宿命の守護烙印 外伝Ⅴ
今回の外伝は、本編第Ⅴ章に出てくるとあるキャラクター達の過去と現在の物語です(やはり長文)。
こちらは「必ず読まなくとも本編に直接の影響はない」ものである事、「流行の病」(昔書いたものなので、567は一切関係ありません)についてのお話がある事、若干キツめのストーリー(主に過去の村のお話の辺り)である事などにより、念の為の注意喚起で有料100円設定にしてます(全て無料で読めます)。
そして今回のお話も現在と過去が混在していますので、多少読みづらさがあるかと思います。
アリスト達がアルフヘイム国のフェアリー村に寄った際、ある問題の原因となっていた未知の建物の正体がようやく判明します。
そしてこのお話での主人公、すなわちサモトラキ国の魔技ウィクトリア族であるメロとミランダが、アリスト達に出会った時どんな心境でいたのか、何故あれほど酷い事を言ってきたのか、メロがあんな暴君のようになってしまったのはどうしてなのか、といった事が今回のお話で語られます。
アリスト達がニケ村に現れたことにより今までの彼らの行ないが明らかになり、ニケ村から外の世界に旅立ってから少し後の物語という事になりますね。
マスキン(maskin、ちゃんとした発音は不明)というのは、ノルウェー語で「機械」という意味。
つまり実は機械人形であるマスキンは、初めから「私は機械です」と自己紹介していた事になりますね。
ここで出てくる金属片騒動というのは例のサタンが黒幕であった五百年前の事件の事で、このお話は続編の方へと繋がっていく事にもなります。
(しかしマスキンのしようとしていた事は、どことなくマト○ックスの世界観を思い出させますね。
あと以前にも書きましたが、この物語の世界では携帯電話はただ通話が出来るだけのものです。)
光翼ダーナ族と魔技ウィクトリア族との大きな違いの一つとして、前者は一人一人が一つの属性の力しか使えないのに対して後者は本文中の五つの属性全てを(その気になれば)一人一人が使えるという事が挙げられます。
(ただし一人一人が一番強く持つ属性は異なり、その上族長の取り決めにより一般の人々にはその辺りの事すら全て秘密。
言ってしまえば今回のお話にあったように、自然災害などが増えてニケ村内で人々の対立が起きた際、皆が魔力を使いまくって収拾がつかなくなりそうになった為、族長が村の人々に出来る限り魔力を使用しないように呼びかけ、側近達を使って村人を監視させるようにしたのが上記のような「秘密」の発端のようです。)
しかし族長が村の人々の事を理解しやすいように(もしくは管理しやすいように)、種族の人間が成人した時にその人が何の属性を一番強く持っているかすぐに分かるように、外伝Ⅳでリラが親の形見として持っていたような目を模した形のペンダントを渡すようになっています。
(例えばリラの母親は雷の力を一番強く持っていたからペンダントの中央のステンドグラス部が黄色で、リラもそれを受け継いでいるという設定。
だからゼラフィーも、自分の力をそのペンダントに乗せやすかったのかもしれません。)
人の属性を見る事の出来る人が族長の側近の中にいて、その気になれば族長自身にもそれは見えるらしいけど、結構魔力を使うらしいので基本はその側近に任せているとの事。
メロが一番強く持っている魔力は風ですが、飛行能力はない為に本編第Ⅴ章第50節ではレモンバームに結構ひどい目に遭わされていましたね σ(^_^;
それ以外にも、本編では今回のお話のようには自らの力を完全に発揮出来なかったのは、やはり心のどこかで「自分がやっていることは必ずしも正しくないのではないか」と思っていたからでしょう。
一方のミロが一番強く持つ力は水で、それもあって伝説の水の乙女に憧れを抱いていたようです。
そしてミランダが一番強く持つ力が火でしたが、この物語で語られたような理由もありメロもミロもその事を知っているので、ミランダは例の目の形をしたペンダントを受け取ることを辞退しています。
族長家の人間は、そもそも目のペンダントを持つ理由がないので身に付けてはいません。)
最後に余談ですが、今回のお話に出てくる雪山ヒオーニ(ギリシア語で雪の意)はギリシアのサモトラキ島に実際にあるエーゲ海の最高峰(1611m)サオス山(フェンガリ山)をモデルにしています。
実際に雪が降るのかどうかは分かりませんでしたが、高い山なので雪が降るかもしれないと考えていたら雪山設定になってました。
そしてヒオーニ山にいる獣というのは、かつてギリシア北部周辺地域に存在したと言われているヨーロッパライオンをイメージしています(サモトラキ島にいたのかどうかは分かりませんが)。
今回も、ご愛読くださり誠にありがとうございました。
外伝は次回のもので一旦終了となり、今度は #宿命の守護烙印 の続編の連載を始めようかと思っています。
読者の皆様、今しばらくお付き合いくださいませ m(_ _)m
本日もご愛読いただき、感謝致します!
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中高生の頃より現在のような夢を元にした物語(文と絵)を書き続け、仕事をしながら合間に活動をしております。 私の夢物語を読んでくださった貴方にとって、何かの良いキッカケになれましたら幸いです。