#宿命の守護烙印 第Ⅹ章第99節
また一日空いてしまいましたが、この物語も終盤の第99節目までやってきました。
次回で物語は完結となり、ひとまず終わりとさせていただく事になるかと思います。
鍋の中にあったオートミールのお粥はアイルランド発祥とも言われていて、アイルランドの人が朝食によく食べるものらしいです。
お粥はアイルランド伝承の神話時代の神であるダグザの好物でもあり、著者が初めてアイルランド伝承の物語を読んだ際はオートミールという記載がなく粥という表現だけだった為に「アイルランドの人も米を食べるのだろうか」と思ってしまいました(全く食べないことはないかもしれませんが)。
このオートミールのお粥は、ポリッジという名前で呼ばれているようですね。
(余談ですが、戦闘中にぼろぼろになった服などはメリッサやアリストが縫って修繕しています。
そもそもアリストの服は、特に今回の戦いにおいては熔けて無くなってさえいそうなものですが;)
例の要塞の孤島が氷原だった時はノルウェー領であるブーベ島をモデルにしていましたが、ルシフェルが去った後の島はアイスランドのグリムセイ島という北極圏付近の島をモデルにしています。
元々地理的にはグリムセイ島をモデルにしている為、十二月のこの時期は極夜という白夜の反対の現象が起きています。
(ただしアイスランドは完全な白夜になることはなく、更に船で南下中の折、挿絵ではしっかり太陽が出てきています。)
あと最後の空に浮かぶ星は明けの明星(つまり金星)を表してはいますが、この時期のこの時間にアイスランド付近で明けの明星が見えるかどうか分からなかったので、ただ美しい星とだけ書いています。
(なので前節の最後の挿絵の光は、太陽と夜明けの空というよりはルシフェルが見た創造主的な存在を現しています。
更にそれが、今回の節表紙に続くようなイメージで。)
最後に・・・この物語に出てくる悪魔や天使、そしていわゆる「創造主」という存在は、確かにキリスト教的なイメージをモデルにしてはいますが、著者としてはより広義的な意味の大きな存在を想定しています。
それは様々な神話の神々を統合したような存在であり、自然そのものを具現化したような存在でもあります(宇宙的なものとかも)。
中でも特にサタン=ルシフェルは、悪魔の総大将であるサタンの前提として、神様大好き天使ルシフェルという存在がいます。
なので上記したように、この物語では慈悲心の欠片もないような悪の権化である悪魔という概念だけでなく、悪魔でも天使でも神でも完全な善悪など存在しないといったようなスタンスでキャラクター達を描かせていただいております。
誰から見て悪なのか?誰から見て善なのか?
絶対は存在しないし誰にも解明出来ない、そもそも解明するものでもないだろう・・・
それこそまさに悪魔の証明(○○が存在しないことを証明しなさい、等のほぼ解答が不可能な問題の類)なのかもしれない、という事を(著者は)書きたかったようです(本人にもよく分かっていないのかも知れませんが(笑)。
いつもご愛読くださり、誠にありがとうございます m(_ _)m
次回でこの物語は最終回となりますが、もうしばらくお付き合いくださいませ (^_^)ゞ