#宿命の泡沫紋章 外伝Ⅲ【第2部】
またパソコンが不機嫌になっていたので時間がかかってしまいましたが、ようやく挿絵が出来上がりましたのでupします。
ただし今回のお話は若干の流血シーンがあるので、そういったものが苦手な方はご注意くださいませ m(_ _)m
ハリスさんが苦手とするトカゲ=ドラゴンについてですが、そもそも西洋ではドラゴンという存在は「悪の象徴」として捉えられる事が多いです(この辺りの事は、正編第Ⅲ章第27節にも書いております)。
これはケルト神話のお話になりますが、アーサー王伝説でアーサー王が倒したとされるドラゴンは、ケルト世界における外からの脅威(つまり侵略者)などの象徴とされています。
(ケルト神話のアーサー王伝説には様々に枝分かれして語られてきた伝承が各地にたくさんあるのであくまでも一つの説に過ぎないのですが、興味がある方は調べてみてくださいね。)
今回のお話はそのアーサー王伝説をイメージしつつ、フィアナ村のお話として色々試行錯誤したものでもありました。
(ケルト神話とアイルランド伝承は異なるものという事は再三書いてきましたが、もちろん全く無関係なワケではないので少し取り入れてみました。)
前回も少し書きましたが、フランシスさんが何気なく言っている「魂の引っ掛かり」という概念については、また後で外伝のお話の中に詳しく出てきます。
簡単に説明すると「何かしらの未練を持ったまま亡くなった人の魂の欠片が、身近だった人の魂にある種の影響を及ぼす」みたいな現象の事です。
(この物語の光翼ダーナ族にとって、共通の認識として扱われてる概念といった設定です)。
なのでハリスさん本人も知らないトカゲ嫌いの本当の理由は、アーサーさんが(悪の象徴としての)ドラゴンの姿を取った霊に猛攻撃を受けた為に命を落とし、その未練を残したアーサーさんの魂の欠片がハリスさんの魂に引っ掛かって心に影響を及ぼしたからという事ですね。
(ハリスさんが遺跡の出口からさっさと去りたいと言っているのも、そこが例の事件の現場になった場所だからですね。
ついでに余談ですが、アイルランドに蛇がいないという話は正編の方で書きましたが、トカゲも多くの種類はいないようです。
コモチカナヘビという、トカゲ類の中でも最も北部の地域に生息している(出来ている)種類のトカゲはいるのですが、その他の種類については記述がなかったので、アイルランドにはコモチカナヘビ1種だけが存在しているようですね。)
風属性の人の透見能力(魂の光を見たりするやつ)は、ブリギッドの気質を持つ人しか使えないわけではありません。
ただ今回のお話のエーメルさんのように、ブリギッドの気質を持つ者がメレイルさんにスイッチを入れてもらう(メレイルさんが直接力を与えているワケではなく、あくまでもスイッチを入れてもらっているだけ)事により、今まで受けてきた試練の力の全てを完全に我が身のものとして使えるようになった、みたいな意味です。
(ブリギッドの気質を持たない風属性の人でも、集中して力を使えばある程度は他者の魂の力を感じる事が出来ます。
気風の継承者はまた別のくくりですが、レモンバームなどはあまり意識せずにその辺りを容易にやってのけてしまうので結構恐ろしいのです σ(^_^;
そういえばハリスさんが火種(媒体)も無しに光翼を出していますが、実はこれはかなりの危険行為です。
というのも自らの生体熱(生きる上での身体的なエネルギー)を媒体として消費する行為なので、使いすぎると下手すれば死に至ります;
(ただしアリストやゼラフィーのような属性継承者にとっては、この辺りの事は全く関係してきません。
属性継承者達はその辺りの事は一切気にせずに、自らの属性に応じた力を何もないところから自由自在に発揮する事が出来ます。)
逆を言うとこの「自らを消費する」力は、相当な危険を身に感じた時しか使う事が出来ないのです(つまりは防衛本能)。
ところでシュレアルとライエルが意味深な会話をしている箇所がありますが、その内容に関しましては続編外伝の一番最後のお話にて語らせていただく事になりそうです。
そのお話で言及するつもりではありますが、ある意味上記の生体熱や生体電気に関連するものでもあるかも・・・。
インヴォルグ(ブリギッドの日、元は羊の妊娠という意味)祭や灯芯草(いわゆるイグサ)については、また別の外伝に詳しく書きますが、これらはアイルランドに実在する年間行事に関係したものです。
(最後の方で、フィアナ村の学校でエーメルさんとハリスさんが話をしているのは、一応本編第Ⅹ章第99節の直後くらいと考えています。)
そういえば最後にひっそりとご報告ですが、本日でnoteでの活動が2周年だったようです。
いつも見てくださっている皆様のおかけで、なんとかここまで続いております。
改めて、感謝申し上げます (・∀・)
本日も、ご愛読いただき誠にありがとうございました (^_^)ゞ