占い師は再びマーケティングを勉強する~網羅思考の最終点は辞退になるわけ~
前回の記事はこちら。
流行り廃り、つまり衰退期の見極めを突き詰めると【顧客の質の見極め】ではないだろうかという記事を書きました。
そしてつい最近読んだ本はこちら。
なぜか2巻から読むという私です。
図書館でたまたま手に取ったのが永井孝尚氏の著書「100円のコーラを1000円で売る方法2」でした。
マーケティング初心者の私にとっては、佐藤義典氏の著書「ドリルを売るには穴を売れ」に続いて、物語調で進められるマーケティングノウハウの基本を知ることができるので、実に入り込みやすくそして実践してみたいなと思える文面です。
さて「100円のコーラを1000円で売る方法2」では、成功体験からの脱却がテーマです。一攫千金とまではいかなくても、自分たちの商品やサービスが売れた時の高揚感、そして優越感。苦労した分報われた気がしますよね。
過去の栄光からの脱却。なかなか難しいテーマですが掘り下げて考えていきます。
その不安はどこからやってくるのだろう。
コンビニでジュースやパン、おにぎりを買う。スーパーで洗剤やトイレットペーパーを買う。パッケージには、所せましと「注意書き」がなされていることに気づきます。「これは飲み物ではありません」「これはトイレ以外に流さないでください。詰まる原因になります。」「これは乳児の手の届かないところに保管してください。万が一…」など、これでもか!!というほど、注意書きがなされています。この不安はどこからくるのでしょうか。おそらく企業の宛てのクレーム案件から抽出されたものたちが、パッケージに書かれているのだろう。「書かれていなかったからその使い方をした。そうしたら被害を被ったから慰謝料を出せ!!」こんなクレームが後を絶たないのかもしれません。ただ、危険性(自分が思いもよらない使い方をする人はいますからね)をすべて限られた範囲の中で記入すること、ましてや解決策まで出すことは到底困難ですよね。
こういったすべてなんとか解決しないといけない、 不備があってはいけないという考え方を永井孝尚氏は「網羅思考」と言いました。
この「網羅思考」。どの人にも言えることだなと思います。
商品やサービスを開発する人だけではなく、一個人の中でもこの網羅思考は出てきます。心配性の方にはしっくりくる考え方かもしれません。
さあこれを占いに当てはめてみます。
占いほど危険性を含んだものはない
結論からいうと、占いほど危険性を含んだものはないと思います。
というのは、相談された内容に占いというものを用いてどんな結果が出たのかを伝えますので、当然ハッピーラッキーな結論ばかりではないのです。
ただ、ここが占い師の腕の見せ所でもありますし、占い師個人で違う見解であったり表現をするのですが、悪いことを悪いと伝えずしてどう問題に向き合うかを私は伝えるように意識しております。
しかも、私の場合、現在は対面での占い鑑定をしておりませんので相手の表情、声色は見えません。文字でのやりとりなので、とっても慎重になります。文字の威力は「残る」ことです。見返すことができることです。
この「残る」こと、反芻して読み返すことで占い師である私の言葉がお客さんの中に入り込むわけです。
意図せずして全く異なる解釈になることは容易に想像できますよね。
これは、文字を書く人すべてに言えることかもしれません。読者がどう思うのか、書き手として伝えたいことと読者の受け止める間に「壁」が存在しているならば、どうすればいいのか…。と。
でも諦めたくないのは伝えたいから
そんな危険性しかない占いを続けるのは、それでも私の占いや言葉で誰かが「あ~なんかスッキリしたかも」と思ってもらいたいからです。
人生を変えるようなことは私にはできません。変えるのはあくまでお客さん本人の力だと考えています。
もし、私が網羅思考に陥っているならば「私がお客さんの人生を支えるためにポジティブになんとかさせないと」となっているはずです。
そして果ては「そんな重荷を背負うことはできない。占い師を辞めたい。」になるでしょうね。
そんな風に思いながら、会社へ通勤されている方も多いように思いますがいかがでしょうか。
何を目指しても欠点や弱点、欠陥は出てきます。それは生きている以上、物やサービスが生まれた以上、何にでも当てはまると私は思います。
だから考えるのですよね。よりよい物を生み出したいと。これは脅迫的な観念ではなく、そこはポジティブな思考を巡らせることで卑屈にならずに向き合えるのではないかと思います。
これを書きながら、人を育てること、育児であれば家庭や学校、人を育てる学校や企業、すべてに当てはまるのではないかと思いました。網羅思考の極限は、その場所からのリタイア、辞退だと思います。しかし人の命を育てる場所にはリタイア、辞退はつまり人によっては命を絶つことを意味するかもしれません。ですので、網羅することは不可能であり、不可能だからこそ逃げていいのです。逃げる選択肢を与えられているからこそ、不完全ながらも生き続けていくんだと私は思いました。
占いは人生を網羅できません。
だからこそ、その時に悩んだことに懸命に向かう姿を応援したりそっとアドバイスするものだと占い師をしていて思いました。
占い師のマーケティングはまだまだ続く…☆
純粋にありがとうございます。いいんですか?