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ヴァイパーズピットやビッグアルティメットへの対策

 こんにちは、A2です。今回は設置後、特に強力なウルトであるヴァイパーズピット。それへの対策についてのお話をしていきます。おそらく、競技シーンを深く知っている方からしたら当たり前だと思いますが、中級者くらいで知らない方は多くいらっしゃると思いますので是非参考にしてみてください。


対策

 まずヴァイパーズピットへの対策として真っ先に挙げられるのが、中に索敵を入れることだと思います。もちろん、ドローンなどを入れてピンをさせるのが一番良いのですが、必ずしもリテイク時にドローンが残ってるわけではありませんし、ドローンが来てる間はピット内から出たり、他の人に壊してもらうなど、全て上手くいくわけではありません。
 では、どうすれば良いのか。それは裏を取って囲い込むことです。ヴァイパーズピットは、相手のリテイクしてくる出口を塞いだり、スパイクに被せるのが一般的な使い方です。しかし、それには弱点があり自分たちのエリアを制限してしまっています。
 例えば、アイスボックスのAサイトで下図のようなピットを炊いたとします。

 そうすると、バックサイトの左半分のエリアを相手に渡したり、ラフター上の敵に対しカバーの射線を潰したりしてしまいます。もちろん、ピットの外に出ているプレイヤーもいますが、そのプレイヤーが撃ち合った時、カバーは取れないでしょう。ピットには「自分たちのエリアはここまでですよ」というようにエリアを渡してしまう弱点があるのです。
 そのCT深くまでエリアを取りに行けない点を逆手に取り、自分たちが囲い込んでピットに対する射線を増やすことで対策します。例を見てましょう。

具体例①(ヴァイパーズピット)

 このラウンドで注目すべき点は1:10〜くらいからだと思います。

まずオペを持っていたネオンが倒され、ソーヴァがA中に入ります。

1:25 ネオンが倒される

 そのタイミングでソーヴァがA中に入り、BのサイファーもAのCT付近まで寄ってAサイトの人数を増やします。ブリーチ、オーメンもそれに合わせてA側に一つずつスライドします。相手の構成はセットが強力な構成というわけではないですから、リテイクになるより人数を固めて迎え撃った方が良いという判断だったのだと思います。

1:10あたり スライドしてAを固める

 しかし、相手が入ってくる素振りがなく、時間を使ってきます。ここで、人数不利に加え、エリア的な不利も背負ったDEFは人数をかけてミッドプッシュを選択します。

0:50〜 コズミックディバイドも来る

 ヴァイパーズピットをCTに炊かれたのに対し、ソーヴァがハンターズフューリーで時間稼ぎ+スカイを倒すことに成功します。裏の3人は進行して、Aを囲い込みます。
 

ワイヤーを切ったら加速

 アストラ視点、裏から複数名来ているものの、何人かまではわかりません。ショートから来るのも怖いのでサイファーはポジションを離れられないまま、ジェット、アストラで裏を迎え撃ちます。

ローリングサンダーで2人をKill

 これに対し、ローリングサンダーを打ち込み、アストラとカバーで来たジェットまで倒して4vs3、DEFはAロングとCTからヘヴンにかけてのエリアを持っているのに対し、ATKはサイト内しかエリアがありません(加えてオーメンの情報もないと思います)。

 サイファーがヘヴンのソーヴァを倒すものの、トレードを取られてしまい3vs1、スパイクはピット外にあるため、ピットを降ろすしかなく、そこを倒されて解除されてしまいます。

 結果論になってしまうかもしれませんが、ピットをCTに炊いてしまったことが仇になったと思います。アストラ視点で裏の人数が多いことを掴んだ瞬間、それ以外の3名でCT側のエリアを取りに行っていれば、ソーヴァを倒せて、アストラが1人も倒せなかったとしても、3vs3になっていました。

CTにピットを炊いていなかったら…

 それに加えサイト内とCTからヘヴンにかけてのエリアを持った状態でアンチリテイクになります。スパイクの位置的にヘヴンから射線が通りますし、CTからも通しやすいです。
 それがピットを炊いてエリアを制限してしまったことで、行動まで制限してしまった結果となりました。

 一つ留意してもらいたいのは、私はCGZの批判をしているわけではありません。これに関して言えば、ZETAの対応が見事だったと思います。

 そして、この裏からのリテイクはヴァイパーズピットに限った対策ではありません。もう一つ例を見てみましょう。

具体例②(ローリングサンダー)


開幕

 開幕からミッド4の配置を取るDEFに対し、ATKはAメイン4で進行、ナイフを入れてチェックします。B進行の場合もリテイク用にカメラを置いておきます。

 それに対し、ATKはドライでエルボーを取り、そこからのローリングサンダーでエントリーします。もちろんサイトは空けているので、誰も喰らっていません。KAY/Oがスキルを入れていたので、サイト内にいるかもと思わせることができました。その隙に裏の4人がファイトを仕掛けます。ネオンは倒されてしまったものの、トレードを取り4vs4、エリアもAメインとCTが取れている状態です。

 CTでウルトを使ったKAY/Oがモク抜きで倒されてしまいますが、ソーヴァもブリーチを倒します。ATKゲッコー視点はメインも怖いので、メインから見えないプラントをします。

 エルボーに壁を炊きますが、一瞬で壊されてしまい、レイズが倒されます。
 そのタイミングでCTのエリアを取りに行ったゲッコー、CT側をクリアし後は裏に集中ですが、設置位置はCTから見えません。スモークを炊かれてしまい、顔を出すしかありません。

 ゲッコーとソーヴァのトレードを取ったオーメン、2vs1でエルボーとメインからセージを挟み込み、そのまま倒して解除成功です。ローリングサンダーを上手く避けながらエリア的な有利も取ることができました。

まとめ

 ヴァイパーズピットやビッグアルティメットへの対策として裏からのリテイクをご紹介しました。こういった対策を知ることは、VCTなどの競技シーンを見る上で面白い視点になると思います。なぜDEFはこの配置を取っているのか、の一つの理由を提案できているようでしたら何よりです。

あとがき

 今回から出だしだけでなく、本文も口語体にしてみました。文語体でいくつかの記事を出しましたが、親しみやすさや分かりやすさが失われているような気がして口語体にしてみました。よければどちらが良いかなども教えていただけると嬉しいです。

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