過去未来よりも現在をーー『祭 GALA』観劇記録
雪が溶けると春になる。
春の訪れ、桜は人間の気持ちを追い越して咲きました。そして、今年も春と共に新橋演舞場から『祭 GALA』という盛大な春祭りが人々の心に届けられました。
祭と書いてGALAと読む、同じく祭りや祝祭、にぎやかな催しの意味を含んでいます。その騒がしいテーマに合わせて、演舞場もお祭り仕様にしやがられました。赤、黄色、紫のライトに照らした「祭」と「GALA」を書いた扉。演舞場の中と客席の上にほどよく明かりを灯すお祭りの提灯。開演前スクリーンで映し出した鳥居。すべては観客の心を揺さぶるものとなり、神秘に纏わるお祭りの開幕を待っていました。
宗教、神話、お伽噺など大好き人間なんですけど、舞台の時は自担が出演している時は自担しか見ておらず、ちゃんとセットの細部までに目を向けていませんでしたので、細かい考察ではありません…あくまで個人的な感想です。
オープニングからスノの御三方が上から客席を俯瞰するよう、高い台で登場、怯えさせた目線を配って、穢すことできない神々しい雰囲気でした。ジュニアやJAEのダンスで、神様を拝むような振り付けなどを加え、言葉にできないけど不自覚”すごい”と思う自分は「神様の祭典に入り込んだ」ではないかくらい思いました。
不気味な空気だけど惹きされた岩本くんのソロ。透明感が溢れていたふっかさん、昔の自分への答え合わせとジュニアがあの日の自分の影のような演出。洋の衣装と曲調で和のセットとの程よいバランスで魅了しただてさん。殺陣や踊り、フライングやアクロバット、お笑いから歌舞伎まで、100分間ずっとパフォーマンスで満たされました。これまでのSnow Manの御三方が新橋演舞場や他の舞台で積み重ねてきた結晶でした。
……素敵な演目内容や出演者のパフォーマンスについてもっとお話したかったですが、結局自担がステージ上で輝く姿しか思い出せませんでした。ですので、少し自担への思いを書かせていただきます。
今年の春はどこへ行くだろう、とずっと考えていて去った冬。帝劇じゃなくても演舞場だと思いませんでした。情報解禁した日はかなり複雑な気持ちでした。たきかぶが幕を降ろし、これからの私には新橋演舞場とのご縁はそんなにないだろうと思いましたが、この春、GALAで阿達くんに会えてとても幸せでした。
大した困難ではないかもしれませんが、やはり好きな人に会えない日々はすべてつらかったです。そのつらい日々を乗り越えて、やっと好きな人がステージ上でキラキラと輝いている姿を見ることができたとき、すべてが有意義でした。
阿達くんが全力でパフォーマンスする様子を見て、相変わらず阿達くんのダンスが大好きだなと感じました。岩本くんの振り付けは”動”と”静”が明確に表現されていて、細かい振りや体の刻み方が特徴で、音と合わせて繊細さが溢れ出す。自分の中では、阿達くんがそのような表現方法や力の使い方にとても得意だと思ってますので、岩本くんの振り付けが阿達くんによって踊られることはとても嬉しかったです。
阿達くんが踊るたびに、秒ごとに刻まれるように、「好き」の気持ちが更新されました。「あーこのターンが好き!」とか、「さっきの肩の動きめちゃかっこいい!」とか、公演中はそんなことばかりが湧き上がっていました。キラキラと輝く笑顔が客席に向けられた瞬間、視界は一瞬で光に満たされました。「これだ」という言葉が自然と頭に浮かび、お客さんの笑顔を見ることができている阿達くんもきっと喜んでいるだろう。そしてわたしはその笑顔がますます好きになりました。幕を降りるまで一瞬でも目を逃さなかった。
舞台の上にいる時も「会いたい!」と思うくらいで、終演の瞬間には多幸感と寂しさが交錯し、この好きな気持ちがどこに届いているのか、ちゃんと伝わっているのだろう。
きっと御三方や他のジュニアに対しても、客席のどこかで「好きだな」と思っている方々がいるのでしょう。愛の鱗が好きな人の光に反射し、色とりどりの空間を作り出す。
少しだけと言ってましたけど、ちょっと長文になりました。X(Twitter)ノリは割愛します。
好きという鮮やかな気持ちで満たされた空間、希望に満ちた季節。見上げれば永遠に散らない桜が本当にそこにいました。
GALAで「好き」の連続が発生して、幸せな春でした。
桜の花びらは散るではなく、舞うのです。
そして、また新たな風が吹いています。
花と道と空と夢と僕らは生きている。