マガジンのカバー画像

父の小父さん作家・尾崎一雄と父のこと

28
私の父と作家の尾崎一雄さんとの、得難い縁を戦前戦後の風景とともに綴ります。
運営しているクリエイター

#尾崎一雄

父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと 28

尾崎さんの『大吉の籤』という作品に、父が独立して仕事を始めた頃のことが書かれています。大…

atsuko
4年前
18

父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと 26

現代に生きる私たちにとって、お金はなくてはならないものです。このお金は、時に人を助け、時…

atsuko
5年前
15

父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと23

カエル、といえば、タフンバリ。おはぎは、ハンゴロシ。あんころ餅は、ミナゴロシ。子どもの頃…

atsuko
5年前
20

父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと22

子どもの頃から、我が家には何かしら動物がいましたが、その多くは訳あって我が家にやってきた…

atsuko
5年前
23

父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと21

ハイパーインフレという言葉。最近だと、南米のベネズエラが思い起こされます。今年一月に記録…

atsuko
5年前
14

父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと20

父にとって姉のような存在だった従姉の世都子さん。彼女のことは何度か書きましたが、世都子さ…

atsuko
5年前
17

父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと19

新しく始まったNHK連続テレビ小説「なつぞら」は、父の琴線に触れるようで、珍しく見続けているといいます。主人公のなつが戦災孤児で牧場に引き取られたという境遇が、父とよく似ているのです。「牛のお乳の絞り方、とてもうまいよ。あれは難しいんだ。牛との相性もあるしね」と感心しています。「僕は手が小さかったし、両手で絞れなかったなあ」。今では懐かしい思い出ですが、当時は生活環境の激変に、戸惑いの連続でした。 父が驚いたことのひとつはトイレでした。「外にもあってね、そこに入れないんだよ

父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと18

父がぼそりと呟きました。「三月がやっと終わるな」。父にとって三月は辛い月です。家族を失っ…

atsuko
5年前
13

父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと17

私の父の両親は伊豆出身で、私の母の両親も伊豆出身です。なので、東京の東の端っこ育ちの私で…

atsuko
6年前
16

父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと16

父のことを書き始めて約半年、この間、私の手元には、尾崎さんの全集や単行本だけでなく、尾崎…

atsuko
6年前
15

父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと15

ここしばらく、父を襲った東京大空襲の不幸について書いてきました。父は「僕のことばかりじゃ…

atsuko
6年前
16

父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと14

父が家族の骨を持ち続けた話は、ずいぶん昔に聞いた記憶があります。でも、その骨、最終的には…

atsuko
6年前
15

父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと13

父は、辛いことがあると、頭がぼーっとして、頭痛が続くといいます。尾崎さんが亡くなった時、…

atsuko
6年前
18

父の小父さん 作家・尾崎一雄と父のこと12

人の運命というものは、あみだくじみたいなものでしょうか。この世に生まれるところから始まり、折々の岐路で選択しているような気でいますが、あらかじめ決まった道を我知らず進んでいるのかもしれません。東京大空襲の日、学童疎開していた父一人が生き延びたことを思う時、そんな思いにとらわれます。父が生き延びなかったら、母との結婚はもちろんなく、私も存在していませんでした。家族皆が助かったとしても、やはり、同じことが言えそうです(それはまた後の回で)。この世に、もしもの世界は、あるのか、ない