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砂漠に雪は降るのか

伊坂幸太郎さんの砂漠を読んだ。
読むきっかけは、読書趣味の友達が最近読んで面白かった、伊坂幸太郎は天才だって勧めてくれたから。
あと、”なんてことは、まるでない。”って文章がたまに入るんだけど、その文章の挟み方というか使い方が面白いと言っていたから、それも気になって読んだけど。

ここから、感想に入ります。ネタバレほど詳しく書かないし、内容知っていても十分に楽しめるから、まだ小説読んでない人が読み進めるかはお任せします。

読んでみて、同じように伊坂幸太郎さんは天才だと思ったし、なんてことは、まるでない。に何回かずっこけた。
あと、予想外に面白かったのは、キャラクターがとても魅力的というか、実際いたら友達になれるか分からないし、反対に関わらないようにするかもしれないけど、なんか一緒に会話してみたくなるような面白さが登場人物みんなにあった。まさに、終盤の莞爾と同じ気持ちだよね。

今、莞爾の意味を気になって調べたんだけど、
にっこり笑うさま。ほほえむさま。だって。いいなぁ。莞爾って最初は嫌なやつかなって思ってたけど、鳥井の噂を北村に話して、関わらない方がいいよみたいに言ってたし。けど、終盤のお前たちみたいなのと仲間でいたかったんだよなって一言で、きゅっと90度ぐらい印象が変わった。すごく気持ち分かるよって共感の気持ちになった。
伊坂幸太郎さんも莞爾っていう人物のこと好きだったんじゃないかな。だといいな。

キャラクターの話でいうと、印象的すぎたのは、西嶋だよね。
最初の飲み会で西嶋が出てきた時は、物語の中心人物になるなんて思いもしなかった。むしろ、飲み会にいたその他大勢と同じように小馬鹿にしながら読んでいた。うわぁ、現実にも居そう、こういう人は面倒くさいよなぁぐらいの気持ちで読んでた。
けど、北村たちが西嶋を無駄に邪険にせずに、少しずつ友人として付き合っていくのを読みながら、私も同じように西嶋の面白さが少しずつ分かってきた。鳥井のことを励ますのに、ビルを中にした時も、こいつ励まし方が意味分からないけど、いい奴なんだなぁ、西嶋も鳥井たちのことを友人と思っているんだなぁと少し嬉しくなった。
分かった、馬鹿馬鹿しくて元気になるんだ。見下しているように馬鹿馬鹿しく思っているのではなくて、呆れながらも思わず笑っちゃうような感じ。
西嶋みたいな目の前の事に立ち向かう真剣さを、きっと今の私は持ち合わせていなくて、それがちょっと羨ましいなと思った。実際に、西嶋みたいな人と会った時に、小馬鹿にする自分じゃなくて、会話して中身を知ってから笑う自分でいれたらいいよね。格好悪いけど、堂々としている自分もどこかに持ちたいよね!

あとは、会話の軽快さが良かった。鳩麦さんの洋服屋さんに初めて行った時の会話で、
全盛岡市民が今、国道四号を南進しはじめたに違いない。って北村が言った後に、国道かよー。高速使えよ。と鳥居が突っ込んでいる感じとかが私は好きだった。
会話の内容に意味はほとんどないんだけど、くだらない掛け合いがとても好きだ。こういう所が、伊坂幸太郎さんは天才だと思った。
生きづらさとか自分の無力さとかをユーモアで救っちゃうような人なのかもしれない。伊坂幸太郎さんは。



砂漠を読んでから、ラモーンズを聴いて、どハマりしてしまった。朝から晩までラモーンズを聴いている。

なんてことは、まるでない。

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