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『恋ができない40代が運命の人をみつける17の方法 LOVE RULES』を読んで

こんにちは、青柳彩子です。

主婦の友社が運営している40代の働く女性向けWEBメディア「OTONA SALONE(オトナサローネ)」でライターをさせて頂いています。

そのオトナサローネの編集長、浅見悦子さん(アサミさん)がご自身の婚活を綴った大人気連載「40代編集長の婚活記」が書籍化。『恋ができない40代が運命の人をみつける17の方法 LOVE RULES』として出版されました。

私も毎週楽しみにしている連載。アサミさんの婚活の行方は一体どうなるのか…。

自分らしく、恋をする

WEB連載を読んでいて好きだったエピソードが、「婚活ファッション」の話。アサミさんは婚活の先生にファッションのチェックを受けるのだけど、お気に入りのモードで個性的な洋服を選んでしまい、猛烈にダメだしされてしまいます。うん、私でもダメだと分かる。でも、お気に入りの服を着たいアサミさんの気持ちもよく分かる。

清楚でどこか野暮ったい、入社したての女子アナみたいな格好が、きっとウケる。そんな雰囲気を残しつつ、年相応にしたらいい。だけど、それで釣れる男の人と合うのかしら、と思ってしまう。だって、こちとら、そんな初々しくって可愛らしい成分、ない。ガッカリされるって。女子アナさんだって、普段はあんな格好してないって。とか、思ってしまう。

本書の冒頭で、婚活パーティーに参加したアサミさん。同じテーブルに着いた王道婚活ファッションだけど若干地味なOLちゃんが、実は「登山好き」という話をしたとたんに男性陣の興味をかっさらってしまいます。おとなしそうな見た目のOLちゃんが、実はアウトドア系というギャップ。裏表のない自分の性格はモテないのか、と撃沈するのです。

外見も中身も、「ありたい自分」「らしい自分」のままだと婚活がうまくいかない。やっぱりステレオタイプのモテ女にならないといけないのか?そしてなにより、恋愛気分が生まれてこない。そんなところから、本書は始まるのです。

何を着ていくかウキウキしたら、それって恋だ

「あ、それメッチャわかる」と思ったのが、初めての食事でのアサミさんのファッション。二人きりでの食事のお誘いをいただいたけど、それはデートなのか、それともビジネスなのか、量りかねたアサミさんは結局、民族衣装風のトップスにワイドパンツを選びます。メイクは少しきつめにして、バリバリのビジネスモード。女らしさゼロで警戒心たっぷり。「別に、そういうんじゃないから」って聞こえてきそう。

私も、似たようなことをした経験がある。濃いベージュのタックパンツに、薄いベージュのゆるめのニット、そしてスネーク柄のフラットパンプス。なんとも色気のない格好。「とっておき」じゃなくて、特に気分の上がらない、いわゆる「毎日コーデ」。だって、別にそういうんじゃないから。本当は心のどこかで感じているドキドキやウキウキを隠すように、そんな服を選んだ気がする。

アサミさんは、「ビジネスディナーなのに女っぽくして『勘違いしてる』って思われないように」と書かれていたけど、我が身を振り返ってみると、もしかしたらそれ以外にもあるのでは、なんて思ったりします。警戒心は、相手へのものではなく、自分に対して、という部分もあるのでは。浮かれて期待してルンルンで出掛けても、会ってみたら、たいしてときめかないかもしれない。あぁ、あのルンルンはどこへ…。そんなふうに落ち込んでしまう自分を警戒して、予防線を張ってしまうのではないでしょうか。

私の場合、最初の食事は全身ベージュで普段着ズボンだったくせに、二度目からはスカートをひらひらさせ、警戒心ゼロで出掛けていたのだから現金なものです。と思ったら、アサミさんも二度目のデートではしっかりスカートでした。「『女性らしい』って思ってもらえるかな」そんな期待を込めて、アサミさんは二度目のデートのファッションを考えるのです。この「何着ていこう」と考える時間って、悩ましいけど、なんだかとても楽しいんですよね。あら、これって恋なんだワ、と気づいてしまう。

自分らしく、自由に、自立して生きるヒント

最近、コロナであまり外出もできず、気合を入れてオシャレする機会もない反動もあって、ついついファッションにばかり思いを馳せてしまいましたが、本書に描かれているのは、もちろんファッションのことばかりではありません。ご紹介したエピソードはほんの一部。このほかにも、「あ~分かるわ~」となることがテンコ盛り。

しかし、共感できる恋愛アルアルが面白い本、というだけでないのです。アサミさんがご自身の婚活や恋愛の経験をとおして、自分を見つめ直して気づいたことを「ルール」に昇華させています。本書のタイトルは『恋ができない40代が運命の人をみつける17の方法 LOVE RULES』です。長らく「恋ができない」と思っていたけど、思わぬところで恋は始まる。けれど、「恋は運命。待っていれば運命は突然やってくる」とかいうドリーミーなお話ではありません。また、「婚活ルール17選」のようなものでもない。自分らしく幸せに生きるためのヒントが書かれているのです。

自分らしい幸せをみつけるための17のルール。それは、恋愛に限らず、既成概念や思い込みに囚われず、女性がもっと自分らしく自由に生きるためのルールでもあるように思います。そう言うと、ものすごく壮大なテーマで困難なチャレンジのように感じるけれど、そのためのルール(方法)を読むと、なるほど自分もやってみようと思えることばかり。

そういえば、本書のもととなった「40代編集長の婚活記」を連載しているWEBメディアを開くと、「OTONA SALONE(オトナサローネ)」のロゴの上に「自分らしく、自由に、自立して生きる女性へ」と書かれている。でも実際には、そうありたいけど、なにかと難しくてうまくいかない、と思っている女性が多いはず。もしかしたら、「自分らしく、自由に、自立して生きる女性へ」というのは、そういう女性へ向けて、という意味だけではなく、そういう女性へと一緒に成長していきましょうね、ということなのかもしれない。そんな思いで、編集長の浅見悦子さんはこのメディアを立ち上げたのかもしれない。本書を読んで、そんなことも思いました。私も、このようなメディアに少しでも携わらせて頂けていることを幸せに思います。




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