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サンセット -メタの変遷を追う-

こんにちはA2です。今回はサンセットのメタの変遷について、時系列順に追っていきます。サンセットの戦い方についての解説ではないことをご承知おきください。


はじめに

 サンセットが実装されたのは2023年の8月30日です。

2023年8月30日、ライアットゲームズは、PC向けタクティカルFPS『VALORANT』(ヴァロラント)にてエピソード7 Act2を開始した。

 新マップ“サンセット”、新バトルパス、新スキンシリーズ“インぺリウム”が登場。

『VALORANT』新マップ“サンセット”が登場するエピソード7 ...

 そして今回は、Masters Madrid(3月14日 - 3月24日)、Masters Shanghai(5月22日 - 6月9日)、Champions Seoul(8月1日 - 8月25日)とそれに伴う各地域のkickoff、stage1、stage2で猛威を振るったチームを中心に見ていきます。

Masters Madrid

 Master MadridではSentinels(以下SEN)のサンセットが印象的だった。あの時期はヴァイパー環境が続いており、サンセットにおいてもヴァイパーを採用するチームが少なくなかったなか、SENは2イニシ構成を採用していた。

Masters Madrid出場チームのサンセット構成

 この8チームのうち、2チーム(GEN.G、Karmine Corp)はサンセットをプレイしていない。それ以外で見ると6チーム中3チームがヴァイパーを採用している。
 こういったヴァイパー環境の中でSENはサンセットをどのように戦っていたのか。

Sentinelsのサンセット

 SENの構成はオーメン、KAY/O、サイファー、レイズ、ゲッコーである。

アタッカーではゲッコーの真上ディジーを活かしたミッド取りをすることが多かった。

トップスモーク、真上ディジーでミッドプッシュのチェック

また、これ以外にもAロビーでの真上ディジーなど、ゲッコーのスキルを再利用できるという特性を存分に活かした情報取り、アクションを見せていた。

Aロビーでの真上ディジー


Aメインでの真上ディジー

また、この頃からB設置後、メインへ引く戦術があった。

レイズだけ前へ残してBメインへ引く

 ディフェンダーでAメインを一人で守る戦術に関してもこの頃から存在していたが、ゲッコーに管理させていた。通常ならオーメンに管理させるところを、ゲッコーに管理させている。これはオーメンを使っているTenZ選手に、より勝負の機会を与えるためという理由もあると思う。

Aメインを管理するゲッコー

また、ディフェンダーでオペレーターをほとんど使わないというのも特徴的だった。考えられる要因として①2コン構成が多い相手に、射線を切られてしまうため②Aメインを高めに抑えている間、B側の人間には耐える動きが求められていたので、オペレーターには不向きだった。以上の二つが考えられる。

Masters Shanghai

Masters Shanghaiのサンセットといえば、なんと言ってもTeam Heretics(以下TH)である。ヴァイパー採用は廃れつつあり、多くのチームが2イニシ構成を採用していた。

Masters Shanghai出場チームのサンセット構成

 ただ、ゲッコー、ブリーチの採用が目立つなか、THはソーヴァ、KAY/Oの構成を使っていた。どのように戦っていたのだろうか。
※THはEMEA stage1とMasters Shanghaiではロースター、構成が異なっているが今回はMasters Shanghaiでの構成を見ていく。

Team Hereticsのサンセット

 ソーヴァを採用することのメリットとしてまず挙げられるのはワイヤーの壊しやすさだろう。ソーヴァ不採用のチームは、レイズのグレネード、KAY/Oのナイフを当てるなどでワイヤーを警戒していたなか、THはショックダーツでBの壊せないワイヤーを壊していた。

また、Aメインを高めに抑える守り方に対して、ドローンは非常に強力である。

これにより、高めに守っていた相手は、Aメインを手放し、逃げるためのスキルを使わされる。

ソーヴァならばエリアを取る際、ゲッコーと比較して遠い場所へスキルを入れることができ、距離が離れている味方へのサポートもしやすい。

Aメインからエルボー奥へのリコン

 トップの片側を塞ぐスモークもこの時期から登場してきたように思える。

トップ右側に炊くスモーク

今では有名になったが、タイルをワンウェイで見れるカメラの発祥もTHである。

通称ベンジーカメラ

2コン環境も終わり、オペレーターを持つ機会も増えたのも特徴である。

 アセントを思い出してみれば分かる通りセンチネル+ソーヴァで片方のサイトを守り、もう片方のサイトをKAY/Oのナイフやグレネードでラッシュを止める。この守り方をサンセットでも確立したのがTHだと考える。

Champions Seoul

Champions Seoulの注目すべき点は、ネオンの台頭である。

Champions Seoul出場チームのサンセット構成

Shanghaiではネオン採用のチームは0だったのに対し、Seoulではサンセットをプレイした全12チーム中6チームがネオンを採用している。
 また、ゲッコーの採用は減りソーヴァを使うチームが増えてきたのも特徴である。相方のイニシはKAY/Oやブリーチを採用している。
 そしてShanghaiで無敗を誇ったTHを攻略し、サンセットの勝率100%で優勝を果たしたEDGに注目してSeoulでのサンセットを見てみる。

EDward Gamingのサンセット

 ディフェンダーにおいて、オーメンでA1の状態を作り、他のエリアへ人数をかけるこの戦い方は、1年を通して使われた。

開幕はレイズ、KAY/O、オーメンでAメインを取り、その後一人を残してローテート

 ベンジーカメラへの対策(?)としてミッドにケージを定点で投げて、ラークするタイミングや情報を遮断したいタイミングで起動する。

Bメインをコントロールし、Bサイト内への入りをわからなくさせるためのスモークも見られた。

 Bメインコントールをする際に下の画像のようなリコンも見られた。以前までは、カメラやナイフ、ディジーなどで取っていたBメインだったが、時間が経つにつれ多彩な取り方も増えていった。

 エントリーする際にマーケットに炊くモクについても変化が見られた。
以前までは赤丸のポジションを警戒するために膨らませたスモークが多く見られた。

 しかし、ネオンのファストレーンの影響(?)や赤丸のポジションに対する警戒度も上がったことからへこませるスモークが炊かれるようになった。

 ローテが早いネオンの採用によりディフェンダーでソーヴァ、KAY/O、ネオンが頻繁にポジションを変えるようになった。
 また、サイファーをAに置く配置も増え、その分Bメインでのカウンタープレイや強めに取ることも増加した。

感想

シーズンの序盤は2コン環境ということもあり、ヴァイパーの採用が目立ったが、それからは2イニシに移って行った。2イニシでもKAY/Oに関しては今回紹介した3チーム全てが採用しており、サンセットにおいてKAY/Oが非常に強力だと伺える。デュエリストはレイズからネオンに移っていったのが印象的なシーズンだった。それが如実に感じられたのがこのマップだったと思う。


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