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残された者の役割

祖父の葬儀に出席した。祖父との最後のお別れ。
最後とは言うものの、自分のイメージでは最初でもある。
大切な人が亡くなると、自分との距離がゼロになって自分の一部になった感覚でいる。これからも祖父を想い、常に一緒にいる感覚。悲しくもあるが嬉しくもある。そんな感覚で、自分の中に少しずつ大切な人が増えてきた。

葬儀にはもちろん関係者が集まる。
久しぶりに従兄妹に会い、近況を話し合った。40代、同じ世代ならではの話。現在の環境、日々の思考、これからの目標、今大切にしていること。祖父が繋いでくれた久しぶりの再会に話がはずむ。

祖父の家で走り回ってみんなと遊んでいた頃からは想像出来なかった光景だか、それだけ時が流れ、みんな成長しながらいろんなものを背負ってきたのだなと感じた。

40代。みんな中堅な位置の立場。
私生活では子供が小学校高学年や中学生になり、これから社会へ羽ばたく子供たちを陰ながら応援する立場。

仕事では上司と後輩の間で緩衝材の役割をする難しい立場。日々の忙しさに追われることもある一方で、現状を踏まえてこれからの将来を見直す時期でもある。

自分はこれまでの見直しでフリーランスにシフトしたが、みんなはじっくり見直している最中のようだった。
ただ、従兄妹と話していると何が大切なのか?が明確に見えてきた。それは、自分の大切な人を幸せにすること。

子供と触れ合うことや、離れて暮らす両親のこと、自分の好きなこと、興味を持っているけどまだぼんやりとしていること。いろんな話を聞けた。

そんな話をしている時の従兄妹の顔は、その日会った時よりも素敵な顔をしていた。それほど今の環境が悩ましいものなんだなと感じられた。

今、大切にしたいことやこれからやりたいこと、これからの時間をどう生きるか?人生の見直しは必要かもしれない。ただ、大切な人のことを想うのも大事だが、一番は自分。自分が笑顔でいれないと、大切な人も笑顔にできない。

そのためにも、自分と向き合って、何が大切なのかを考える時だと感じた。その時を経て、自分が笑顔になり、大切な人を笑顔にできた時、そのために行動している姿、行い、全てについてみんなの中にいる故人が笑顔で見守ってくれていると思う。なるべく多くの日々を笑顔で生きる。それが、残された者の役割だと自分は考える。

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