春のつくし侮るなかれ*世界は助け合うように出来ている
昨年は、さまざまな事情により、土と親しむことはなかった。
私のアイドル、カーメン君の動画も一度も!あえて見なかった。
彼がワンオペでYouTubeをやっていた頃からファン。
推しといえば、一昨年までは迷わずカーメン君だが、豊橋は遠い。
ひたすら動画で教えを乞うしかなかったが、
チャペックさんの本の次に、私の園芸活動の先生となった。
お陰様で主に東海地方の景色には親しみがある。
引用したいところだが、記事に載せてしまうとスイッチが入って、
毎晩欠かさず、延々と見ることになると思う。
まだそこまでの時間の余裕と、気持ちの余裕と、
季節の余裕がないので、あえて引用しない。
彼はとてもいい声してるんですよ。
しかも話に迷いがないので、倍速で聞かなくても良いところも楽です。
何がはまったかというと、「分かりやすく具体的」のひとこと。
衝撃的だったのは、雑草に対しての心の落ち着け方。
「雑草は無くならないから諦めてください。
でも緑で美しい。種さえつけなければいいんです」
眼からうろこ。
それから訳の分からなかった薔薇の剪定。
「つる薔薇は俺がリーダーや、と思って花を咲かせる。
横に寝かせたりして枝の一番上になるリーダーをたくさん作ればOK」
苗を見て「この子はね~」と語り始めるところも、共感してしまう。
園芸好きのワクワクが止められない、春。
春になってつくしが芽を出し始める。
つくしの胞子はスギナになる。
健康にいいスギナ茶などと、光が当たり始めたが、
畑のやっかいな邪魔者としても知られている。
しかし私は体感してしまいました。
誰かにこの驚きをぜひ伝えたい。
スギナは酸性土壌の痩せた土地に生える。
生えて来たら「ここの土あかんやないの」と教えてくれる。
それなのにその地上部は、日本の国土に不足しているカルシウムや、
マグネシウムが豊富に含まれている。
葉を漉き込めば良い土壌になる。
「スギナというのは、痩せた土地を耕してくれるありがたい植物。
広島や長崎の焼け野原に最初に芽吹いたのもスギナ」という、話を聞いた。
カーメン君ではなかった気がするけども。
スギナの地下茎はどんどんのびて、左右上下と縦横無尽に張り巡らす。
かといって、取れにくい頑丈な根でもなく、
するすると面白いように土から剥がされて、出てくる。
予定がなかったのに
「玉ねぎの苗がいっぱいあるから」と言われ、いただくことにした。
植える場所は、年を越してやぶれたまま風にはためく、
ビニールのマルチングシートを、先日ようやく外した場所のそば。
スギナがびっしり生えていた。
スギナにはスギナのそういうこだわりの理由がある。
この痩せた土地を豊かな状態の自然に戻すための役割。
太めのざっくりしたヘチマたわしのようになって、
土の中から抜けてくる。
スギナの根が抜けたあとの土はふかふかだ。
( そうか、こういうこと? )
その上に、一年微生物が頑張ってくれた雑草堆肥になった土を足す。
(スギナが生えてきても、地上部だけ刈れば、それは肥料になり、
張り巡らした根は、畑じゃなければ、他の雑草除けになる!)
実際に実感するのと、本で読むのとはやっぱり理解がちがう。
肥沃の土になるからと、
せっせとクローバーを植えることにこだわったこともある。
だけど、ある日通りがかったおばあちゃんに言われた。
「刈ったあとに土に漉き込まないとだめだよ」
そう、私は植えてさえ置けばいいものだと思っていたのだ。
その時はストロベリーキャンドルと呼ばれる、
クリムゾン・クローバーだったけれど、
緑肥というのはそういう利用だと知らなかった。
世界は本当に、うまく助け合うように出来ている。
花の種じゃなくて、苗を買ってもいいですか?あなたのサポートで世界を美しくすることに頑張ります♡どうぞお楽しみに♡