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登録支援機関の「本音」と「建前」

まず前提として、外国人支援を本当に心から全力で真摯に取り組んでいる登録支援機関、監理団体がいるという事実を理解しています。割合だけでいえば、そんな支援機関の方が圧倒的に多いです。

その上で、登録支援機関という制度ひいては特定技能が悪い意味で、いわゆる「技能実習化」してしまうリスクも高まっていると感じたので、自戒の意味も込めて、同じ危機感を持つ方とじた人に伝わるように記載をします。

「建前」きめ細やかな支援と定期的な活動報告


特定技能1号で就労する外国人は登録支援機関か、受入先が構築する支援体制によって守られています。

・雇用条件書(参考様式1-6)で定められた雇用条件が遵守されているか
・支援計画書(参考様式1-17)で定められた支援計画書通りに外国人を支援しているか
・なにか問題があるか、それともちゃんと履行されているかを報告しているか

外国人に不利益なく、日本人労働者とフェアに勤務できる環境を整え、それを維持する必要があります。それが登録支援機関の役目です。

そのため出入国時に空港まで送迎したり、事前に雇用条件などについてガイダンスをしたりするなど、支援機関は自社のリソースを割いて業務を遂行する必要があります。

もちろん業務には対価が発生します。受入先負担で基本的に毎月20,000円〜30,000円/人程度が相場です。


「本音」最少スタッフ数で最低限の義務履行

支援相場が20,000円〜30,000円/人であると理解した時点で、勘が良い人は思うのではないでしょうか。

「外国人支援って割りに合わなくない?」

事業として登録支援機関だけを生業とするのは、現実的な選択肢ではないと僕も思います。
この出来上がりつつある登録支援機関の実務的な仕組みに無理が生じてきているのではないかと考えざるをえません。

本音と建前が生じてしまう要因は、「人」ではなく、人がそう判断・実行し、かつ、それが実現してしまう「仕組み」の脆さ自体にある場合がほとんどではないでしょうか。

もちろん悪意を持った人間は必ず存在します。そういう人たちが身動きできない制度設計により、すぐに炙り出され法的に制裁を加えられるべきです。

事業としての登録支援機関としての実情については、こちらでも言及されています。

専属担当者を1人雇用する人件費コスト。
支援人数が増えれば増えるほど必要になる書類作成や支援業務(属人的業務がやたら多い)作業コスト。

人件費コストを考えると支援人数が20名を超えたラインでようやくペイする数値感になると考えます。しかし20名を事前に定めた方法を徹底的に遵守して支援すると、担当者1人ではもうキャパオーバーです。

赤字覚悟で増員するか、そもそもの支援業務の質を1人で補えるように下げるか、支援業務自体を辞めてしまうしかありません。この場合現状のお金をいただくまま、会社が取れる選択肢を考えると自然とこの仕組みの問題点をご理解いただけると思います。

支援機関に委託することは、受入先として全ての外国人支援を丸投げできますし、何かあった時の責任を負うリスクヘッジにもなります。

それだけでなく、そもそもどんな支援を登録支援機関がやるかを本当に細かく把握はしていないケースが多いため、多少支援業務の質が下がったとしてもそれを知る由も無いでしょう。


課題はわかった。じゃあどうする?

支援機関が不要だという意味合いでは全くありません。
現状の課題が分かったからこそ、じゃあできることは何か。について考える必要があります。
そもそも、できないことがあれば、それは制度改革が必要ということになるでしょう。

できること

・属人的業務以外は全て効率化する
・受入先と登録支援機関による業務分担

非属人的業務の効率化

noborderはこのためにあります。
外国人の申請管理をツールで行えるようになれば、その分人手や労働コストを本業に集中投下することができます。

受入先と登録支援機関による業務分担

基本的な定期支援は受入先、属人的な支援(空港までの送迎や、各種契約締結支援等)については登録支援機関に一部委託という業務分担がベストな割合だと考えます。

定期報告や、通常支援を受入先が支援することで、お互いの業務内容についてのやり取りもスムーズに相談・改善が行えます。会社に直接言いづらいところは、登録支援機関を挟むこともできますので、良いバランス感で業務遂行が可能です。

属人的業務を登録支援機関が支援することで、受入先としてはイレギュラーな業務をする必要が削減されますし、支援機関としては担当者のリソースをセーブでき、より事業としての継続可能性が向上するのではないでしょうか。


大分長くなってしまいましたが、制度を継続可能な仕組みを構築した上で最大限に利用する方法を模索できれば、どんな仕事にも良い影響をもたらすのではないか。と常に考えています。

できることは何か。自分で変えられることと変えられないことは何か。両者を分ける違いは何か。変えられないことはどんな変化があれば、変えられることになるか。この辺がわかれば、どんな事業もうまくいく。そう信じ抜いて確かな成果を出し続けます。

Exstanはこれから。noborderもこれから。

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