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友人のヤキモチを焼いて食べる

わたしは友人が少ない、と思っている。

親友と呼べるのは2人、遊びに行くような友人は時と場合によるが、毎日〜2.3日ペースで連絡をとり続けている友人は10人いる。

まずここで「いやこれで少ないわけないだろ」とつっこまれる。

親友Aは自他共に認める暑苦しい奴だ。
冷静とはかなりかけ離れているだろうけど何事にも真っ直ぐぶつかっていくそんなところがすきだ。

Aと旅行をした日の夜、私たちは珍しくお酒を飲んだ。
わたしは大学生の頃、蟹の懐石料理を前に食前酒で酔って嘔吐寸前、好物はお預け。
食べてほしそうにこちらを見つめる蟹、抗えない吐き気、こんなトラウマ2度と体験したくないのだ。
人前で飲むことを遠慮していたがこの日はAが隣にいてくれるなら大丈夫だろうとカシオレで乾杯をした。

Aの頬が紅潮し、気持ちよくなってきたのだろう。いつもより饒舌に恥ずかしいことをあれよあれよと口から零す。

「いつもストーリーでまたわたしと知らない子と遊んでる、あーまただよこの子たち誰?ていつも思ってるんだよ、わたしとも遊んでよ」

おしぼりをくるくるしては解きを繰り返す、目線はおしぼりのまま。
人のインスタグラムを見ただけでここまで思う人がいるのかと同時にここまで想われてることが嬉しくなり、わたしの頬は紅潮こそしてないが緩んだのでナムルを頬張っておいた。わたしはお酒が強いのだ。人前で飲まないだけ。ふふふ。

「いま現に遊んでるじゃない、今日も明日も2人きりだよ〜」

お酒に強いと言ったが、雰囲気に呑まれて緊張が緩み、恥ずかしいことを口にしてしまった。

嬉しい言葉は栞みたいに挟んでおきたくなる。
挟んであるページを開くとその時の情況がそこに綴られているように気持ちを巡らせることができる。

Aさん、また小っ恥ずかしいこと言い合いたいから飲みに行こうよ、とは正面切って言えないけれどいつも頼りになってます。

これは補足だけれど
ちなみに親友Bは強い。ひたすらに強い。
わたしがメンタルをやられ食欲がないときに回転寿司に連れてってくれた。
1皿も食べるのがやっとだったあの頃、人前で吐いたらどうしよう迷惑をかけたらどうしようこんな姿見せたら嫌われるかもしれないが脳内キャパを占めているとき
「吐いてよくね?わたしのことなんだと思ってるの?
看護師だし、うんこ漏らしてもいいよ全部面倒見てやるてかいつもやってるし」
なんてマグロを頬張りながら言ってくれた。
この時のことも栞を挟んだ。
もはや栞よりポストイット?ここ重要ポイントだよ〜なんて、ね。

Bは今、一児の母になった。
その逞しい腕に抱かれた子は会うたびにふくふくと大きくなり喜怒哀楽を見せるようになった。今後の成長が楽しみである。

AもBも高校で出会い、Bは入学して1番最初に話しかけてくれた子でAは2年生のときなんとなく「この子と友達になりたい!」がきっかけだった。

同じ教材を腕に抱えていたのに今や子供やらキャリアやらそれぞれ抱えるものが変わってきた。

あの時代はtiktokもインスタも昨今話題になっているmbtiなんてものもなく、ただなんとなく惹かれて似たもの同士がくっつくことが多かった。

今の企業では事前にmbti診断を受けたりするらしくわりとプライベートに関わらず関係を構築する上でかなり重要な役割を担っているらしい。

まあ、そんな診断あってもなくても私たちには関係ないけれどね〜。なんていつにも増して強気になれる。
わたしの親友はつよい。

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