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【レビュー】18-50mm F2.8 DC DN Contemporary(キヤノンRFマウント用)

シグマがソニーEマウント、ライカLマウント用として登場したAPS-C対応F2.8通しレンズ「18-50mm F2.8 DC DN Contemporary」。
この18-50mmは、2022年12月に富士フイルムXマウント用が登場しましたが、2024年7月に漸くキヤノンRFマウント用が満を持して登場しました!

まず、RFマウントはこれまでキヤノン純正レンズがメインで、他社レンズメーカーが製造したレンズはマニュアルフォーカス用のみしか展開されていませんでした。(あってもコシナのNOKTONシリーズか中国メーカー{銘匠光学など}ぐらい)
そして2024年4月に、シグマとタムロンがRFマウント用レンズの製造を発表。EOS R登場から約6年の月日をかけて漸く他社レンズメーカーのオートフォーカス対応レンズが登場することとなりました。


レンズ本体

レンズ本体はマウント側がやや広がっているライカLマウント用をベースに、RFマウントに合わせた形状へ変更されています。

レンズ本体。
マウント径が約54mmとなるため、マウント側の形状が変更されている。
フード取り付け後
参考としてソニーEマウント用を。Eマウントの口径は約46.1mmのためスラッとした形に。


カメラ取付

APS-C用のため、手持ちのEOS R7に取り付けてみました。

取り付けてみると意外とコンパクト。
フード取り付け
俯瞰で撮影。

ほぼ同じ焦点距離を持つレンズとして、キヤノンでは「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」があり、こちらもコンパクトではあるものの筐体が小さく構えづらいと言う方もいると思います。
それに対し当レンズは長めとなっているので、取り付けても構えやすい大きさに仕上がっていますね。ただし、レンズ内の手ブレ補正を有していないため、ボディ内手ブレ補正がないEOS R10・R50・R100に取り付ける場合は手ブレにご注意を。

RFマウントなのでフルサイズ機(R3・R5・R6・R8)にも取り付け可能。その場合は自動的に1.6倍クロップに設定されます。
(R8はボディ内手ブレ補正が無いため手ブレに注意)

写りのチェック

カメラ本体はEOS R7を使用しました。

周辺光量など

※レンズ補正を全てOFFにして撮影しています。

18mm{35mm版換算:29mm相当}

F2.8(開放)
F3.5
F4
F5.6
F8
F11
F16
F22


24mm{35mm版換算:38mm相当}

F2.8(開放)
F3.5
F4
F5.6
F8
F11
F16
F22


28mm{35mm版換算:45mm相当}

F2.8(開放)
F3.5
F4
F5.6
F8
F11
F16
F22


35mm{35mm版換算:56mm相当}

F2.8(開放)
F3.5
F4
F5.6
F8
F11
F16
F22


50mm{35mm版換算:80mm相当}

F2.8(開放)
F3.5
F4
F5.6
F8
F11
F16
F22

周辺光量は開放のF2.8が一番大きく減光しているが、F4へ絞るにつれて段々と周辺光量低下がなくなり、F5.6でほぼ収束するようになっています。
なお、レンズ補正を設定すれば周辺光量低下はなくなります。

画質

開放のF2.8で蓮を撮影。シグマ製のレンズと言う事もあり、合焦した箇所は開放から解像感が非常に良くなっています。

風景写真なのでF7.1に絞って撮影。
全体的に暗くなってしまっているものの、ビルの窓1つ1つもしっかりと解像出来ていました。


夜間撮影

夜間撮影は浅草にて行いました。

焦点距離:18mm{35mm判換算:29mm相当} SS:1/80 絞り値:F2.8 ISO感度:1250

まずは普通通り開放F値で撮影。ISO感度は上がってしまいますが、F2.8でも良好な画質となっています。露出補正を使えばもっと良くなるかも?

焦点距離:26mm{35mm判換算:42mm相当} SS:12.1" 絞り値:F11 ISO感度:100

続いてバルブ撮影。東京スカイツリーの金メダルデザインライティングです。
JPEG撮って出しでも色の出方はキヤノンのLレンズに近い印象。そこにシグマ特有のカリカリシャープな写りが来るので「これLレンズで撮ったの?」と言われてもおかしくはなさそう。

夜間撮影(RAW現像)

焦点距離:18mm{35mm判換算:29mm相当} SS:1/80 絞り値:F2.8 ISO感度:1250

開放F値(F2.8)で撮影した東武浅草駅付近をRAW現像。華やかな感じになりました。

焦点距離:26mm{35mm判換算:42mm相当} SS:12.1" 絞り値:F11 ISO感度:100

バルブ撮影分は「金」の色具合をより強めにしてみました。


気になる点

レンズ補正なしの場合では、F2.8だと周辺光量低下が顕著に表れやすい。F5.6で解消するがF2.8でもきちっと撮影するならレンズ補正は適用しておいた方が最善と言えます。
レンズ補正ありで行っていればほぼ問題ありません。


感想

こちらのレンズはソニーEマウント用でも使用していた経験があり、キヤノン用でも非常に良い画質になるかな・・・と思ったら案の定その通りとなりました。シグマらしいカリカリシャープな写りはミラーレス用レンズでも健在です。
R7に当レンズを取り付けた時、重さはRF-S18-150mmを取り付けた時と同じぐらいに感じました。「カメラ取付」のところでも述べましたが、ほぼ同じ焦点距離を持つRF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STMと言うのがあります。こちらの方が望遠端が5mm広角寄りではあるものの、絞り値は可変となっており望遠端へ行くに連れて段々暗くなっていくのと、レンズ自体が小型かつ鏡枠沈胴式となっており、準備に手間取るのと構えづらいのが難点と言えます。その点を踏まえると当レンズは絞り値が一定かつ鏡枠沈胴式ではないのですぐに撮影出来るのが利点と言えますね。
しかし、レンズ内手ブレ補正を搭載していないので、ボディ内手ブレ補正を搭載しない機種(R・RP・R10・R50・R100・R8)では手ブレに注意しないといけないと言う制約が生じます。OS搭載であればキヤノンユーザーへの受けは良かったかも知れません。

現在、キヤノンの純正レンズでF2.8通しの標準ズームはフルサイズ対応のRF24-70mm F2.8 L IS USMでしかなく、APS-CのF2.8通しは当レンズのみとなります。RFマウントでAPS-C機をお持ちの方は是非当レンズの購入を検討してみてはいかがだろうか。

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