#宿命の泡沫紋章 外伝Ⅸ
外伝はこのお話を含めて、残すところ2回となりました。
今回はお話の雰囲気的に、表紙絵と挿絵を一枚ずつしか描いておりません。
正編第Ⅹ章第98節にてサタンの放った闇に飲み込まれてしまったクラウドとユーリーが久しぶりに登場し、闇の世界を抜けて光の世界に来る事が出来たところをようやく描く事が出来ました。
クラウドのしてしまった事は容易に許される事ではありませんが、彼を裁くのは彼自身の魂という事になります。
そしてこのお話の舞台となる「審判の間」ですが、ここに至るまでの道はいわゆる「狭間の世界」であり「此岸と彼岸の境」であり、アイルランド伝承の中で言うと「異界」や「冥界(以前紹介したティルナノーグなど)」のイメージです。
続編外伝Ⅱの最後にグレンさんが辿り着いて即座に生まれ変わりを行なったシーン、外伝Ⅵでアスベルさんが天界の有翼族を探し求めて辿り着いた場所、外伝Ⅶでサンさんがライサンダーさんと会った光の空間も、全て今回のお話に繋がっています。
(つまりアスベルさんが最期に見た有翼の民は先に亡くなった光翼ダーナ族の人か、もしくは天使かもしれないですね。
このお話の中で出てくる「輪廻」「転生」「流転」というものにつきましては、あくまでもこの物語の中での設定となります(その内容について証明のしようもないですし;)。)
お話の最後でアリストが持っていた籠は、正編第Ⅲ章第32節でオオツノシカのケルンの為にリンゴを持って行っていた籠と同じものです。
森で本を読む際に、何か動物に会うような事があればリンゴをあげようと思ってこの時も持って行っていたようですね。
(フィアナ村の人達は、森でゆっくり本を読むのが好きみたいです。)
アリストが連れて帰った小鳥は、赤の色彩が特徴的なヨーロッパコマドリのつもりです(俗にロビンと呼ばれる鳥ですね)。
先に書いたような輪廻や転生や流転の事を考えると、彼らはかつて自分が生まれ育った地を愛していたりその地の事しか念頭になかったりすると思うので、人間の姿ではなくとも、フィアナ村を囲む森の中に獣の姿として存在する事を願ったとしても何の不思議もないと思います。
そういった意味でも正編第Ⅲ章第34節の最後の方に書いたとある逸話は、外部からの悪意を持った侵入者などからフィアナ村や光翼ダーナ族が守られているという事を暗示しています。
さて、ここまで外伝を長々と書いてきてしまいましたが、一応外伝Ⅰから外伝Ⅸまで(各物語の開始時点で)過去から現在に流れていくように時系列順にお話を書いてきたつもりです。
(今回の外伝Ⅸは、厳密にはいつのお話とは明言出来ませんが。)
ですが次回で最後の外伝Ⅹに関しましては、最も過去の時代に戻って語られるお話になるかと思います。
外伝Ⅹが終わりましたら、遂にこの長々と投稿し続けてきた「宿命物語」も終わりの第∞章第100節を迎える事となります。
長らくお付き合いいただきまして、ここまでずっと読み続けてくださっている皆様には感謝の念が絶えません。
あともう少しかかりますが、どうか最後までお付き合いくださいますよう宜しくお願い申し上げます m(_ _)m
本日も、ご愛読いただき誠にありがとうございます \(^o^)/
中高生の頃より現在のような夢を元にした物語(文と絵)を書き続け、仕事をしながら合間に活動をしております。 私の夢物語を読んでくださった貴方にとって、何かの良いキッカケになれましたら幸いです。