年2月下旬にうつ病を発症し、4月から大学を休学していました。この経験が誰かの役に立てば嬉しいと思い、noteに記すことにしました。

はじめに

うつは「脳内の神経伝達物質の減少によって発症する病」です。
このことは自分自身が発症するまで知らなかったのですが、メンタルの強さは一切関係ありません。また、これまで自分は「気分の落ち込み」だけがうつの症状だと思っていましたが、全くそんなことはありませんでした。

詳しくは後述しますが、様々な症状が出ます。
そしてその症状の出方にも個人差があります。

主な症状

自分の場合、気持ちの落ち込みというより身体症状が大きく表れました。

睡眠障害(途中で目が覚める・何か夢を見る)
食欲がない
性欲減退
疲れやすい
知的障害・発達障害レベルまで認知が低下する(思考・記憶・言葉が出ない)→ASDではないかと自分を疑った。
吐き気
倦怠感・身体がだるい
無気力・何もしなくても暇だと思わない
好きな音楽を聴きたくない
朝の症状が酷い

まるで廃人にでもなったような感覚でした。
日によって、そして1日の中でも症状に波がありました。

うつのきっかけ

12月
年末に頭が爆発したような感覚がありました。
その後は気分がなんとなく暗かったのですが、ただの体の不調だと思っていました。

2月
・睡眠途中で目が覚める(中途覚醒)
・人とのコミュニケーションが疲れる
・家庭教師アルバイトの応募の時に解かされたテストの英文を読むのに時間がかかる(=情報処理能力の低下)

など、なんとなく脳が疲れている感じがありました。
また好きな音楽を聴かなくなった(=好きなことへの関心の低下)のもこの時期からです。
ここまでは抑うつ状態だったと思われます。
ですがオーストラリア渡航後、一気にストレスがかかりうつ病となりました。(以下の図のようなイメージ)

海外の環境は国内より当然ストレスがかかる。

休学の決断

「4月から普通に新学期行ける」と思っていたのですが、無理でした。
通院・服薬も継続しなければならず、休学する決断に至りました。

休学中

もちろん療養するために休学したのですが、ある程度回復した段階で、休学しているからこそできることに取り組みはじめました。
大学生として、真のモラトリアムを謳歌しようと思いました。

認知行動療法

これは治療の一環として、カウンセリングを受けて自分の思考の癖を見直しました。
カウンセラーの先生から中小企業診断士の存在を教えていただいたことは一つの転機になりました。

マインドマップでやりたいことを可視化した(プライバシー保護のため一部加工)

ボランティアに参加

脳のリハビリも兼ねて、オルタナティブスクールのボランティアに参加しました。

彼らと遊ぶことはもはや「筋トレ」であった。

またこの活動に関連して、不登校の子どもたちを支援するための署名活動にも参加させていただきました。

読書

時間だけはあるので、以前から時間がないことを言い訳に読んでいなかった本を読みました。友人におすすめの本を聞いたりもしました。
人生の閉塞感を打破したいという思いもありました。
結果的に、積読を30冊以上消化できてよかったです。

『休養学』は印象に残りました。自分の状況と照らし合わせながら実感を伴った読書ができました。

『エッセンシャル思考』は今後同じような状態に陥らないためにどのような思考をすれば良いのか、非常に参考になりました。

生き急がず、自分のペースで必要なことだけにエネルギーを注ぐ。今後実践していきます。

筋トレ

自分に自信を持てなくなったので、症状が回復したら筋トレしようと思うようになりました。筋トレすればストレス耐性が上がるということを目にしたのもきっかけの一つです。

筋トレのみならず、「垢抜けたい」との思いからファッションにも興味を持つようになりました。
今回のことを契機として、内面も外見も変わる!と一人で勝手に意気込んでいました。

そのほかにもオンライン家庭教師のアルバイトをしたり、美術館に行ってアートを鑑賞したりするなど、充実した時間を過ごせていたと思います。

奇跡

治療に際して、いくつも奇跡が重なったと感じます。

・春休み期間に発症したことで、学業に直接的な支障が出なかったこと
・海外に行ってストレスが「一気に」かかったことによって、発症初期での対処が可能だったこと
・地元に帰る決断に至ったこと
・家族がサポートしてくれたこと
・母の知り合い経由で腕のいい医師の方に見てもらえたこと
・カウンセリングの費用が一般的なものより安かったこと

最後に

人間科学部で「人間について」学ぶ学生として、人間が壊れるとどうなるか身をもって経験したことは非常に大きな意義があったと感じました。
そして、自分の人生においても間違いなくターニングポイントになりました。この経験を今後の人生にしっかり反映させていきたいと思います。
そして再発しないように気をつけていきます。

また自分の知人にも複数人「実はうつ・メンタル不調を経験したことがある」という人がいて驚きました。

有名人ではサカナクションの山口一郎さんや大坂なおみ選手、そしてあのジャスティン・ビーバーもうつ病になったことがあるそうです。

誰でもなりうる病気なのだと改めて感じました。


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Daiki Shiraishi
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