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汚れを落とす

人間の指先は、いろんなものを感じ取ることができる。
素手で掃除してみた。

台所の三角コーナー、排水口、シンクなど、使っていると汚れてくるところが目について掃除してみた。
いつもはスポンジで洗うが、ある程度しか汚れが落ちないので、これまで心残りで掃除を終えていた。

そんなこともあってなのか、なんだか素手で洗いたくなくなって洗ってみた。ヌルヌル汚れを指先で感じる。シンクも一見ツルツルしてるようでヌルヌルしている。スポンジではなかなか取れない汚れは、指先や爪でこすると以外とよく落ちる。

みるみる汚れが落ちていく工程に、気持ちが上がる。
普段、なるべく素手で触れないようにしてスポンジ経由で汚れと向き合っていたが、直接汚れに触れて向き合ったことで汚れが落ちていく様を体感できた。

スポンジではわからない微妙な感覚。指先だからわかる絶妙な感覚。汚れに直接触れている自分という、何か隔たりをとっぱらった感覚。はたから見たらおかしな人に見えるのかもしれないが、自分は地に足が着いた感じがした。

トイレ掃除を素手でする人がいると聞く。
その時も同じような感覚なのかもしれない。そもそも、汚れは人間が生きる上で生み出すもの。生きているからこそ、食べる行為が生まれ、野菜くずが出たり、魚の骨が出たり、汚れの原因となるものが発生する。

人間が元気に生きている産物を指先で感じながら汚れを落とす。なんだか「いとおかし」な感じがした。
汚れは確かに汚い。でも、スポンジでも雑巾でも素手でも、きちんと向き合って掃除すれば、程度は違ってもちゃんと落ちる。物理的な汚れは物理的に落とせる。

ただ、人間の中には精神的な汚れが存在する。
善悪という視点で見ると、見る角度によって様々なので判断できない。ただ、素手で掃除をしてみたら、精神的な汚れも落ちるかもしれない。

何かこう、自分をどこまで下に落とせるか?
自分が今持っている全てのものを一旦とっばらって、素の自分と向き合った時、地に足が着き、どこが汚れているか気づけるかもしれない。

気づけたら、あとは落とすだけ。
汚れを落とすなら素手もおすすめ。

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