#宿命の泡沫紋章 第Ⅳ章第39節
さて、今節のお話は前節の続きとなります。
生まれ故郷の自然が作り出す優しい風景の中で、この先も生きて歩いていく事への誓いと祈りを改めているようです。
今回のような恋愛譚に関しまして、普段はあまりこういったものは書かないのですが、まぁ恋愛は生きているものの本能でもありますし、書いてて純粋に楽しかったです(笑)
ところで鍵と呼ばれている各家の紋章の力ですが、これは各キャラクターの想い人が持っていたというわけではなく、あくまでも各継承者の魂に眠っていたものが想い人達を介して引き出された、という事ですね。
ところで前回の旅の最後や今回の旅においても、アリストがライサンダーに対して「また会いたい」「また会える」「また会おう」と何度も言っています。
これはただの希望や空想の話ではなく、以前も解説文に書いたのですが、アイルランド伝承における死後の世界や異界が現世と同じ空間の延長線上にあるというところからきています。
地下世界や遙か海の向こうにあるというのがアイルランド伝承の代表的な異界であるティルナノーグやマグメル(ケルト神話ではアヴァロン)ですが、その他にも場合によっては歩いていけたり知らぬ間に迷い込んでいたりするような異界もあるとの事。
故にこの物語のエリン島の人々は、もちろん人の死を悲しいものとしてとらえはするけれど、それが完全な隔絶とは考えません。
また伝承内には輪廻転生の考えもあるので、姿は変われども魂同士でまた再会する事が出来るといったイメージですね。
(あくまでも、この物語内においての設定です。)
今回も、ご愛読いただき誠にありがとうございます m(_ _)m
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中高生の頃より現在のような夢を元にした物語(文と絵)を書き続け、仕事をしながら合間に活動をしております。
私の夢物語を読んでくださった貴方にとって、何かの良いキッカケになれましたら幸いです。