#宿命の守護烙印 第Ⅹ章第91節
村に帰って一息、徐々にですが再び物語が進みます。
今までも物語中にちょこちょこ出てきていた五百年前の戦いがなんとやらという話が、今回ようやく詳細に語られ始めます。
ミッフルさんはアリストが旅に出るのを心配するのと同時に、もしかしたらライサンダーの消息が分かる手掛かりが見つかるかもしれないと思いつつ、真実を知ることに不安も覚えていたのでしょう。
アリストにアップルパイを食べさせるシーンは、アリストとライサンダーがリンゴ好きでよくミッフルがアップルパイを作っていただろうというところから考えています。
(実は、著者にとってバイブル的漫画である『鋼の錬金術師』にこういった場面があるのをリスペクトしている部分でもあります。)
そしてアリストとライサンダーがリンゴ好きなのは、アイルランド伝承=ケルト神話だと思っていた頃の名残で、ブリテン島にあるとされているアヴァロンという常若の国にリンゴがたくさんあると聞いたところから取ったものでした。
現在の通説ではアイルランド伝承≠ケルト神話のようですが、アイルランドとケルトが全く無関係というわけでもないので、この設定は残しておくことにしました。
以前もご紹介させていただきました通り、フィアナ村の光翼ダーナ族の歴史聖書である『ディーナシーの書』は、実在の『ケルズの書』をモデルにしています。
『ケルズの書』にはキリスト教的動植物象徴が多く用いられていますが、中には何の生物か分からないような不思議な存在もいます。
その事から、この物語における敵対勢力であるキマエラを使用することを考えました。
(ただし、前述の『鋼の錬金術師』からの影響もかなり大きいです。)
五百年前の継承者達の姿は、アリスト達の守護獣が人間の姿になった時に借りていると言っていた姿そのままです(性格や話し方などは若干変わる)。
つまり、下記の通りになりますね。
・フェニックス=シリウス
・ドラゴン=スピカ
・ユニコーン=ベテルギウス
・グリフィン=アルフェラッツ
・麒麟=セファイド
五百年前の継承者は全員、星関係の名前からとっています。
(次節の表紙絵に全員描くつもりですが、この期に及んで麒麟=セファイドのビジュアルを一度も描いていなかった事に気付きました;)
シリウス達が最後に辿り着いた場所は、以前も紹介させていただきましたノルウェー領のブーベ島をモデルにした島。
年中雪の降り積もる(というか、島自体がほぼ氷河で出来ている)火山島で、人が住めるような環境ではない無人島です。
五百年前の物語は、次節へと続きます m(_ _)m
今回も、ご愛読いただき誠にありがとうございます (^o^)